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モグラ生活から、輝く太陽の下へ　やぎともこのボディ・ドライブ　in ジャパン

やぎともこ 2014年3月6日 11:10

【やぎともこ】

うー　うー　うー　うー　うーうううー
オーク・センマン！
オーク・センマン！WAO！

　郷ひろみさんの名曲、『２億４千万の瞳』の歌に乗せ、キーを打たせていただきます。出逢いは億千万の胸騒ぎ。素敵な事件を探しています、イラストレーターのやぎともこです。はじめまして。

　さて、スポーツナビDoをご覧になっている方々に申し上げるのは大変お恥ずかしい自己紹介ではありますが……。趣味は「真夜中のネットサーフィンと引き出しの中の整理」という、まるで体を動かすことは　子供のころからからっきしの私。そんな私が、長年にわたり積もり積もったモグラのような生活習慣を改善しようと一発奮起し、ランニングをはじめたのが、今から２年前。大げさではなく、３０メートル走れませんよっ、というところからスタートしました、その世界は――。

それは　なにもかもが新鮮な　未知の世界

【やぎともこ】

「わたし　走るんです」
　誇らしい胸の高鳴りとともに、心躍る初めてのシューズ選び。色とりどりのドロップのような鮮やか色のウエアたち。すれ違う風や雨。カランコロン・カラン。身体の内側に鳴り響く、心臓のリズム。高速道路のように張りめぐらされた血管の働き。そして、少しずつ、少しずつ、変化していく　己の肉体。

【やぎともこ】

　今まで感じたことのない景色の連続に、私は、まるで生まれ変わったような感覚を覚えたものでした。その時の私は、人と会えばランニングとそれにまつわる体力づくりのあれこれをらんらんと語り、村上春樹さんの『走ることについて語るときに僕の語ること』を愛読書とし、「これからは走ることを一生の趣味にする」と公言していました。
　しかし、あるマラソン大会の抽選に漏れたのをキッカケに、あっけなく元の巣穴のモグラ生活に逆戻り……。そうして私の“一生モノの趣味”は、８カ月でしごく曖昧に幕を閉じました。あれよー。

【やぎともこ】

　残されたのは、押し入れの引き出しいっぱいに詰まった、スポーツ・ウエア、ウエア、ウェア……。

　これが、気分を盛り上げる時用の、一番お気に入りのランニングコーディネートでした。赤・青・白が、機動戦士ガンダムのようです。こうして今眺めますと、「たちあがれ・たちあがれ・やぎともこ」と語りかけてくるようです。

【やぎともこ】

　そしてこれが、目の醒めるような赤と、左肩の銀色のプリントが効いている（自称）ウルトラマン・セット。どこかしらジャパンを感じさせる色合いが素敵と思っていました。。

【やぎともこ】

　そしてこれは、（自称）春のタンポポ・セット（？）

【やぎともこ】

　そういえば、「いつの日か絶対フルマラソンに出るんだ！」と思っていたっけ。高性能のランニング用のタイツを野生のカモシカのように颯爽（さっそう）と履きたいなあ、と思っていたっけ……。もはやフルマラソンどころか、ジムのお風呂さえ行かなくなってしまった今となっては、サイズ問題もろもろあり、着るに忍びなく。その上、普段着として全く着回しのできないウエアたち。これらをしばし眺めつつ、楽しく引き出しの中を整理する、真夜中のモグラの時間。

　モグモグモグ、と暮らしていくのも楽しいけれど、ときには身体を動かして感じたい。知らない景色を見にいくために、自分の身体を運転してみたい。素敵なウエアで「ボディ・ドライブ」してみたい。

「やぎともこの　ボディ・ドライブ　in ジャパン」では、かつて愛したウェアたちを、再び輝く太陽の下で素敵に身につけられるよう、やぎともこが張り切って、または張り切らずに、身体を動かし「ボディ・ドライブ」していく所存です。

　わたし、ランニングをしながら、たくさんの素敵な事件を探しにいきますよ。胸騒ぎがしています。
　えい、えい、おー！

※ボディ・ドライブとは：
自分の身体を運転すること。また、自分の身体を感じてみること。やぎともこが夜中に勝手に創作