『LOVE FOR THE EAGLES』。大事な一戦で横浜Eが爆発させた“愛”

【©ジャパンラグビーリーグワン】

昨季のプレーオフトーナメント3位決定戦で激突した東京サントリーサンゴリアス(以下、東京SG)と、横浜キヤノンイーグルス(以下、横浜E)。その強豪2チームが今季は苦しんでいる。まだ第10節というシーズン半ばではあるものの、今季初対戦はプレーオフ出場圏の6位を懸けての一戦となった。結果は、横浜Eが33対22で東京SGを一蹴。順位も6位から5位へと上げることに成功した。

第7節から3連敗を喫し、これ以上負けられない横浜Eは、沢木敬介監督が自ら、第10節のテーマとして『LOVE FOR THE EAGLES』を設定。チームのために体を張ることを選手たちに求めた。その狙いどおり、勝利への渇望と愛が好結果を生むこととなった。

勝利のためにはいつもと違うことが必要と、行動と結果で示したのは、10番の田村優。「今日はテストマッチ(代表戦)と思ってやりました」と語る名キッカーは、前半と後半、場内がざわつく50m近いロングペナルティゴールに成功。梶村祐介キャプテンも「正直、ちょっと遠いと思いましたが、優さんが『いける』と言ってくれたので」と振り返る難しいキックをきっちり決めるのだから恐れ入る。

田村はプレーで見せるだけでなく、言葉でもチームを鼓舞。ハーフタイムには、先発に抜擢された石田吉平に対し、「タックルできないならピッチを去れ」と叱咤。その石田が後半、まさに体を張ってディフェンスに奮闘し、後半36分には勝利を決定づけるダメ押しトライを決めてみせた。仲間に厳しい言葉を掛けることも、その叱咤激励に結果で返すことも、一つのチーム愛であるのは間違いない。

そしてこの日、横浜Eをけん引した愛といえば、トップリーグ&リーグワン通算100キャップ達成を果たした中村駿太と沢木敬介監督の“師弟愛”だ。二人の関係はU20 日本代表でのヘッドコーチと選手から始まり、東京SGでも監督と選手として関係性を築き、昨季から中村駿太が沢木監督率いる横浜Eに移籍したことで師弟関係が復活。節目の100キャップをともに迎えることができた。

愛弟子の大台到達に、沢木監督が手放しで褒めることはない。むしろ、試合後にはこんな注文をつけていた。

「まだまだ彼が望んでいるポジションには到達できていない。もっとハングリーになって、インターナショナルの試合に出られる選手にならないといけない。もうかれこれ10年以上の長い付き合いですけども、これからもまた、僕に怒られ続けるんじゃないですか。彼はMですね笑」

(オグマナオト)

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