大勝にも気を緩めず。150キャップも通過点に 大戸裕矢はさらなる成長を誓う

【©ジャパンラグビーリーグワン】

クラブレジェンドの一人である大戸裕矢が、今節でクラブ通算150キャップを達成した。磐田市の最高気温が22度を超えたこの日、スタンドの熱気はキックオフ直後から一気に最高潮に達した。

今節でクラブ通算50キャップを達成したサム・グリーンのキックオフに対して、静岡ブルーレヴズは全員で相手レシーバーに襲い掛かり、鮮やかなターンオーバー。一気に攻勢を掛けた。

その流れから、前半4分には先制トライが生まれる。ラインを突破した日野剛志から大戸にオフロードパスがとおって大きくゲイン。長くチームを支えてきた同期コンビの阿吽の呼吸によるビッグプレーは、まさに“胸熱”な瞬間だった。「日野ちゃんはフォワードだけど相手をズラせるタイプなので、チャンスがあるかなと思い切って(ボールを)もらいに行きました」(大戸)。そこから最後は大戸がシルビアン・マフーザに渡して先制トライ。その後もトライを重ねて、前半27分の時点で29対0と大きくリードを広げた。

後半は、三重ホンダヒート(以下、三重H)に押される時間帯も長くなり、一時はイエローカードが2枚出て、前節のクボタスピアーズ船橋・東京ベイ戦に続いて13人で戦う時間帯があったが、全員で耐えて三重Hのトライを1本に抑えた。ただ、大戸は「13人になるのは本当に良くない。仕方ないペナルティというものは絶対にないと思うので、そこはチームで厳しく言っていくしかないと思います」と強く引き締めた。

試合後、150キャップ記念Tシャツを着たチームメートから祝福された大戸は「うれしかったです」と語りつつ、次に向けて気持ちを新たにすることを忘れなかった。「いまはプレーオフトーナメントが見える順位にいますが、先を見過ぎるようなチームではないと思うので、一つひとつしっかり勝っていくために、しっかりと自分の役割を果たしていきたいと思います」。チームとしての伸びシロを実感できた今季7勝目の裏で、150試合を通過点としてさらなる成長を誓う34歳がいた。

(前島芳雄)
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