毎朝6時半にクラブハウス着。プロ意識の塊、サム・ケレビ
今節は、勝てば順位が入れ替わるリコーブラックラムズ東京とのビジターゲームに挑む。浦安DRとしてクラブ史上初のディビジョン1での勝利を挙げた先週の三重ホンダヒート戦、13,604人の観客が最も沸いたのは後半20分にシェーン・ゲイツが決めたトライの瞬間だった。約70mを全力疾走した末の決勝トライ。ネイビーとイエローで染まった秩父宮ラグビー場は大きく揺れた。
ただ、そのシーンを少し巻き戻して見ると、もう一人の立役者が浮かんでくる。タックルに来る相手をまったく寄せ付けず、自陣深くから圧巻のボールキャリーを見せたサム・ケレビである。「ゲイツのスピードに定評があるのは分かっていましたし、相手も速い選手だったので、自分は最初の20mだけを頑張って、あとは任せました」そうやってケレビは涼しい顔で言うが、この男のボールキャリーは、いつもチームを助け、スタジアムをどよめかせる。
まさにワールドクラスの、お金を払って見る価値のあるプレーと言える。しかし、本人からすれば、“自らの役割を全うしているに過ぎないよ”と、言わんばかりに笑顔で続ける。「それが自分の仕事だからね。アタックでもディフェンスでもチームに勢いをもたらすことが自分の仕事。そのために契約してもらっていると思っているよ」それでも、その圧倒的なフィジカルと抜群のスピードを保つための、努力を欠かさない。「才能と努力の両方が必要」というケレビは、毎朝6時半にはクラブハウスに到着し、ルーティンの筋力トレーニングに励んでいる。「自分はフィジー人なので恵まれた遺伝子もあると思うけど、その遺伝子もハードワークがないと生かせないからね。重いおもりを上げることも大事だけど、瞬発力を鍛える動きも大事。チームとして組んでいるメニューの中でどれだけ上位に食い込めるかを意識しているよ(笑)」
連勝、そして最下位脱出へ。「自分の仕事をやり続けた先の副産物として勝利が待っていると思うから、勝利も大事だけど、それ以上に過程を大事にしたい」。
浦安DRが誇る“心優しき怪物”は、チームのため、勝利のため、ボールを前に運び続ける。
(須賀大輔)
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