【Tリーグ日本ペイントマレッツ】スタッフコラム#18「流れ」を断ち切り勝利を呼び込む:経験がもたらすチームの成長

日本ペイントマレッツ
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【Ⓒ日本ペイントマレッツ】

1/12(日) 日本ペイントマレッツ 3-1 木下アビエル神奈川

【第1マッチ(ダブルス)】青木 咲智・伊藤 詩菜 0-2 岡田 琴菜・リ ジンシカ (10-11/2-10)
【第2マッチ(シングルス)】 芝田 沙季 3-0 櫻井 花 (11-5/11-1/11-2)
【第3マッチ(シングルス)】橋本 帆乃香 3-0 リ ジンシカ (11-4/11-6/11-6)
【第4マッチ(シングルス)】佐藤 瞳 3-2 面手 凛 (7-11/11-9/11-4/7-11/11-9)

卓球というスポーツにおいて、「流れ」はしばしば勝敗を大きく左右すると筆者は感じる。攻めるタイミング、守る粘り、そして全力で振り抜いた最後の一打。それらすべてが、「流れ」という得体の知れないものに影響を受ける。流れをうまくコントロールできたほうが試合を優位に進められる一方で、流れに飲まれてしまった側は連続失点という落とし穴に陥ってしまう。そして、その「流れ」は個人戦だけでなく団体戦の会場全体にも渦巻いている。良い流れを少しでも長く継続させるために、選手たちは試合中の立ち振る舞いにも気を配り、監督やコーチはタイムアウトや声掛けのタイミングを駆使して、時には相手チームにプレッシャーを与える。

初戦の第1マッチのダブルスでの敗戦。前日ヒロインインタビューを受けたペアが敗れたことで、相手に傾きかけそうな嫌な流れを断ち切ったのは、第2マッチの芝田選手の小気味の良いテンポでのストレート勝利だった。

試合後のインタビューで、芝田選手は試合の進め方についてこう語ってくれた。
『前日の京都カグヤライズ戦の第1セットでは、5連続失点で追いつかれた場面がありました。大量リードを許した相手が開き直って積極的に攻めてきた際の対処に苦戦してしまい…その点について監督やコーチからは、状況に応じた試合の進め方についてアドバイスを受けました。技術そのものよりも、状況に応じたプレーの判断を意識するようにとのことでした。今日の試合では、相手のミスを誘うプレーだけでなく、自ら積極的に点を取りに行くプレーを強く意識するよう修正して臨みました」

結果としては前日と同じ3-0でのストレート勝利であったが、この日の試合は終始相手に流れを渡すことなく勝ち切る展開となった。そしてそれが続く第3マッチの勝利、さらには第4マッチのビクトリーマッチでの勝利につながっていく結果となる。そんなチームの勝利を呼び込むような試合の運び方に、彼女のチーム内での存在感の大きさを改めて実感させられた。

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試合後の勝利インタビューで、大嶋由美監督は次のように振り返った。
『(国際大会出場により大藤・横井選手が不在の状態の中、)年上の3人で『勝ち切るぞ』という決意を持って臨んでくれました』
若手選手が持つ勢いと才能がチームに活力を与える一方で、経験豊富な選手の存在はその活力を適切な方向へと導き、チーム全体の歯車を噛み合わせる重要な役割を果たしている。そしてその両者が現在進行形で混じり合っている現在のチームの状態こそがチームの『層の厚さ』として機能している要因ではないだろうか。

シーズンも残すところあと7試合。このままチーム全員で切磋琢磨し、力を一つに結集して“頂”を目指していきたい。
(Text by Shinya.K / Photo by Yusuke Nakanishi)

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著者プロフィール

日本ペイントグループ女子卓球チーム「日本ペイントマレッツ」は、2017年4月に誕生し、2018年に卓球のTリーグが発足すると同時にTリーグに参画しました。 世界で活躍できるトップ水準の選手育成と排出を目標に掲げ、各地域での子ども向け卓球教室の開催やこども卓球台の寄贈などを通じて「卓球」の魅力と可能性を広げ、更なる発展に貢献しています。また、卓球で“ヒト”と“ヒト”をつなぎ、ホームタウンである大阪の街や生活に活力と夢、彩を与えています。

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