【Tリーグ日本ペイントマレッツ】スタッフコラム#16「勝ち切る」 ”頂”に駆け上がる者の条件

日本ペイントマレッツ
チーム・協会

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スポーツにおいて、「勝利」は常に最終目標であり、選手たちが日々追い求める価値そのものだ。しかし、全ての試合が単純に『実力が上回っているから勝つ』という形で終わるわけではない。むしろ、接戦の中でいかに「勝ち切る」か──その精神力と戦略こそが、勝者を決定づける本質なのかもしれない。
『どちらに転んでもおかしくない結果でした』大嶋(雅)コーチは試合後にこう話してくれた。2025新年最初のゲーム、プレーオフ出場を狙う両チームにとって、シーズン残り試合を勢いづけるために是が非でも勝ちたい一戦。ゆえに当日の出場オーダーについては画策せず、自力で勝ち切るため、あえて真っ向勝負で臨んだという。両チームともフルメンバーでの試合は、結果こそ3-1のスコアで無事勝利することができたが、どの試合も非常に白熱した試合が続いた。
特に第2マッチの橋本選手 vs. 早田選手戦は3ゲーム全てが11-10のフルセットまでもつれ込む激戦に。Tリーグ歴代試合の中でも指折りの名勝負のひとつとなったと言っても過言ではないだろうか。原則デュースのないTリーグルールにて、あと1ポイントを取り切り「勝ち切る」力。それは戦術の妙や個の力の爆発よりも、選手・監督・コーチなどのチーム全員が「絶対に勝つ』という意志を共有し、ミスを恐れずにリスクを冒し続けた結果なのかもしれない。接戦の中で、プレッシャーに押しつぶされそうな状況でも、最後の一歩を踏み出し、手を伸ばし、勝利というゴールを掴み取る。それには技術や戦術以上に、精神力と冷静さ、そして勝利への渇望が求められる。特に『卓球』というスポーツには、実力だけではなく、そうした目に見えない力が試されるところに試合の醍醐味があるのではないだかろうか。
試合中、監督・コーチの「やることを決めてやり切れ!」「肚を決めて!」という檄が印象的だった。そしてその後押しを糧に選手たちが勝ち切った事こそが、日本ならず世界で実績を積み重ねてきた「自力の証」なのかもしれない。

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24-25シーズンも残り9試合、全25試合の長いシーズンもようやく7合目まで来た。2025年初戦を幸先よく勝利で飾ることができたが、最後の最後まで何があるかまだまだ分からない。新年の風物詩、箱根駅伝でも、今年も7区で逆転・アクシデントが発生している。
どちらのチームが最後に『頂に駆け上がる』力を発揮できるのか。
試合後のヒロインインタビューで、地元北海道出身の佐藤瞳選手はこのような言葉から始めた。
「前を見ても横を見ても見覚えのある方がたくさんいて、アウェー戦ではあったんですけどホームの気持ちで戦うことができました」
そんな佐藤選手が出場した第1マッチのダブルスも、最終ゲームを11-10という接戦を制して勝利を掴んだ。
私たちの応援が、選手が勝ち切るための「目に見えない力」を後押ししているのかもしれない──そんな想いで、頂に辿り着くその瞬間まで、応援を届けたい。

(Text by Shinya.K / Photo by Photo by T.LEAGUE/AFLO SPORT)

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著者プロフィール

日本ペイントグループ女子卓球チーム「日本ペイントマレッツ」は、2017年4月に誕生し、2018年に卓球のTリーグが発足すると同時にTリーグに参画しました。 世界で活躍できるトップ水準の選手育成と排出を目標に掲げ、各地域での子ども向け卓球教室の開催やこども卓球台の寄贈などを通じて「卓球」の魅力と可能性を広げ、更なる発展に貢献しています。また、卓球で“ヒト”と“ヒト”をつなぎ、ホームタウンである大阪の街や生活に活力と夢、彩を与えています。

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