「大好きな日本」で、夢は日本代表入り。異国の地で学び続ける21歳の第一歩

【©ジャパンラグビーリーグワン】

日本での大きな一歩を踏み出した。中国電力レッドレグリオンズ(以下、中国RR)のセバスチャン・シアラウが来日3年目で待望のNTTジャパンラグビー リーグワンデビューを飾った。

2022年11月、オーストラリアのメルボルン・レベルズに所属していたセバスチャン・シアラウに、提携先の花園近鉄ライナーズ(以下、花園L)で練習参加する機会が巡ってきた。「ラグビーを学びたい、上達したいという気持ちが強かった」とあふれる成長欲を抱いてサモア出身の18歳は異国の地へと旅立った。

最初は練習生として経験を積み、2023年には花園Lに正式加入した。だが、在籍2シーズンでリーグワンでの出場はなく、今年の5月に退団。若きバックスのユーティリティープレーヤーは「来てすぐ大好きになった」という日本でのプレーを望み、中国RRに移籍した。新天地には9月に合流し、「新しい環境で緊張したけれど、練習初日にヨガをしたのが面白くて最高だった」と順調にチームに馴染み、練習にも打ち込んできた。

広島に来て約4カ月、12月21日のシーズン開幕戦でスタメン入りを果たした。試合2日前にファーストジャージーを初めて手にしたセバスチャン・シアラウは、「とてもうれしい。これを手にするためにハードワークしてきた」と笑顔を見せた。

「あとはコーチやみんなに僕を起用したことが正しい決断だったと証明しないといけない。少し緊張しているけど、とても楽しみでもある。一歩ずつ前に進むだけだ」

試合前日に21歳になって迎えたデビュー戦。「グラウンドに出ると、緊張は飛んでいった。ただいいプレーをしようと考えていた」とラグビーに夢中だった。スタンドオフで出場し、前半38分にはタッチライン際の難しい位置から「いつも自信を持って蹴っているから不安はなかった」とコンバージョンキックを決めて初得点も記録した。

宿敵マツダスカイアクティブズ広島との開幕戦は26対61で大敗を喫し、苦いデビュー戦となった。だが、それもグラウンドで戦ったからこそ味わえた経験だ。「タフな試合だったけれど、プレーできて楽しかった。大事なシーズンを迎えられてうれしいし、僕のプレーを見せる機会が増えると思うから楽しみにしている」。そう話すセバスチャン・シアラウの笑顔には、戦いのアザが勲章のように刻まれていた。

日本での再挑戦は始まったばかりだ。セバスチャン・シアラウは、「今日の試合も大きな学びだったし、次に向けて改善していくだけだ」と海をも超える成長欲で前進する。「まだまだ上達しないといけないけど、目標は日本代表。日本が大好きだから」と大きな夢に向かって新たなスタートを切った。

(湊昂大)
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