【Tリーグ日本ペイントマレッツ】スタッフコラム#15『流れを紡ぐ』
【T.LEAGUE/AFLO SPORT】
こんなデータがある。昨レギュラーシーズン、ダブルスに勝利した試合『12』中、チームが勝利した数はなんと『11』。つまり第1マッチダブルスに勝利した場合、チームはほぼ勝利していることになる。今シーズンにおいてもその傾向は顕著で、ここまでダブルスが勝利した『9』試合中、チームが勝利した数は『8』。もちろん様々な要素が絡み合っての結果だが、統計上ではダブルスの勝利がチームの勝利に重要な要素であることは間違いない。また、Tリーグには独自ルールがいくつか存在し、ダブルスは『3ゲームマッチ、最終ゲームは6-6からスタート。最終ゲームのみデュースあり』というルールが導入されている。スリリングな試合を楽しめる反面、選手に普段以上のプレッシャーがかかっていることは容易に想像できる。
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結果、終始試合の流れを渡さなかった「Wさっちゃん」ペアが「2-0」で勝利し、前回のリベンジを果たした。2ゲーム目中盤の重要な局面、坂本コーチの「考えて、考えて」というアドバイスの声が響いたことが印象的だった。相手の戦術を読み解くこと。過去の試合データや選手の動向をプレー毎に分析し最善の一手を一瞬で考えること。自分たちの技術と経験を重ね合わせること。そんな積み重ねが勝利につながったと感じる。『卓球は100m走をしながらチェスをするようなスポーツ』と比喩されることがある。特徴を知り尽くした相手であったからこそ「考えてプレーすること」= 「戦術」の重要性が凝縮されたような一戦だった。
第1マッチを制し、よい流れに乗ったチームは第2・3マッチでも勝ち切り、結果「3-1」で2024年の最終戦に勝利した。試合後、大嶋監督は「今日は向かっていくだけ、その中で全選手が迷わずやり切った、勝ち切りました」と笑顔で話してくれた。実は、試合当日の朝から「今日はいける気がする」という予兆はしていたらしい。チームの雰囲気、選手の表情など全体からそう感じさせるものがあったのだろう。チーム全員で作り出したよい流れを絶やすことなく紡いでいくことが、結果としてチームの勝利に繋がると感じた一日だった。
次戦は1月初旬と少し間が空くが、選手たちは年末年始も練習の日々を過ごすだろう。2025年に向けて、反省するべき点は反省し、経験を一通過点としてしっかりやっていく。成長もあれば挫折もある。そんな中、少しでも成長することを求めて、選手は常に想いをめぐらすことが戦術となり、その積み重ねがチーム全体の流れとなる。
レギュラーシーズンは残り10試合。12勝3敗という好成績で2024年を締めくくったが、まだ先は長く、そして険しい対戦がまだまだ控えている。最後の”頂”に辿り着くまで、チーム全員でこのよい流れを紡いでほしい。
(Text by Shinya.K / Photo by Photo by T.LEAGUE/AFLO SPORT)
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