【九州電力キューデンヴォルテクス・猿レポ】選手がレポート!プレシーズンマッチ第6節 vマツダスカイアクティブズ広島戦
試合後レポートを担当させていただきますプロップの猿渡です。
12月7日(土)、プレシーズンマッチ6戦目、マツダスカイアクティブズ広島(以下、SA広島)との試合が広島県にある“Balcom BMW Rugby Stadium”で行われました。
【©九州電力キューデンヴォルテクス】
前節の花園L戦で掴んだ勢いを、このSA広島戦にぶつけ、自分たちの成長を確かなものにする。
そしてさらにその勢いを加速させ、最高の形でリーグワン初戦を迎えるためにも、この試合は非常に重要な一戦です。
自分たちのすべきことを一つひとつ丁寧に、そして全力で遂行し、勝利を掴み取る。
その思いを胸に、この試合に全力で挑みます。共に戦い、共に熱く、共に楽しみましょう!
SA広島戦の試合メンバーはこちら
https://www.kyudenvoltex.com/game/p129
《試合内容・結果》
この日の最高気温は12.1度。
本格的な冬の寒さが肌を刺す広島の地。
その冷え込みをものともせず、試合メンバーたちは湯気が立ち上るほどの熱気を身にまとい、13時のキックオフの瞬間を待ちます。
そして、ついにその笛が鳴り響き、熱戦の幕が切って落とされました。
全員が試合開始の笛を今か今かと待ち構えていたかのように、試合開始直後から激しいコンタクトがフィールドの至る所で繰り広げられます。そんな中、試合の均衡が最初に破れたのは前半7分でした。
SA広島がラインアウトから見事なサインプレーを展開。
流れるようにボールを繋がれ、ヴォルテクスは先制トライを許してしまいます。
スコアは0-7。
苦しいスタートとなりますが、ヴォルテクスの選手たちは冷静さを失いませんでした。
その後も相手の猛攻をしっかり耐え抜き、反撃のタイミングを伺うヴォルテクス。そして前半13分、ついにその瞬間が訪れます。
力強いボールキャリーをする山添圭祐選手【7番 フランカー】 【©九州電力キューデンヴォルテクス】
そのままスピードに乗った走りでインゴールへ飛び込みトライ。
スコアを7-7の振り出しに戻しました。
さらに勢いに乗るヴォルテクスは、前半17分に再びスコアを動かします。フォワード陣がゴール前で執拗に攻め続け、連続アタックの末、最後は8番 キャプテンのアレックス・ウォーカー選手が渾身のトライ。
力強いプレーで14-7と逆転に成功します。
そのわずか2分後の前半19分には、ヴォルテクスの持ち味である堅実なディフェンスが冴え渡ります。相手の攻撃を鋭く読み切った9番 スペンサー・ジーンズ選手が、絶妙なタイミングで相手パスをカット。
そのまま60メートルを独走し、観客を沸かせる圧巻の追加トライ。
スコアを21-7と点差を一気に広げます。
パスカットをしてトライに向かって一気に駆け上がるスペンサー・ジーンズ選手【9番 スクラムハーフ】 【©九州電力キューデンヴォルテクス】
その背中を追いかけながら、心の中では「いやいや、速すぎるだろ!」とツッコミつつも、彼の判断力と身体能力に対して頼もしさと羨ましさがごちゃ混ぜに。
最終的には「あ、これトライだ、嬉しい!」という結論に落ち着きました。
その後、SA広島に1トライを返されるものの、ヴォルテクスはリードを守り切り、前半を21-14で折り返しました。
ハーフタイムでは、前半の反省点や改善点を共有し、疲労回復と体の冷え対策をしながら後半に備えます。このタイミングで前半に出ていたほとんどの選手が交代をし、15分のハーフタイムを終え再びグラウンドへ。
後半開始の笛を待ちます。
後半はヴォルテクスのキックオフで再開。
開始早々、相手のミスを誘ってボールを奪い返したヴォルテクス。
そこで一瞬の状況判断を見せたのは、29番 スタンドオフの松下彰吾選手でした。
大外へ絶妙なキックパスを送り込むと、それに反応した33番 ウイングの金堂眞弥選手が見事なキャッチ!
そのままダイビングトライを決め、スコアを26-14としました。
後半開始わずか1分での鮮やかな一撃に、会場は大いに沸き立ちます。
さらに後半17分、自陣のラインアウトから展開された攻撃でヴォルテクスは再び魅せます。
絶妙な連携でボールを繋ぎ、最後は再び金堂選手のもとへ。
金堂選手は約40メートルを走り抜け、相手ディフェンスを巧みにかわしながらインゴールへ飛び込みトライ。
連続得点で33-14とリードを広げます。
鋭いステップで相手のタックルをずらし裏に出てオフロードパスをする松下彰吾選手【29番 スタンドオフ】 【©九州電力キューデンヴォルテクス】
そして、後半22分と31分には、SA広島に連続トライを許してしまい、スコアは33-26。
点差はわずか7点に詰まり、一瞬たりとも気の抜けない展開となります。
スクラムを組むフォワード陣 【©九州電力キューデンヴォルテクス】
迎えた後半40分、相手陣内深くまで攻め込みますが、痛恨のミスから相手ボールのスクラムに。
スクラムでプレッシャーをかけてターンオーバーを狙いましたが、相手は冷静にボールを展開。
連続アタックで徐々に前進を許し、最後は巧みにボールを繋がれトライを奪われてしまいます。
さらに、SA広島のゴールキックも成功し、スコアは33-33の同点に。
そのまま笛が鳴り響き試合の結果は引き分けという形で終えることとなりました。
《個人的見解と次戦に向けて》
今回の試合では、前半立ち上がりに先制トライを許したものの、その後は連続トライを奪い、後半も開始早々に最高のスタートを切ることができました。
攻めのディフェンスからのパスカットによるターンオーバートライや、キックパスからのトライといったビッグプレーも生まれ、試合の流れを掴む場面も多くありました。
しかし、その勢いを試合の最後まで維持し続けることができず、結果として引き分けという形に終わりました。
とはいえ、これらのプレーは、状況に応じた適切かつ大胆な判断から生まれた非常にポジティブなものであり、それを実行できるチーム全体の信頼感と良い空気感は、確かな自信を持てる部分だと感じています。
何度もインパクトのあるプレーでチームを勢いつけた山田 有樹選手【25番 フランカー】 【©九州電力キューデンヴォルテクス】
今回の試合は、改めて自分たちの立ち位置を見つめ直す良いきっかけとなり、多くの学びを得る場となりました。
この経験を糧に、試合を通じて見えた課題や改善点をしっかりとブラッシュアップし、それらをチームの成長に繋げていきたいと思います。
シーズン開幕に向け、さらに準備を重ね、チーム一丸となって臨みます。
《今週の個人的Pick up Player》
今回私が選ぶPick up Playerは、SA広島戦で見事なダイビングトライを決めた金堂 眞弥選手(以下、金堂選手)と
ヴォルテクスのメンバーで身体能力NO.1とも言われている運動量豊富な神田 悠作選手(以下、神田選手)をご紹介します。
まず最初に紹介するのは金堂選手。
【©九州電力キューデンヴォルテクス】
https://www.kyudenvoltex.com/player/342
福岡県出身、城南高校から慶應義塾大学へ進学し、その後ヴォルテクスに加入した金堂選手。
彼の持ち味はここぞという時の勝負強さと当たり負けをしない力強さ。
今回のSA広島戦でもダイビングトライを含める2トライを決め大活躍でした。
そんな金堂選手が現在夢中になっているのは野球観戦と格闘技観戦!特にアメリカを拠点とする世界最高峰の総合格闘技団体、Ultimate Fighting Championship(通称:UFC)が大のお気に入りなんだとか。
その中でも推し選手は、UFCフライ級で日本人最多連続勝利を誇る平良達郎選手。この平良選手の勝負強さに影響を受けているからこそ、金堂選手も「ここぞ!」という場面での集中力と気持ちの入り方がずば抜けているのかもしれません。
そしてもう1つ注目したいのは、平良選手の名台詞「アイムハッピー、サンキュー!」。金堂選手が試合後にこのフレーズを披露する日が来たら、ファンもハッピー&サンキューの嵐になること間違いなし!
もしくは金堂選手独自の新しいフレーズが誕生することもあるかも??
金堂選手のこれからの活躍にも要注目です!
次に紹介するのは神田選手。
【©九州電力キューデンヴォルテクス】
https://www.kyudenvoltex.com/player/318
福岡県出身、東筑高校から東洋大学へ進学し、その後ヴォルテクスに加入した神田選手。
先の紹介でも少し触れましたが、「ヴォルテクスの中で一番身体能力が高そうな選手は?」と尋ねられると、真っ先に名前が挙がるのが神田選手。彼の特徴は、圧倒的な運動量と体の使い方の上手さ。
さらに、周りから「練習の虫」と呼ばれるほどラグビー愛にあふれ、全体練習が終わっても最後までグラウンドに残って努力を重ねる筋金入りのハードワーカーなんです。
とはいえ、プレシーズン途中に体を痛めてしまうという試練も。しかし、リハビリを経てSA広島戦では見事リザーブで復帰戦を果たしました。
そんな神田選手の特技が「トムとジェリーのBGMを聴くだけでエピソードが分かる」こと。だそうです。「どういうこと!?」と思うかもしれませんが、トムとジェリーはエピソードごとに流れるBGMが異なっており、それを完璧に記憶しているんだとか。
これは、凄まじい記憶力と集中力の賜物!
ラグビーもトムとジェリーも共通するのは、「好きなことにのめり込む」その姿勢。
神田選手の意識の高さと努力は、確実にプレーにも生きています。
さあ、これからも神田選手がどんな活躍を見せてくれるのか、期待しかありません!
そして、トムとジェリーがお好きな方もそうでない方も是非、神田選手に声をかけてみてください!
これからの神田選手の活躍にも要注意です!
《最後に》
SA広島戦を終え、プレシーズンマッチ全6試合の全工程を無事に終えることができました。このプレシーズンを通じて、ヴォルテクスは技術面だけでなく、内面的にも大きく成長し、さらにチームとしての結束を深めることができました。
夏の猛暑も秋の肌寒さも関係なく、何度もフィールドを駆け抜け、数え切れないほどのウェイトを担ぎ上げてきた日々。
そして激しいぶつかり合いの中で、自分たちの限界に挑み続けてきた努力のすべてが、いよいよ12月末に開幕する2024-2025シーズンのリーグワンで試されます。
我らヴォルテクスのリーグワン初戦となる第1節は、12月21日(土)に福岡県のホストスタジアム「ベスト電器スタジアム」で、日本製鉄釜石シーウェイブス(以下、釜石SW)を迎えて対戦します。
釜石SWとは昨シーズン(2023-2024)に2度対戦し、戦績は1勝1敗でした。多彩なアタック力と個々のフィジカルの強さが際立つ彼らは、非常に手強いチームです。
そんな相手に対して、私たちは受け身になることなく、試合開始から全力で挑みます。
そして、これまで積み重ねてきた努力のすべてを発揮し、少し早いクリスマスプレゼントとして開幕戦の勝利を皆様に届けたいと考えています。
そのために、開幕までの限られた時間を無駄にすることなく、しっかりと準備を進めていきます。
シーズンの始まりを、最高の形で迎えられるよう、チーム一丸となって全力で戦います。
ぜひ会場にて引き続き皆様の熱い応援の程、宜しくお願い致します!
『猿渡 康雄ってどんな人?』
と思われる方もいらっしゃるかと思いますのでこの場を借りて私のInstagramのURLを貼らせて頂きたいと思います。
興味のある方はぜひチェック&フォローをお願いします!
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