運動部活動の種目別活動状況

笹川スポーツ財団
チーム・協会

【写真:Adobe Stock】

 笹川スポーツ財団では、1992年から全国の18歳以上、2001年からは10代、2009年からは4~9歳を対象に、「スポーツライフに関する調査(スポーツライフ・データ)」をそれぞれ隔年で実施し、運動・スポーツ実施状況、スポーツ観戦、好きなスポーツ選手、運動部活動、生活習慣など、国内のスポーツライフの現状を明らかにしてきました。2023年6月から7月に、「子ども・青少年のスポーツライフ・データ(4~21歳のスポーツライフに関する調査)」を実施。中学生・高校生の運動部活動の活動実態をご紹介します。

本文:鈴木 貴大(笹川スポーツ財団 スポーツ政策研究所 政策オフィサー)
※2024年9月に笹川スポーツ財団・公式ウェブサイトに掲載されたものです。

1.所属している運動部活動の種目

 表1には「12~21歳のスポーツライフに関する調査2023」より所属している運動部活動の上位10種目を学校期別に示した。中学校期は「ソフトテニス(軟式)」が16.7%で最も高く、「バスケットボール」15.9%、「卓球」13.5%と続く。高校期は「バスケットボール」が16.2%で最も高く、「サッカー」「バドミントン」が11.2%、「野球」「バレーボール」が7.8%であった。

表1 所属している運動部活動の種目(学校期別) 【資料:笹川スポーツ財団「12~21歳のスポーツライフに関する調査」2023】

2. 中学校期の運動部活動の種目別活動状況

 表2には中学校期の1週間あたりの平均活動日数、平日・休日の平均活動時間を全体・種目別に運動部活動の調査項目を追加した2017年から経年で示した。表2には2017年から2023年のうち加入率が1度でも5位以内に入った種目のデータを掲載しているが、n数が少ない種目もあるため結果の解釈には留意が必要である。

 全体の活動日数をみると、2023年は4.8日であり2017年の5.7日から約1日減少した。平日・休日の活動時間も同様に2023年は2017年と比較するとやや減少し、平日は2.1時間、休日は3.4時間であった。2018年にスポーツ庁は「運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン」を策定し平日・休日にそれぞれ1日ずつ休養日を設ける、活動時間を長くても平日2時間程度、休日は3時間程度と具体的な数字を示した。活動頻度の減少はガイドライン策定の効果が一定程度あったと考えられる。

 種目別の活動状況をみると、2023年の活動日数はバレーボールの5.3日が最も多く、卓球の4.4日が最も少なかった。ほとんどの種目で2017年以降活動日数は減少傾向にあることが読み取れる。平日の活動時間は2023年では野球が2.4時間で最も長く、サッカーが1.9時間で最も短かった。平日は放課後の活動となるため、活動時間は多くの種目で2時間前後であり2017年から大きな変化はみられない。休日の活動時間はバレーボールと野球が4.0時間で最も長く、サッカーが2.7時間で最も短かった。野球は2017年以降ほかの種目よりも長い傾向が続くが、2017年の5.7時間と比較すると1.7時間短くなった。

表2 中学校期の運動部活動の種目別活動状況 【笹川スポーツ財団「12~21歳のスポーツライフに関する調査」(2017~2023)】

3. 高校期の運動部活動の種目別活動状況

 次に高校期の1週間あたりの平均活動日数、平日・休日の平均活動時間を全体・種目別に表3に示した。表3には2017年から2023年のうち1度でも加入率が5位以内に入りn数10以上の種目のデータを掲載しているが、n数が中学校期と比べても少なく、20を下回る種目もあるため結果の解釈には留意が必要である。

 全体の活動日数は2023年5.2日であり2017年の5.8日からは減少傾向にある。平日の活動時間は2023年2.5時間と2017年の2.7時間から大きな変化はみられなかった。休日の活動時間は2017年の4.3時間に対し2023年は3.9時間と微減した。表2の中学校期の状況と比べると高校期の活動日数は増え、平日・休日の活動時間も長くなる傾向が確認できる。

 種目別の活動状況をみると、活動日数はいずれの調査年度においても野球が最も多く2021年を除き6日を超えた。一方、活動日数が最も少ない種目はバドミントンであり、2019年以降は5日未満であった。平日の活動時間をみると、いずれの調査年度においても野球は3時間を超え、ほかの種目よりも長い時間活動している様子が読み取れる。活動時間が短い種目は、2023年は陸上競技の2.2時間であり2021年はサッカー、バドミントン、陸上競技が2.2時間でほかの種目よりも短い結果となった。休日の活動時間は平日と同様に野球が最も長く、2017年から2021年は7時間を超え、2023年は微減したものの6.6時間とほかの種目と比べても長い。一方、陸上競技はいずれの調査年度においても活動時間が最も短く、2023年は唯一3時間未満であった。

表3 高校期の運動部活動の種目別活動状況 【笹川スポーツ財団「12~21歳のスポーツライフに関する調査」(2017~2023)】


「子ども・青少年のスポーツライフ・データ2023」調査概要
■調査内容
運動・スポーツ実施状況、運動・スポーツ施設、スポーツクラブ・運動部、習いごと、スポーツ観戦、スポーツボランティア、好きなスポーツ選手、健康認識・生活習慣、身体活動、個人属性 等

■調査対象
1)母集団:全国の市区町村に在住する12~21歳
2)標本数:3,000人
3)抽出方法:層化二段無作為抽出法

■地点数:全国225地点

■調査時期:2023年6月24日~7月21日
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著者プロフィール

笹川スポーツ財団は、「スポーツ・フォー・エブリワン」を推進するスポーツ専門のシンクタンクです。スポーツに関する研究調査、データの収集・分析・発信や、国・自治体のスポーツ政策に対する提言策定を行い、「誰でも・どこでも・いつまでも」スポーツに親しむことができる社会づくりを目指しています。

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