初球から積極的に振る大事さ。ロッテ吉井監督が思い出した近鉄 伝説の助っ人 ブライアントの豪快なスイング!

千葉ロッテマリーンズ
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千葉ロッテマリーンズ吉井理人監督 【千葉ロッテマリーンズ提供】

 懐かしいことをふと思い出し、ニヤリと笑った。3月、バンデリンドームナゴヤで行われたオープン戦のことだった。吉井理人監督は野球評論家の権藤博氏と久々に再会し、話し込んだ。近鉄バファローズに在籍していた現役時代、権藤氏は投手コーチを務めていた。

「ブライアントの話になってね。ああ、確かにそうだったなあと思い出した。たまには昔話も大事だなと思ったね」と吉井監督は笑う。

 ラルフ・ブライアント。強打を誇った猛牛打線の中核を担った助っ人でリーグ優勝を果たした89年には49本塁打でホームランキングに輝くなど日本で259本塁打を記録した伝説の打者だ。とはいえ、来日当初はなかなか結果が出ずに苦しんでいた。結果が出ず、ドラゴンズからトレードでバファローズ入り。移籍後もなかなか思うような結果が打席では出なかった。そんな時にチームメートの外国人選手で80年にメジャーでも本塁打王に輝いた実績を持つベン・オグリビーが熱心にアドバイスをしていた姿を吉井監督は思い出していた。

 「オグリビーがよくブライアントにアドバイスをしていた。もっと初球から積極的にバットを振れ、とにかく強く打つことを意識しろと。当時、英語がそんなに分かっていたわけではないけど、そう言っていたのをよく覚えている。その話をブライアントが直立不動で聞いていた。その姿はワシにとって、とても印象的だった」と吉井監督。

 その後、積極的に強いスイングを心掛けたブライアントはホームランを量産するようになり、当時のプロ野球を代表する外国人選手に上り詰めた。そして力強いフルスイングはこの選手の代名詞になった。権藤氏と当時の近鉄バファローズの思い出話をしている時にそのことを思い出した。

 「投手としてはやっぱり、そういうのは嫌。若い選手には初球から思いっきり振って欲しいと思う。それに初球というのは一番チャンスボールが来ることが多い。チャンスで結果的に併殺になってもいいから、積極的に強く引っ張りに行って欲しい。まずはその意識が大事」

 監督就任からここまでの2年間、選手たちに結果を恐れて消極的になるのではなく思いっきりバットを振る大事さを伝えてきた。そしてそれは3年目を迎える来年も変わらない。

 指揮官は選手たちには練習から声を掛ける。「初球から思いっきり振ってや」。優しく語り掛ける。その先にこそマリーンズの未来があると信じている。

千葉ロッテマリーンズ広報室 梶原紀章

千葉ロッテマリーンズ吉井理人監督 【千葉ロッテマリーンズ提供】

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