関西インカレ・関西学生種目別陸上 男子100m覇者のスプリンター 大阪体育大学・萩尾に聞く

大阪体育大学
チーム・協会
 関西の学生陸上競技は今季、短距離で大阪体育大学・萩尾脩人選手(体育学部4年、門真なみはや高校)の台頭が光った。いずれも100mで、5月の関西学生選手権(たけびしスタジアム京都)では10秒43で自身初優勝し、大阪体育大学として39年ぶりの同種目制覇。7月の西日本学生選手権(福岡市)は10秒40で3位。10月の関西学生種目別選手権(大阪市・ヤンマーフィールド長居)では10秒33(追い風参考)で2連覇を達成した。卒業後は企業で競技を続け、来年9月の東京世界陸上出場をめざす。好調の要因、これからの目標などを萩尾選手に聞いた。

【大阪体育大学】

――今季を振り返って
 今年の目標は、まず関西インカレ優勝、その流れで西日本インカレ優勝、日本インカレ入賞でした。すべてを達成できた訳ではないですが、スタートが良かったと思います。体調がすぐれないまま臨む大会も多かったのですが、体調が悪い中でも、走ったら結果につながるような動きやメンタルを維持できていたのかなと思います。
――陸上を始めた理由は
 小学生の時、たまたま(五輪3連覇、世界記録保持者の)ウサイン・ボルト選手の走りをテレビで見て、「この人を抜かしたい」と子ども心に思ったのがきっかけです(笑)。当時はサッカーをしていて足には自信がありましたが、中学から陸上に進みました。

【大阪体育大学】

――大阪体育大学に進んだ理由は
 教員になりたいという思いがメーンで、プラスアルファで陸上も続けられたらと考え、入学しました。高校時代は大阪インターハイでも予選落ちなどで実績はほとんどなかったのですが、陸上部で後輩に教えるのが楽しく、教えることにもスポーツにも関われる教員に憧れました。
――なぜ大学で結果が出たのか
 大学に入ってから、本当に陸上がめちゃめちゃ楽しく感じたのが一番の理由です。楽しければ自分から取り組みます。やらされるのではなく自分から取り組むことで、技術や知識が一番吸収しやすかったのだと思います。
――なぜ楽しかったのか
高校時代は練習メニューがしっかり決まっていましたが、大学では基本的なメニューはあるけれど、それ以外は自分で考えて実行しなさいという練習メニュー。自分がやりたいことをやって、自分が直したいところを直すという感じでした。自主性を持って練習して、たまに貴嶋孝太先生(准教授・短距離監督、スポーツバイオメカニクス)が来て、その際に自分から疑問点などを伝え、「それだったら、こうしたらいいんじゃない」などとアドバイスをいただいて、自分で修正していきました。1年生から徐々に自己ベストを更新していて、3年生の秋に関西学生種目別で優勝してから、「関西1位」にこだわり始めました。

貴嶋孝太陸上競技部短距離監督と 【大阪体育大学】

――競技力向上にプラスになった授業は
 一番良かったのは、栄養学。どの競技もそうですが、「食」はスポーツに一番大事だと、授業を受けて強く意識しました。自分は白ご飯と肉類中心の食生活だったのですが、野菜、果物などビタミン系をしっかり摂ったら、体の組成が良くなっていくということが分かりました。
――100mの魅力は
 走る側としては一瞬で終わり、一番緊張しますが、そこに楽しさがあります。また、100mは僅差で勝敗が決まり、接戦がとても多いので、その「わくわく感」を見ている方に伝えることができる種目だと思います。
――卒業後の目標は
 企業で競技を続け、東京世界陸上(来年9月)をめざします。そのためには、まず標準記録を切って日本選手権(7月)の出場権をつかみ、日本選手権で好成績を収めて代表に選ばれることが必要です。出場できる可能性は大きくないですが、1つでも多くの大舞台を経験していきたいと考えています。
――大学に進んで陸上をめざす高校生にアドバイスを
 高校時代、ぼくは結果を残してこなかった。誰にでもチャンスがあります。
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