ドラマチック 山内日菜子が一発逆転V
山内 日菜子 【Photo:Atsushi Tomura/Getty Images】
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《グリーン=スティンプ:11フィート コンパクション:22mm》
乾坤一擲。山内日菜子がスーパーショットを放った。パー3・17番の第2打は54度で、グリーン右端20ヤードから。ボールは鮮やかにカップに吸い込まれた。
「第1日、17番で2オン、3パットのダブルボギーを叩いた。15、16番と…近くになるにつれて、ドンドン心拍数が上がっていくのがわかりました。でも、第1打を狙い通りに行けたから、あとはピンへボールを寄せればいいだけです。ラインはストレート。決まった瞬間、自然にバンザイをしたものの、後続の選手がプレー中だし、貯金ができたなぁ、と思った程度。(優勝は)簡単にはいかない、と最後まで集中した」という。
【Photo:Atsushi Tomura/Getty Images】
「去年、アクサレディスゴルフトーナメントを優勝した時もチップインが2回…」。というのは、この日、前半の7番、グリーン右から10ヤードのチップインを決めているからだ。このあたりが勝負師。第六感がさえたところかもしれない。とはいえ、今回の伏線にはこんなこともある。「ゴルフ5レディスプロゴルフトーナメント最終日、優勝争いで大詰めの17番。アプローチのミスショットで2位に終わった。今回も17番で、同じようなロケーションです。だから、ゴルフ5のような、ショートだけはしたくはない。あの経験がきょうの17番につながったと思います」と、と振り返った。なるほど、布石があったのだ。
【Photo:Atsushi Tomura/Getty Images】
優勝が決定すると、練習ラウンドをともにすることが多い、藤田さいきが涙を流しながら、祝福に駆けつけた。「さいきさんのお顔を見たら私まで、もらい泣きをしてしまった」と、笑顔を振りまき、「(藤田と)第1日、第2日、同組でプレーできたことが大きい。参考になりました。練習ラウンドも含め、あのリズム感を、です。きょうの17番、そのイメージで打った」。見えないところで、これほど多くのことがあるとは想像していなかった。
25年シーズンのシードを確定させ、2週後には故郷へ凱旋。何と、ゴルフは奥深く、不思議なスポーツなのだろうか。(青木 政司)
【Photo:Atsushi Tomura/Getty Images】
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