【エリザベス女王杯 × 過去データ分析】4歳馬優勢で今年は波乱も!?

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【データ分析】

今週は秋の女王決定戦・エリザベス女王杯が行われる。昨年の覇者で、前哨戦の府中牝馬Sも制したブレイディヴェーグが連覇に挑むレースになるかと思いきや、ここは回避して次週のマイルCSへ向かうことになった。ディフェンディングチャンピオンが不在となった一戦で新女王の座に就くのはどの馬か。JRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用して過去の傾向から分析してみよう。

1、3番人気が好成績も、穴馬の激走を警戒

■表1 【人気別成績】

過去10年の人気別では、1番人気が【2.2.2.4】で複勝率60.0%、3番人気が【4.0.3.3】で同70.0%をマーク。しかし2、4番人気は振るわず、その分穴馬の好走も少なくない。特に9~12番人気が計【1.4.1.34】複勝率15.0%と人気の割に健闘しており、穴馬への警戒は怠れない。

4歳馬が中心に

■表2 【年齢別成績】

年齢別では4歳が【7.4.5.44】と7勝を挙げ、複勝率も26.7%でトップ。毎年少なくとも1頭は3着以内に入り、2020年を除く9回では連対を確保しているため軽視は禁物だ。次いで3歳が2勝で、複勝率は4歳に迫る23.5%。5歳以上は劣勢だ。

前走G2組が10年で9勝

■表3 【前走クラス別成績】

過去10年の3着以内馬はすべて前走で重賞に出走しており、好走馬30頭中29頭は前走G2以上。特に9勝を挙げているG2組への注目は欠かせない。なお、表2で好走が多かった4歳馬のうち前走がG2だった馬は【7.4.3.20】で複勝率41.2%を記録している。

4歳馬は前走ひと桁着順ならチャンスあり

■表4 【4歳の好走馬】

表4は4歳の好走馬16頭である。一見すると前走3着以内馬が良さそうにも見えるが、4歳の前走1~3着馬は計【5.3.4.28】複勝率30.0%・複勝回収率89%、前走4~9着馬が計【2.1.1.12】同25.0%・181%、前走10着以下は【0.0.0.4】。前走ひと桁着順であれば複勝率にさほど大きな差はなく、むしろ馬券圏外だった馬のほうに配当妙味がある。

秋華賞組以外の3歳馬なら前走、今回とも1番人気

■表5 【3歳(前走秋華賞以外)、5歳以上の好走馬】

最後に表5は3歳と5歳以上の好走馬だが、今年は前走秋華賞組の登録がなかったため、この表でも秋華賞組は除いている。まず3歳の2頭は前走、エリザベス女王杯ともに1番人気で、どちらも前走では連対していた。5歳以上の6頭は前走5着以内。また表には記していないが、6頭ともG2以上の優勝実績があった。

【結論】

4歳・前走G2のコンクシェル、モリアーナが激走か!?

エリザベス女王杯は表2、表3で記したように、4歳馬や前走G2出走馬が多数好走している。今年の登録馬のうち4歳で前走がG2だったのはコンクシェルハーパー、そしてモリアーナの3頭だ。このうち昨年3着のハーパーは表4から前走府中牝馬S15着が負けすぎの感があり、同レースで9着だったコンクシェル、8着だったモリアーナの2頭に特に注目したい。表1で触れた9~12番人気の範囲に入るようなら一層おもしろい存在になる。

4歳に次いで好走馬が多い3歳馬はレガレイラ1頭の参戦。ローズS1番人気で今回も恐らく1番人気の支持を受けそうなことは好材料だが(表5)、前走5着は減点材料となり、上記4歳勢には及ばない印象だ。そして5歳以上ではシンティレーションルージュリナージュが前走5着以内。ただ2頭ともG2以上の優勝実績がなく、やはり少々の割引が必要だろう。

ライタープロフィール


浅田知広(あさだ ともひろ)

1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。
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著者プロフィール

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