早大航空部 関東大会連覇なる 譲れない大切な一戦を制す

チーム・協会
第40回関東学生グライダー競技大会 10月13日~10月20日 埼玉・妻沼滑空場
【早稲田スポーツ新聞会】記事、写真 井口そら

10月13日~20日、関東大会が開催され10月13、14日、そして18日~20日の計五日間に渡って競技が行われた。昨年早大は10年ぶりに関東大会で団体優勝を成し遂げ、連覇をかけて今大会に臨んだ。直前に行われた新人戦で優勝した2年生の活躍を受け(記事末尾にコメント掲載)良い流れの続く早大。初日団体3位でスタートを切り、2日目に団体2位まで浮上し1位の慶大と144点差まで迫る。しかし週が変わって迎えた3日目、4日目ともに天候不順により得点の変動がなく競技が終了し残された最終日に望みを託す。そこで早大がきっちりと周回を成功させ最終日に逆転し、最終結果は団体で優勝し連覇を達成。個人では森裕翔主将(法4=佐賀西)が5位に入賞し大会を笑顔で終えた。

発航前にサインを送る小島 【早稲田スポーツ新聞会】

大会初日、開会式で優勝旗を返還後、「今大会だけは譲れない」選手たちはその思いを胸に競技が開始。早大は小島健人副将(基理4=東京・渋谷教育学園渋谷)のフライトから始まり続けて森が得点。しかし刻一刻と変化する気候に苦しめられ3番手になると周回は簡単にはいかず中々得点につなげることができない。ここで宮田航太郎(政経3=東京・早大学院)が実力を発揮し三度目の挑戦でようやく周回に成功。団体優勝を射程圏内に入れるために求められる三人の周回を達成し早大は団体3位で初日を終えた。初日の宮田の飛行から良い流れを掴んだ早大は2日目、安定した飛行で三人の周回に成功し2日目の団体記録1位となり順位を上げ、総合2位となり首位の慶大とわずかに144点差まで接近し逆転の機会をうかがう。

初日、周回を成功させ宗監督と喜びを分かち合う宮田 【早稲田スポーツ新聞会】

しかし天候不順の影響で3、4日目ともに得点が変動することなく依然として慶大とのわずかな差を詰めることができず、追いかける展開は変わらず競技は最終日に突入。強い風の吹く中、向かい風に変わったタイミングで各校が発航をスタートさせた。ここでも早大は落ち着いて安定した飛行を見せ、この日唯一早大は三人が周回を行い全員の記録が30分代というチームの強さを発揮。最終日の記録を団体1位とし総合1位に輝き優勝旗を他校に譲ることなく連覇を達成した。

閉会式後集合する選手たち 【早稲田スポーツ新聞会】

昨年の10年ぶりの団体優勝から早大にとって譲ることのできない思いがより強まっていた関東大会で連覇を達成した。間違いなくそれまでの歴史を大きく変えたと言って良いだろう。今回、安定した飛行で優勝へとつなげたが、選手たちはまだまだ自分たちには改善できる点があると語り、向上心を絶やすことは決してない。選手たちは六大学戦からの成長を実感しており、これから続く早慶戦、全日本インカレともに結果に期待したい。今年度の締めくくりで大きく羽ばたくことができるよう祈る。

結果

団体
優勝 早大 7473点

個人
5位 森裕翔 2592点

コメント

森裕翔主将(法4=佐賀西)

――今大会を振り返って

Day1から上に慶大と法大がいてそこから慶大が抜けて、早稲田が慶大を追いかける形で大会が始まったのですが、最後発航順のくじ運が味方してくれたところもあって、上手く早稲田に風が吹いてくれて団体優勝を勝ち取ることができました。

――関東大会を連覇することができた要因をどのように考えていますか

日頃から訓練をするうえで六大学戦の反省を生かして選手のトレーニングを行って、それが上手くハマった部分があるのかなと思います。また、前にあった新人戦で下級生が優勝してくれていい流れを作ってくれたことも優勝の要因かなと思います。

――個人のフライトについて

僕は2番手の立ち位置で役割としては早く周回して帰ってくることだったのですが、まだまだ改善できることはたくさんあってその条件下でのベストタイムという訳ではなかったのですが、自分に与えられたそれなりの仕事はできたのかなと思います。

――関東大会が終わって次の大会(早慶戦)までかなり期間が空きますがどのような点を強化していきたいですか

またレギュレーションが変わるので練習も変わってくると思うのですが、次の大会は選手数も非常に多く勝敗に関係する選手が多くなるので、そういった選手の育成を進めて慶大の選手層の厚さに負けないチーム作りをしていきたいという風に思います。

――早慶戦への目標

前回は悔しい結果に終わってしまったのですが、今年度は必ず個人団体ともに優勝して全国に向けていい流れをつくりたいという風に思います。

小島健人副将(基理4=東京・渋谷教育学園渋谷)

――今大会を振り返って

やることはやれたかなと思います。気持ち的に焦るようなこともなく普段通りに飛べたことは良かったかなと思います。ただ、練習日に失敗をして普通であれば大減点を食らうようなことをしてしまっていたのですが、同じミスを繰り返さないように自分の心に刻めたのでそこは良かったのかなという風に思っています。

――関東大会を連覇することができた要因をどのように考えていますか

十分に実力はみんなあると思っていたので、それを発揮できたことに尽きるのかなと思います。その実力を上げることができたのは普段の訓練のおかげだと思っています。

――個人のフライトについて

練習日に減点を食らうようなフライトをしてしまってそれ以降は減点なく戦えていたと思います。1番手ということでかなり緊張もするのですが、今回はみんなのおかげであまり緊張せずいつも通りのフライトができて良かったです。

――関東大会が終わって次の大会(早慶戦)までかなり期間が空きますがどのような点を強化していきたいですか

冬にかけて全然違った空模様になって求められる技術も変わってくるので、その点でまだ自分の中でも弱いなと感じる部分があるので、そういったところを冬にかけて強化できたらいいなと思います。

――早慶戦への目標

もちろん団体優勝を目指して、個人も取れたらいいなと思います。早慶戦が最後の大会になる人もいるので、そういった人たちに番手を回せるようになるべく速く飛んで帰ってくるということを目標にしたいと思います。

宮田航太郎(政経3=東京・早大学院)

――今大会を振り返って

まず団体二連覇できて良かったというところが一番大きいです。個人的には六大学戦から必ず回ってくる選手を目指してきていて、後は3番手というところもあって有効周回数がかかっているのでそこを達成できて個人的には良かったかなと思っています。

――関東大会を連覇することができた要因をどのように考えていますか

六大学戦での反省を生かせたところが結構大きいです。六大学戦は正直クルーの動きもあまり良くなくて選手も役割を果たせずミスが多くて周って来られなかったり思うようにいかない点があった中で、関東大会ではかなりクルーの動きも良くてクルーの質だけで言えば他大を圧倒していたところもあったと思います。選手も各々の役割を理解して確実に点を重ねることができたことが二連覇できた大きな要因かなと思います。

――個人のフライトについて

印象に残っているフライトが2つあって、1つがDay1で2回周ってこれなかった後にようやく周回できたことで、団体優勝するためには必ず三周はしないといけないということもあって必ず周らないといけないというプレッシャーがあったのですが、もうやるしかないという風に吹っ切れて気持ちが固まってその後はいいフライトができたと思います。2つ目がDay2にリードを許していた法大の3番手の選手と飛んだフライトがあって、法大も選手が50分代で周回する中、30分代で周回することができて飛んでいる中でも相手に有利に働かないようなフライトをするといった工夫ができて、戦術的にもいいフライトができて自分の成長も感じることができて良かったです。

――関東大会が終わって次の大会(早慶戦)までかなり期間が空きますがどのような点を強化していきたいですか

一個大きな点としては幹部交代があって自分は幹部になっていくのですが、今作り上げてきた競技会で優勝できるチームというものをさらに良くしていって、圧倒的な成績で優勝できるチームを幹部の身として作っていかなければいけないなと思っています。選手としては早慶戦では選手の数も増える中で選手たちの平準化、全員が周回できるというのは速さと関係なしに強いチームだと思うので、技術を全員でレビューする時間を設けていったりして選手の質を上げていくということが自分が今からすべきことなのかなと思います。

――早慶戦への目標

基本的には目標は変わらなくて、確実に周回してくる選手っていうところはこれからも精度を高めていく必要があるかなと思っています。早慶戦は実力がほぼ拮抗(きっこう)しているような相手で一個のミスが命取りになってしまうので、今大会周った中でもリカバーできる範囲でミスがあったのでそういった細かいミスをどんどん減らして精度の高いフライトができる選手というのも同時に目指していきたいです。

新人戦コメント

中井颯幹(スポ2=東京・筑波大付属)・家田亮汰(基理2=東京・早稲田)

――大会を振り返って

中井 最初天候が悪い状態で去年だと一人あたり三発飛んでいて、二発飛べるかどうかという状態だったのですが、結果的に一人四発飛ぶことができてそこは良かったかなというのと、結果が途中で発表されないので最後まで結果が全くわからないというところで不安が最後までありました。

家田 結構ハイレベルな戦いになるだろうなとはずっと思っていて、元々仲良い同期も他校にたくさんいてその人たちと戦えるというのが純粋に楽しくて、ハイレベルな戦いを予想して準備はたくさんしていきました。実際は楽しかったというのが一番なのですが結果としては団体優勝することができて、個人5位というのも目指していた結果よりは低かったのですが、団体のメンバーとして優勝に貢献できたことは凄く光栄だなと思います。

――6年ぶりの団体優勝でしたが率直にどのように感じましたか

中井 凄く嬉しかったです。打倒慶大というのがこの大会での一番の目標でそこが一番難しいだろうなとは思っていて、ずっと目標だったことが達成できて嬉しかったです。

家田 僕も慶大を倒せば勝てると思っていたのですが、本番見てみると慶大の二人はやっぱり上手くて結果を聞くまでは慶大に勝てているか全然わからなくて、結果発表の時に中井が個人2位で先に呼ばれたのですがその時にこれはいけるかもしれないなと思ってその後団体優勝だと言われて凄くほっとして嬉しかったです。

――個人の飛行について

中井 四発飛んだ中で一発目のフライトが内容としては一番良くなくて、着陸の面で指定位置に着陸することができずショート側(ステージの手前側)に着地してしまって、それは減点が大きいのでそこで自分の中でもやってしまったという風に思っていたのですが、そこから切り替えていけたことは凄く良かったなと思います。上空では今までの練習通り発話の面でも操作の面でも上手くできたと思うのでそこは良かったです。

家田 練習と一番違う点で、指定位置に入っているかどうかで点数が変わるので、そこを意識しすぎて着陸に関しては自分のいつも通りの着陸ができず守りに入ってしまった部分がありました。四発飛んだのですがその他の面でも完璧なフライトは一つもできず、もっとこうしておけば良かったなというところはあったのですが、四発とも気持ち的には落ち着いて飛べたので全体的な安定感が上位に入れた理由かなと思います。

――これからどのような選手になっていきたいですか

中井 これから周回面で争う大会がメインになるので、しっかりと周回してチームに貢献、もしくはチームを引っ張っていけるような選手になれたらなと思います。

家田 毎年大会は慶大に優勝されているので、今度は早稲田が六冠、七冠と取っていけるように、団体優勝にどんな形でも貢献できる選手になりたいと思います。
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著者プロフィール

「エンジの誇りよ、加速しろ。」 1897年の「早稲田大学体育部」発足から2022年で125年。スポーツを好み、運動を奨励した創設者・大隈重信が唱えた「人生125歳説」にちなみ、早稲田大学は次の125年を「早稲田スポーツ新世紀」として位置づけ、BEYOND125プロジェクトをスタートさせました。 ステークホルダーの喜び(バリュー)を最大化するため、学内外の一体感を醸成し、「早稲田スポーツ」の基盤を強化して、大学スポーツの新たなモデルを作っていきます。

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