早大野球部 山縣と吉納副将が5位指名!山縣は日本ハム、吉納副将は楽天へ 印出主将、鹿田、中村敢は吉報届かず/プロ野球ドラフト会議

チーム・協会
【早稲田スポーツ新聞会】記事 近藤翔太、沼澤泰平、丸山勝央 写真 近藤翔太

 24日、プロ野球ドラフト会議が開催された。早大野球部からは印出太一主将(スポ4=愛知・中京大中京)、吉納翼副将(スポ4=愛知・東邦)、鹿田泰生(商4=東京・早実)、中村敢晴(スポ4=福岡・筑陽学園)、山縣秀(商4=東京・早大学院)が志望届を提出。計5名が運命のドラフトに臨んだ。それぞれが吉報を待つ中、最初に山縣が北海道日本ハムファイターズから5位指名を受ける。続いて吉納副将が東北楽天ゴールデンイーグルスから同じく5位指名を受けて早大から2人がプロの門をたたいた。一方で印出主将、鹿田、中村敢はプロ入りとはならず。涙をのむ結果となった。

 ドラフト会議が始まって約1時間半が経過した頃、第5巡目選択希望選手に日本ハムが山縣を指名。「何がなんだかわからない感じでした」と指名された瞬間を振り返った。今春は持ち前の守備に加え、長らく課題にしてきた打撃が覚醒。リーグ4位の打率3割6分6厘をマークし、自身初の遊撃手のベストナインを獲得すると、今季も犠打や進塁打でつなぎに徹することで早大の勝利に貢献した。これで早大学院高からは2人目となるプロ入り。「ゴールデングラブ賞を何回でも獲りたい」。日本ハムのセンターラインを奪取し、北の大地で躍動する姿に注目だ。

指名後の山縣 【早稲田スポーツ新聞会】

 山縣の指名後、立て続けに吉納副将が楽天から同じく5位指名を受けた。今春は優勝の懸かった慶大戦で2本の本塁打を放ち、天皇杯奪還の立役者となると、今季はリーグトップの16打点で勝負強さを見せつけている。

指名後の吉納副将 【早稲田スポーツ新聞会】

 一方で印出主将、鹿田、中村敢に吉報は届かず。印出主将は今春に打点王、3季ぶりのベストナインに輝くと、今秋も打率3割台と安定した活躍を見せた。鹿田は今春1勝をあげ、無失点ピッチング。中村敢は規定打席には届かないものの、少ないチャンスをものして3打数2安打と結果を出した。それぞれが人事を尽くして天命を待ったが、結果は指名されず。それでもこの悔しさを糧に次のステージでさらなる飛躍を遂げるだろう。

 早大からは5人がプロ志望届を提出し、山縣と吉納副将がプロに、印出主将、鹿田、中村敢が指名漏れとなった。進路は同じものとはならなかったが、まだまだ続く学生野球で目指す先はただ一つ。約2週間後に控える早慶戦で勝ち点を挙げて東京六大学秋季リーグ戦(秋季リーグ戦)で完全優勝を果たし、春わずかに届かなった日本一へ突き進む。

指名後インタビュー

山縣秀(商4=東京・早大学院)

ーー指名された時の瞬間はどんな気持ちでしたか

 周りに10人ほど同期と後輩たちがいて、全員で喜んで輪にもまれてしまいました(笑)。うれしい気持ちと、もうごちゃごちゃになっても何がなんだかわからない感じでした(笑)。

ーー周りの部員や小宮山監督(悟、平2教卒=千葉・芝浦工大柏)からお祝いの言葉はありましたか

 監督は今練習に出られていて直接話はしていないのですが、LINEの方で指名していただきましたという連絡を入れて返信を待っているところです。周りの部員からはたくさん「おめでとう」とか「頑張って」と言葉をもらいました。

ーー日本ハムの印象はいかがですか

 新庄剛志監督が監督になられてから、新しいチームになったという印象があるので、そういうところでやらせていただけるのはすごいうれしいです。先日のオールスターゲーム(東京六大学オールスターゲーム2024 in 北広島)でもエスコンフィールドでプレーさせていただきましたし、すごくうれしいです。

ーー新庄監督のイメージはいかがですか

 本当にかっこいい方だなという風に思っていています。新しいユニフォームが出るたびに自分も注目しています(笑)。あとはスクイズなど作戦面の部分も今までのプロ野球ではあんまり考えられないようなものが多いなと思います。自分もネットなどでも追っていて、やってみたいと思うものもあるので楽しみにしています。

ーーファイターズには大学の先輩に石井一成選手(平成29=現日本ハム)がいます。同じ内野手としてどのような部分を吸収したいですか

 もうできる限り全てのことを吸収させていただきたいと思っています。

ーー東京六大学オールスターでは好守もあったが球場の印象はいかがですか

 やっぱり自分の持ち味は守備なので、どの球場でもしっかり同じパフォーマンスができるようにというのを意識してやってきました。守備に関しての不安はありません。

ーープロで目標とする選手は

 早稲田大学の先輩である鳥谷敬選手(平16人卒)を目標にやってきたので、鳥谷選手を目標に頑張りたいです。

ーー大学入学時にはドラフト指名は想像できていましたか

 全く想像できていませんでした。

ーー大学4年間で成長したと感じる部分はどんなところですか

 一番はやっぱり体だと思っています。大学に入学した時は本当に(体が)細くてもっと弱々しかったです。(入学後は)少しずつ体が大きくなっていきました。あとはメンタルの部分です。自分の中でしっかり強いメンタルを持ち続けることができるようになってきたのが4年生になってからでした。そこが一番成長したなと思います。

ーー早大学院からのプロ入りは数少ないが、その点に関してはいかがですか

 周りの選手と比べると高校までの経歴はエリートではありません。あまり今までの経歴を気にせずにやっていけたらいいかなと思っていました。 早大学院からプロに行くのが2人目ということなので、しっかり誇りを持ってやっていきたいなと思います。

ーー楽天のドラフト1位には宗山塁選手(明大4年)います。宗山選手がいたからこそ成長できた部分はありますか

 宗山がいなければと思ったこともあったのですが(笑)、宗山がいたからこそここまで成長できたと思っています。

ーー4年生になってから持ち味の守備により磨きがかかったように見えます。何か意識していることなどはありますか

 4年生になって変わったのが体です。去年の冬から体重が約7キロぐらい増加したのですが、それによって自分のスローイングの強さが変わりました。また、バッティングが金森さん(栄治助監督、昭54教卒=大阪・PL学園)の指導で良くなったのは確かですが、金森さんの打撃の指導で足を使うように意識していたら、守備でも足を使えるようになったのかなと思います。守備で意識していることは打球への対応です。打球によってそれぞれベストのプレーがあると思うので、その打球に対してのベストなプレーを選べるようにというのを意識しています。

ーープロで対戦したい選手は

 2学年上の先輩の蛭間拓哉さん(令5スポ卒=現西武)と再戦したいです。自分が尊敬している先輩ですし、蛭間さんの打球を自分がさばくことができたらいいなと思っています。

ーープロ入り後獲得したいタイトルは

 ゴールデングラブ賞を何回でも獲りたいです。

ーープロ入り後の目標は

 チームの勝利に貢献することがやっぱり一番だと思うので、そこはぶれずにやっていきたいです。個人タイトルは今は全く考えていませんが、自分がレギュラーとして出る限りは個人タイトルを狙っていければと思います。

ーー早慶戦への意気込みをお願いします

 早慶戦2連勝で優勝します。


吉納翼副将(スポ4=愛知・東邦)

――指名を受けて

 まずはほっとしているのが一番です。正直諦めてかけていましたが、最後まで信じて待ち続けて良かったと思っています。

――指名から少し時間が経ちましたが、だんだんと嬉しさもこみあげてきましたか

 同期と部屋で(中継を)見ていたのですが、1人の同期はすごく号泣してくれて、非常にうれしい気持ちになりました。同期は僕がプロ志望届を出してからずっと祈ってくれていたので、改めて「指名されたよ」と報告したいと思います。

――指名を受けた楽天の印象を教えてください

 僕が1年生のときの4年生の西垣さん(西垣雅矢、令3スポ卒=現楽天)や、入れ替わりの早川さん(早川隆久、令3スポ卒=現楽天)であったり、金森コーチ(金森栄治助監督、昭54教卒=大阪・PL学園)も打撃コーチを務めていたり、早稲田にとって縁のある球団だと思っていて、そこに自分が加われたのは非常にうれしく思います。

――プロの世界で対戦してみたい投手はいますか

 同級生の金丸投手(夢斗、関西大=4年)や、中村投手(優斗、愛知工業大=4年)など、そういう世代を代表する投手と対戦する機会があれば、自分が打ちたいなという気持ちがあります。

――長打力が魅力な吉納選手ですが、プロで目標とする選手はいますか

 (目標にする)選手というよりは、長打力を売りにし、全てにおいてレベルアップして、いずれは球界を代表し自分が目標とされるような選手になれればいいと思っています。

――ファンの方々に見てもらいたいご自身のアピールポイントは

 長打力であったり、はつらつとしたプレーというか、グラウンドで暴れまくる姿というのはこれまで高校、大学を通してやってきたつもりなので、プロの世界でもそういった部分は変えずにもっと暴れまくりたいと思います。

――大学4年間でご自身が一番成長できたと感じる部分はどこですか

 野球の技術ももちろんですが、準備の大切さというのは小宮山監督(悟、平2教卒=千葉・芝浦工大柏)から常々言われてきたので、そこをしっかりと自分の中で磨きあがられたのではないかと思います。

――六大学でも切磋琢磨(せっさたくま)してきた宗山選手(塁、明大=4年)と同じチームになりますが、どのような風にチームを盛り上げてたり、競っていきたいですか

 最初に騒がれるのは確実に彼の方だと思いますが、(プロに)入った以上は結果が全ての世界なので、宗山に勝てるように頑張ります。

――吉納選手は東邦高3年生時に県立岐阜商業高と引退試合をして、その際に佐々木泰選手(青学大=4年)と「お互いにプロに行こう」と約束を交わされていました。本日その約束が現実となりましたが、今のお気持ちを聞かせてください

 彼は(ドラフト)1位なので、少し悔しい部分もありますが、まずは2人の約束を果たせて非常にうれしいです。秋季リーグ(東京六大学秋季リーグ戦)で優勝して、明治神宮大会で対戦することがあれば、「プロでも負けないぞ」という意味も込めて青学大と倒せたらいいなと思います。

――即戦力を期待されての指名だと思いますが、1年目から狙いたいタイトルはありますか

 まずは数字というより、1年目から一軍で1年間戦いきることを目標にしてやっていく中で、記録も見えてきたりしたら狙えればいいと思います。

――プロでの目標を聞かせてください
 まずは1年目から一軍の舞台で活躍するイメージをしっかりと持って、いずれはプロ野球界、日本を代表するような強打者になりたいと思います。

プロフィール

◆印出太一(いんで・たいち)
2002年5月15日生まれ。185センチ、91キロ。愛知・中京大中京高出身。スポーツ科学部4年。捕手。右投右打。2年春から正捕手としてリーグ戦に出場。4年春には主将として7季ぶりのリーグ優勝に導いた。4年時には大学日本代表にも選出。六大学通算82安打、5本塁打、49打点、打率3割1分1分。

◆吉納翼(よしのう・つばさ)
2002年8月16日生まれ。180センチ、87キロ。愛知・東邦高出身。スポーツ科学部4年。外野手。右投左打。1年春にリーグ戦デビューを果たすと、3年秋には本塁打王とベストナインを獲得。4年時には大学日本代表にも選出。現役選手最多の13本塁打を記録している。六大学通算64安打、13本塁打、52打点、打率2割6分1厘。

◆鹿田泰生(しかだ・たいせい)
2002年12月31日生まれ。187センチ、85キロ。東京・早実高出身。商学部4年。投手。右投右打。2年春にリーグ戦デビューを果たすと、4年春には全日本大学野球選手権決勝で5回2失点の好投。六大学通算19試合、5勝0敗、30・2/3回、20奪三振、防御率5・28。

◆中村敢晴(なかむら・かんせい)
2002年4月13日生まれ。183センチ、82キロ。福岡・筑陽学園高出身。スポーツ科学部4年。右投右打。3年春にリーグ戦デビューを果たすと、4年春にリーグ戦初安打を記録。六大学通算5安打、0本塁打、2打点、打率2割2分7厘。

◆山縣秀(やまがた・しゅう)
2002年5月1日生まれ。176センチ、80キロ。東京・早大学院高出身。商学部4年。右投右打。2年秋に遊撃手のスタメンに抜てきされると、3年春にはベスナインを獲得。4年時には大学日本代表にも選出された。六大学通算53安打、0本塁打、13打点、打率2割7分9厘。
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著者プロフィール

「エンジの誇りよ、加速しろ。」 1897年の「早稲田大学体育部」発足から2022年で125年。スポーツを好み、運動を奨励した創設者・大隈重信が唱えた「人生125歳説」にちなみ、早稲田大学は次の125年を「早稲田スポーツ新世紀」として位置づけ、BEYOND125プロジェクトをスタートさせました。 ステークホルダーの喜び(バリュー)を最大化するため、学内外の一体感を醸成し、「早稲田スポーツ」の基盤を強化して、大学スポーツの新たなモデルを作っていきます。

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