【#若鷹リポ】3軍今季最後の実戦機会、韓国秋季教育リーグに参加!

福岡ソフトバンクホークス
チーム・協会

開放的な雰囲気で選手たちものびのびとした様子 【© SoftBank HAWKS】

韓国KBO若手選手育成のためのリーグ戦

先週10月15日~20日、ホークス3軍は韓国で行われている「蔚山(ウルサン)KBO FALL LEAGUE」に参加しました。このリーグ戦は、KBO(韓国野球委員会)が韓国野球のレベルアップや国際交流・地域貢献を目的に開催するもので、ロッテジャイアンツやNCダイノスなど韓国プロ野球の5チームに加え、中国CBAの江蘇ヒュージホース・メキシカンリーグ連合チーム・キューバ代表チーム、そしてホークス3軍の9チームが参加する秋季教育リーグです。

機張現代車ドリームボールパークのメイン球場 【© SoftBank HAWKS】

今回は、3軍では今季最後の実戦機会となる、韓国での若手選手の奮闘を2試合分お届けします。

韓国で思い思いに躍動する選手たち

ボールパーク内にはこういったグラウンドが何面も! 【© SoftBank HAWKS】

1試合目の舞台は「機張現代車ドリームボールパーク」。野球場がなんと4面、少年野球場1面・ソフトボール球場1面を有する、韓国でも最大規模の野球テーマパークです。広々とした開放的な雰囲気の中で、選手たちはのびのびと練習を始めました。
それでも試合に入ると自然と気合いが入ります。試合前の円陣では中澤恒貴選手が、「アンニョンハセヨ!情報がないチームですが、しっかり力を出し切って勝ちましょう!」と声掛け。そう、この日の相手は中国の江蘇ヒュージホース。普段は対戦相手をしっかり研究して試合に臨みますが、情報がない相手との試合は新鮮かもしれません。その中でも自身の力を発揮することがこの遠征のテーマの1つとも言えます。

「アンニョンハセヨ!」 ハングルの発音もバッチリな中澤選手 【© SoftBank HAWKS】

この試合、先発はD.サルディ投手。躍動感あるピッチングで、3回を3奪三振・無失点と好投しました。「初回は慣れないマウンドに適応するのに苦労したけど、その後はしっかり自分のピッチングをすることができた」と語るサルディ投手は、11月に行われる第3回WBSCプレミア12でL.モイネロ投手と一緒にキューバ代表としてプレーすることが決まっています。今季の成果をぜひ大舞台で見せて欲しいところです!

ブルペン投球するサルディ投手。プレミア12での活躍も期待! 【© SoftBank HAWKS】

投手ではもう1人、先日実戦復帰したばかりの田上奏大投手も1回を無安打無失点と好投。「自分の中で課題を持ってマウンドに上がりました。確かめたいことを考えながらも、楽しんで投げることができました」と充実した登板になったようです。試合はこの2人を含む4投手の完封リレーと打線の猛打により、9-0の快勝となりました!

田上投手は気持ちのこもった投球で相手打者を圧倒! 【© SoftBank HAWKS】

今季お世話になったあの方がサプライズ登場!

続いては「蔚山文殊球場」での試合を。韓国野球ファンの間では、ロッテジャイアンツの準本拠地として知られる球場で、周囲に大規模なサッカー場などもある総合運動公園内に立地しています。収容人数は約12,000人で、球場規模としては北九州市民球場といったところでしょうか。

蔚山文殊球場は今回リーグ戦のメイン球場となっています。 【© SoftBank HAWKS】

この日の試合前には、今季ホークスのファームに半年間研修コーチとして参加していた、金圓衡(キム・ウォニョン)さんが挨拶に来てくれました!「またすぐに会えて嬉しいです。今季ずっと見てきた選手の皆さんのプレーを韓国の球場で見たかった」と自宅があるソウル近郊から4時間をかけて来てくれたそうです。「ホークスではたくさんのことを学ばせてもらいました。これから韓国野球のレベル向上のために活かしていきたい」と意気込むキムさん。今後の韓国での指導者としての活躍に期待します!

山あいの空気が澄んだ球場。ウォーミングアップも気持ちよさそう。 【© SoftBank HAWKS】

今回の韓国遠征参加メンバーでキムさんを囲んで記念撮影。 【© SoftBank HAWKS】

さて試合の方では、打線が随所で発奮を見せました。まずは渡邉陸選手が、3回同点タイムリーを含む2安打2打点の活躍。そしてチームを勢いづけた、J.オスーナ選手が放った4回の勝ち越し本塁打。オスーナ選手は「力強くバットを振ることを心掛けた。ホームランは本当に嬉しい。思い通りのバッティングができているので継続したい」と手応えを感じたようです。投手で目立ったのは小林珠維投手。最近は思い通りの球が投げられずに苦しんでいたようですが、「力感をなくしてテンポよく投げようと意識しました。課題をクリアしつつ結果も出たので嬉しいですね」と、こちらも充実感ある表情で投球を振り返ってくれました。

韓国で学んだ選手たちは、さらなる秋の鍛錬へ!

ところで、蔚山文殊野球場での試合では「ABS(自動投球判定)システム」が採用されていました。これは、軌道追跡システムがストライク・ボールを判別、そしてAIプログラムが審判に判定を信号で伝えるというもの。KBOの試合では今季から導入されており、判定の一貫性や試合時間の短縮に一定の成果をあげているそうです。捕手の藤田悠太郎選手は、「自分の判断と照らし合わせたりして、面白かったなという印象です。最終的に審判がコールしますし、違和感もありませんでした。公平に判断してもらいたいし、誤りが少なくなるのは良いことだと思います」といった感想を持っていました。

韓国KBOには常に新たなものを取り入れようとする姿勢があります。ABS判定などが将来NPB公式戦でも導入されるとしたら、先んじて体験できることは選手たちにとってはプラスになるのかもしれません。
今回も選手たちは韓国という異なるスタイルの野球を楽しみつつ学びを得たようです。海外の試合では、試合の運用方法が少し異なったり、試合前の準備時間や食事が満足に取れなかったりする場合もあります。その中でしっかり自分の力を発揮するための経験としても、韓国遠征や今後のオフシーズンに予定されている海外ウインターリーグは、若手選手たちのレベルアップに繋がってくれるものと思います。

オスーナ選手のホームランでチームは大盛り上がり! 【© SoftBank HAWKS】

充実のマウンドとなった小林投手。来季に期待大です。 【© SoftBank HAWKS】

勝利のハイタッチ!韓国でも勝利の喜びは変わりません。 【© SoftBank HAWKS】

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