早大バレーボール部男子 富士通に勝利しファイナルラウンド進出決定!

チーム・協会
天皇杯全日本選手権大会ブロックラウンド 10月20日 小田原アリーナ
【早稲田スポーツ新聞会】記事 町田知穂、写真 芦刈れい、指出華歩、町田知穂
 前の日体大戦から間を開けずに富士通カワサキレッドスピリッツ(富士通)戦が行われた。黒鷲旗全日本男女選抜大会(黒鷲旗)ではあと一歩のところで惜敗した相手である。天皇杯ファイナルラウンド進出をかけた大一番ということもあり、両者粘りのバレーを展開した。第1セットは終盤の度重なる連続得点で逆転し先取するが反対に第2セットでは終盤に相手サイドからの攻撃に猛攻で逆転され試合は振り出しに。両者疲れが溜まる中第3セットでは集中力をなんとか維持しセットカウント3-0(27-25、21-25、25-18)で勝利し12月に行われる天皇杯ファイナルラウンド進出を決めた。

 日体大戦からスタメンを変えずに挑んだ第1セットは秋季リーグでも高い決定率を誇るMB菅原啓(教2=山形南)のクイックで先制点を挙げる。OH徳留巧大(スポ1=長野・松本国際)が相手ブロックを打ち砕き前戦の疲れを感じさせないプレーを見せる。富士通は1度では決めさせない粘り強い相手であったが、長いラリーの場面ではセッター前田凌吾主将(スポ3=大阪・清風)のパンケーキレシーブ、リベロ布台聖(スポ2=東京・駿台学園)の二段トスで懸命にボールをつなぐ。しかし、相手のバックアタックや黒鷲旗でも苦しめられた松本(富士通)の強烈なスパイクに押され互角の戦いとなる。前田がコート反対側からロングトスでOP畑虎太郎(スポ3=福井工大福井)にボールを送りブロックアウトする好プレーがありながらも14-15。ここで自ミスと相手スパイクにより4連続得点を許し、その直後にもブレイクされ6点差をつけられる。しかしここから勝負強さを見せる。クイックをブロックした直後にはラリーで相手のミスを誘う。菅原が松本をブロックすると続くように次はOH佐藤遥斗(スポ2=東京・駿台学園)がブロック。一気に1点差まで詰め寄る。板垣慧(政経3=京都・洛南)のクイックで同点に追いつくと焦りからか相手が立て続けにスパイクアウトしこのセットは早大に軍配が上がった。

同点に追いついた板垣のクイック 【早稲田スポーツ新聞会】

 第2セットも序盤は拮抗(きっこう)した展開となる。ブロックフォローができない場面やジャッジミスがありながらも畑が強烈なスパイクをディグし、前田のアンダートスを佐藤が決め切りチャンスを生かす。相手も緩急をつけたプレーで反撃を試みるが徳留のパイプ攻撃、佐藤のスパイクで14-11と早大が一歩前へ。しかし16-14の場面で流れが変わる。相手レフトからの鋭いスパイクとサービスエースで16-18と逆転される。その後互いにブレイクし合い20-21の局面で早大はタイムアウトを要求。しかし相手の勢いは衰えず、最後はスパイクでブロックアウトを取られ、試合は最終セットへと進む。

スパイクを打つ佐藤 【早稲田スポーツ新聞会】

  ファイナルラウンド進出がかかる最終セットは序盤から早大優位で試合を進める。立ち上がりから相手ミスが目立つが集中を切らさずに試合に挑む。MB麻野堅斗(スポ2=京都・東山)のCクイック、徳留のバックアタックで7-3といいスタートを切る。ギアを上げてきた麻野のクイックや徳留のコーナーへ打ち込むスパイクで勢いを落とさない。守備面では3枚ブロックで相手に圧をかけスパイクをネットにかけさせる。順調に相手のミスも誘いながらセット中盤へ進むと徳留がバックアタックと見せかけたフェイントで相手の隙を突く。畑のスパイクでブロックアウトを取り20-12と突き放すが富士通も喰らいつく。ここからブロック、サービスエース、鋭いレフトからのスパイクで4連続得点を許す。しかし依然4点リードの早大は焦ることなく菅原のクイックでセットポイントを奪うとそのまま勝ち切った。

得点に喜ぶ選手たち 【早稲田スポーツ新聞会】

 ダブルヘッダー2戦目で疲れが溜まる中、さらには黒鷲旗で苦しめられた富士通を相手にミスが出る場面もありながらもファイナルラウンド進出を手繰り寄せた。秋季リーグで劣勢からの立て直しを何度も見せてきた早大は、今大会でもその持ち味を発揮することができた。一方で、向かってくる相手に対する雰囲気づくりという今年度前半からの課題にはまだ改善の余地が残る。今試合でもチームの雰囲気を盛り上げられずに連続得点を許す場面が見受けられた。秋季リーグ最終戦は今週末。全日本大学選手権大会前最後の公式戦を早大メンバーはどのように戦うのだろうか。

試合後の集合写真 【早稲田スポーツ新聞会】

コメント

OP畑虎太郎(スポ3=福井工大福井)

――今日の試合を一試合ずつ振り返って

 日体大戦は、相手が1試合して早大は初めてする試合という状況の中で相手に1セット目取られてしまいましたが、その中で2、3セットと取り返せたのが良かったと思います。富士通戦は1試合目勝ってホッとしたのか、試合の入りが少し静かだったかなと思うので、そこは直さないといけないのかなと思いました。

――東日本インカレぶりのダブルヘッダーでしたが、疲れがある中でどういった意識で試合に臨みましたか

 疲れていてもできることはやろうと思っていて、高いジャンプは難しいかもしれないけど、声を出すとかはできると思ったので、そこをしっかりやろうと思いました。

――サーブで相手を崩す場面が多く見られましたが、振り返って

 両試合良かったと思います。練習の時からたくさんサーブを打っていて、その結果でいいサーブを打てて良かったと思います。

――ファイナルラウンドに向けた課題は

 自分たちは相手に向かっていく姿勢がまだまだ甘いと思うので、チーム一丸となって頑張っていきたいなと思います。

――ファイナルラウンドに向けての意気込み

 今盛り上がっているSVリーグの選手たちと試合のできるいい機会なので、この早稲田でそういったチームと良い試合ができるように頑張りたいと思います。

――秋季リーグ最終戦への意気込み

 優勝が決まった中での試合ですが、自分たちのやるべきことをしっかりとやって試合に臨みたいと思います。

MB麻野堅斗(スポ2=京都・東山)

――今日の試合を振り返って

 両方の試合に言えることなのですが、相手にペースを持っていかれることが多く、自分たちの流れにならなかったです。リーグ戦の疲れだったり、自分たちの流れを引き出せるプレーがあまりなかったことが今日の反省かなと思います。

――日体大戦ではブロックがチームを通して多かったです。ディフェンス面を振り返って

 相手のオフェンスが変則的なローテーションでクイッカーがいなかったのでブロックポイントを多く得ることができたのですが、それでも弾き出されたり、ブロックを利用して点を取られることも多かったのでその点については次のリーグ最終戦に向けての課題かなと思います。

――秋リーグ序盤でクイックが合わないと仰っていましたが、今日は

 秋リーグも序盤の方はずっと合わなくて練習の時からずっと合わせていたりしていて、終盤にかけて合ってきたなという感じでした。今日も途中ばらつきはあったのですがそんなに悪くはないかなと思います。

――黒鷲旗全日本男女選抜大会では富士通の松本選手に攻められていましたが、今日はいかがでしたか

 あまり松本選手の調子が上がって来なかったというのと、黒鷲旗の時は相手をのせるプレーを自分たちがしてしまった分、最後サーブを決められたり、スパイクを強く打たれたりされたのですが、今日に関してはのせるプレーをせずに自分たちがボールを拾うことができたので良かったと思います。

――リーグ最終戦に向けての意気込みをお願いします

 今日の雰囲気ではリーグ最終戦は勝てないと思うので、もう一回来週からチームの雰囲気を上げて頑張りたいなと思います。
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著者プロフィール

「エンジの誇りよ、加速しろ。」 1897年の「早稲田大学体育部」発足から2022年で125年。スポーツを好み、運動を奨励した創設者・大隈重信が唱えた「人生125歳説」にちなみ、早稲田大学は次の125年を「早稲田スポーツ新世紀」として位置づけ、BEYOND125プロジェクトをスタートさせました。 ステークホルダーの喜び(バリュー)を最大化するため、学内外の一体感を醸成し、「早稲田スポーツ」の基盤を強化して、大学スポーツの新たなモデルを作っていきます。

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