早大競走部 全日本エントリー外の選手が自己新記録連発!

チーム・協会
第6回早大競技会 10月19日 埼玉・織田幹雄記念陸上競技場
【早稲田スポーツ新聞会】記事 草間日陽里、写真 會川実佑、鶴本翔大

 出雲全日本大学選抜駅伝(出雲)から1週間。雨が時折パラつく所沢の地で、第6回早大競技会が行われた。5000メートル2組、1万メートルが2組行われた本レースでは、早大から計24名が出場。5000メートルにて日野斗馬(商4=愛媛・松山東)を中心に5名が自己記録を更新、1万メートルでは増子陽季(人2=栃木・大田原)が大幅に自己ベストを更新するなど、全日本大学駅伝対校選手権(全日本)のエントリー外の選手が健闘を見せた。

 最初に行われたのは5000メートル1組。早大からは8名が出場した。レースはスタート直後から、国学院大の選手を先頭に展開される。早大勢は佐藤広人(創理1=埼玉・早大本庄)、高橋優喜(スポ2=静岡・浜松北)、大和田春(スポ1=高知追手前)、そして中距離ブロックの岩下和史(スポ2=神奈川・神大附)の4名を中心に、前方でレースを進めた。1000メートルを2分56秒で通過した集団は、その後も順位変動がなく後半に突入。終盤にかけて集団が徐々にペースを上げると、佐藤広のほか大和田や岩下がそれに反応する。ラストは佐藤広が組2着に入ると、大和田、岩下、高橋も含めて4名が自己記録更新を遂げた。

レースを走る佐藤広 【早稲田スポーツ新聞会】

 続いて行われたのは5000メートル2組。早大からは、石塚陽士(教4=東京・早実)や日野斗馬(商4=愛媛・松山東)ら3名が出場した。レースは、またも国学院大の選手が先行して進められる。その中で石塚は集団の中腹、日野は後方に位置した。1000メートルを2分50秒前後のタイムで推移する先頭集団だったが、中盤で日野が集団からこぼれると、石塚も先頭から徐々に差を開かれる。創価大の留学生が先頭で突き抜けた後半。「耐えろ!」という声に反応した石塚は集団の後方で必死に前を追う。ラストも、スパート合戦の中、粘りを見せた石塚は組6着でフィニッシュ。日野は12着に入り、14分24秒90で自己ベストを更新した。

集団をけん引する石塚 【早稲田スポーツ新聞会】

 その後に行われたのは1万メートル1組。早大からは増子陽季(人2=栃木・大田原)ら5名が出場した。前半、増子は立迫大徳(スポ1=鹿児島城西)や武田知典(法2=東京・早実)とともに、他選手も含めて先頭集団を形成。序盤はやや集団から離れそうになる場面が見られたが、4000メートル通過付近で立迫や武田が集団からこぼれたところ、増子は集団の中で位置を上げる。終盤まで先頭に食らいついた増子だったが、ラスト3周では先頭を捉えきれずに失速。惜しくも組3着となったものの、29分台の大幅自己新を叩き出し、大学初の1万メートル、そしてケガ復帰後にしては上々の結果となった。

スパートをかける増子 【早稲田スポーツ新聞会】

 日が沈み、最後に行われたのは1万メートル2組。早大からは、有力選手8名が出場した。スタート直後から、集団が二分されると早大勢は特に菅野雄太(教4=埼玉・西武学園文理)、伊福陽太(政経4=京都・洛南)が先頭集団で積極性を見せる。5000メートルを通過すると、菅野や伊福を含む集団は先頭から離されてしまうが、第2集団を形成し「自分のペース」(伊福)でレースを進めた。後半は、菅野がペースを若干落としたものの、伊福はペースアップの流れに乗り、組3着でゴール。全日本が控える中で質の良いレースとなった一方、他選手に先行されたことに関しては「満足できる結果だとは考えていない」と冷静に評価した。また、序盤は後方に位置していた吉倉ナヤブ直希(社1=東京・早実)が、後半にかけて伸びを見せ、学内3番手に入ったことも1つ収穫となった。

終盤、集団を引っ張る伊福 【早稲田スポーツ新聞会】

 出雲から全日本にかけて、ちょうど間に行われた今回の早大競技会。全日本のエントリーメンバーは調整の一環として、駅伝非出走メンバーも増子を中心に自己新が連発し、実りの多い競技会となった。そんな早大だが、言わずもがな全日本大学駅伝はすぐ再来週に迫る。全日本で出雲の雪辱に燃える出走者にとって、本競技会での仲間の健闘は大きな力となるに違いない。

結果

▽男子5000メートル

佐藤広人(創理1=埼玉・早大本庄)  14分34秒20 (1組2着)自己新
大和田春(スポ1=高知追手前)  14分40秒85 (1組6着)自己新
岩下和史(スポ2=神奈川・神大附)  14分40秒95 (1組7着)自己新
高橋優喜(スポ2=静岡・浜松北)  14分44秒61 (1組9着)自己新
髙尾啓太朗(商2=千葉・佐倉)  14分57秒84 (1組14着)
舩生颯太(先理1=静岡・韮山)  15分13秒55 (1組18着)
川端春叶(スポ2=北海道・北見北斗)  15分33秒85 (1組22着)
安江悠登(法2=埼玉・西武文理)  15分33秒86 (1組23着)
石塚陽士(教4=東京・早実)  14分10秒84 (2組6着)
日野斗馬(商4=愛媛・松山東)  14分24秒90 (2組12着)自己新
須山向陽(スポ3=鹿児島城西)  DNF

▽男子1万メートル

増子陽季(人2=栃木・大田原)  29分58秒54 (1組3着)自己新
武田知典(法2=東京・早実)  31分10秒84 (1組18着)
小平敦之(政経2=東京・早実)  31分19秒81 (1組22着)
立迫大徳(スポ1=鹿児島城西)  31分28秒79 (1組24着)自己新
門馬海成(政経3=福島・会津)  31分48秒42 (1組26着)
伊福陽太(政経4=京都・洛南)  29分15秒31 (3着)
菅野雄太(教4=埼玉・西武学園文理)  29分35秒98 (2組13着)
吉倉ナヤブ直希(社1=東京・早実)  29分50秒31 (2組15着)
和田悠都(先理4=東京・早実)  29分52秒47 (2組16着)
宮岡凜太(商3=神奈川・鎌倉学園)  29分53秒68 (2組17着)
瀬間元輔(スポ1=群馬・東農大二)  29分57秒85 (2組18着)自己新
宮本優希(人2=智辯学園和歌山 )  30分27秒46 (2組25着)
伊藤幸太郎(スポ3=埼玉・春日部)  31分07秒29 (2組28着)

コメント

伊福陽太(政経4=京都・洛南)

――今日の調子はどうでしたか

悪くはなかったです。早大競技会に調子を合わせたわけではなく、練習の一環として出場しました。

――今日の目標タイムはどのくらいで設定していましたか

元々は29分前後で設定していて、29分を切ることができればよいと思っていました。しかし、気温や湿度が高く、10月にしては厳しめのコンディションだったので、目標を下方修正して、悪くても29分30秒は切ろうと思っていました。

――中盤以降、先頭集団から少し離されていましたが、その時、どのようなことを考えていましたか

中盤で前が一気にペースを上げてきた場面がありましたが、自分はこの試合で出し切るわけにはいかなかったので、じっくりと後ろで自分のペースを刻みながら前を追っていこうと考えていました。

――今日の結果についてはどのように考えていますか

さまざまな条件や自分の状態を総合的に考えると、悪くはないと思っています。ただ、自分の前に他の選手はいたので、満足できる結果だとは考えていません。

――最後に今後の意気込みをお願いします

全日本大学駅伝(全日本大学駅伝対校選手権)が2週間後に控えていて、昨年自分のせいでシード権を落としてしまったので、今年も自分が出場できるかは分かりませんが、自分もピークを合わせるつもりで調整しています。今日の試合を一つの良い流れとして全日本大学駅伝につなげたいと思っています。

増子陽季(人2=栃木・大田原)

――本日のコンディションはいかがでしたか

調子自体は悪くなくて。夏明け以降から少しずつ練習を積めてはいました。目標を29分台にしていて、達成できて率直に嬉しかったです。

――夏合宿明けから調子は上向いていたということでしょうか

実は夏までケガをしていて。夏合宿には1つも行けてはいない中で、所沢に残って、練習を積めない中でもしっかり自分の練習をコツコツできたかなと思っています。

――今試合の位置づけをお聞かせください

復帰して、1万メートルで記録を残すというのは1つの目標でした。

――全体的な走りを振り返っていかがですか

タイムに関しては合格点かなとは思うのですが、組の順位的には3着で。ラスト1000メートルまでずっと先頭に着いていて、残り3周で垂れてしまったので、そこは勝ち切れなかったかなと思います。

――ご家族の方もいらっしゃっていました

祖父が初めて来てくれました。いいレースを見せることができたかなと思っています。

――最後に今後の意気込みをお願いします

これからケガをせずにいかに継続して練習できるかというところが重要なので、練習をしっかり積んでいきたいなと思います。
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著者プロフィール

「エンジの誇りよ、加速しろ。」 1897年の「早稲田大学体育部」発足から2022年で125年。スポーツを好み、運動を奨励した創設者・大隈重信が唱えた「人生125歳説」にちなみ、早稲田大学は次の125年を「早稲田スポーツ新世紀」として位置づけ、BEYOND125プロジェクトをスタートさせました。 ステークホルダーの喜び(バリュー)を最大化するため、学内外の一体感を醸成し、「早稲田スポーツ」の基盤を強化して、大学スポーツの新たなモデルを作っていきます。

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