【ラグビー日本代表】吾輩はバスである~10.26横浜決戦!リポビタンDチャレンジカップ2024 日本代表 vs オールブラックス告知ツアー~

チーム・協会

私と東京タワー 【🄫JRFU】

吾輩は…

吾輩は、バスである。名前は、まだない…

…嘘である。

ラグビー日本代表チームバス。それが私の名前である。私が所属する会社名が『日の丸自動車興業』である以上、日の丸を背負う桜戦士を乗せる事はもはや宿命。「ラグビー日本代表チームバス」という、ストレートにも程があるこの名、至極当然であり必然のネーミングなのだ。ここだけの話だが、近々、その務めを終える新幹線ドクターイエローに替わり、次なる「見ると幸運になる」と言われているレア乗り物とは、何を隠そう私のことである(※個人の感想です)。
そんな私の普段のミッションは快適運行に努め屈強なラグビー日本代表の選手たちを試合会場に安全に送り届ける事なのだが、今回は特別ミッションとしてラッピングバスに装いを替え、10月26日(土)に日産スタジアム(横浜)で開催されるビッグイベント「リポビタンDチャレンジカップ2024 ラグビー日本代表vs オールブラックス」の広報行脚のため、都内&横浜へと繰り出すことになった。
ここで、今さら必要はないとは思うのだが、あえて、改めて説明させてもらいたい。ラグビーとはどんなスポーツなのか、を。
①規模:ラグビーワールドカップはサッカーワールドカップ、オリンピックと並び「世界三大スポーツイベント」の一つに数えられる。
②特徴:「最も番狂わせの起きにくいスポーツ」と呼ばれている…のだが、ラグビー日本代表は2015年ラグビーワールドカップにおいてラグビー界の巨星・南アフリカ代表に対して勝利し、「スポーツ史上最大のジャイアントキリング」と呼ばれる快挙を成し遂げている。
③ビール消費量:ある調査によると一試合あたりのビール消費量はサッカーの6倍。誰もが一瞬「1.6倍」と間違えるのだが6倍である。カップ焼きそば例えると「ギガMAX以上、ペタMAX未満」と言えばその凄さがお分かりいただけると思う。こんなスポーツ、他にないだろ?

と言うわけで、我らがラグビー日本代表のためにチームバスである私が一肌脱いで(ラッピングするので正確には一肌着るのだが)、神出鬼没(広報活動なのでそれでは困るのだが)のミッション・ポッシブル 、スタート。

ラッピングバス、都内を走る。

10月14日午前。晴れ渡る空の下、都内某所を出発。いつもなら選手たちが顔を覗かせる窓の部分にババーンと「JAPAN vs ALL BLACKS」「スタジアムへ行こう!」とラッピングを施した私。心ゆくまで見てもらい、大いに拡散してもらおうではないか。
最初のターゲットはギロッポン。週末の夜ともなればネオンと多言語が飛び交うインターナショナル交差点なのだが、この日は休日しかも午前。前夜の疲れを癒すモードで人出もまばら。私に興味を持つ人は…いない。いつか、週末の夜にきらびやかな姿で再登場しようと思った。

国会議事堂を正面に 【🄫JRFU】

次に走ったのは官庁街。どういうわけだかこの街を散歩中の家族に遭遇。私を目で追ったお父さんの口は「ジャパン…オールブラックス…」と動いていた。ちょっと嬉しい。あなたに幸あれ。国会議事堂前では警戒中のおまわりさんが私をチラ見。「お!?」みたいなリアクションはゼロ。 (新垣結衣さんではない方の)ガッキーばりの視線の鋭さはそのままに、周囲への警戒は怠らず。東京の治安は彼らに守られている事を感じた。ありがとう。
ここまででわかったのは休日の東京ビジネス街の穏やかさ。あまりの穏やかさに本来の役目をすっかり忘れてしまいそうになったが、今日のミッションは広報活動。気を取り直して次なるポイント東京駅前・皇居周辺へ。さすがの人出だったがほぼランナー&外国人観光客。WHY?という戸惑いの表情で二度見する皇居ランナー。Oh!と見るやスマホを構える外国人観光客。リアクション一つ取ってもこの国におけるラグビー認知度を伺い知るところなのだが、皇居前ではちょっとしたサプライズがあった。SNSで私を追っかけてきてくれたファンの方がいたのだ。「やっと追いついた(笑)」と、たった1人の応援だけど、1万人に匹敵する熱さ。心の底からありがとう。皇居前のサプライズはこれだけではなかった。次の目的地へ向かおうとする私を、一人の女性が追いかけ、スマホを構える。ここにもまた一人…と思っていたら、微妙にスマホの角度が私からズレている。構えた先にはあったのは「YAZAWA」ステッカーがBIGに貼られたバス。もちろんナンバーは830(ヤザワ)。ラグビーは大男揃いだけど、日本じゃまだまだYAZAWAの方がBIGのようだヨロシク!

新宿歌舞伎町 【🄫JRFU】

さ、勝負はここから!と強がって、向かった先は日本一の繁華街・新宿。常時岸和田だんじり祭並みの人込みも、みんなの視線はスマホの中。私に気がついた人はけっこういるが、チラ見チラ見てまたチラ見。え?日本代表?そうです、私が日本代表(のラッピングバス)です。どうぞ撮ってください見てくださいお時間あったら拡散してください!と思ったその瞬間、路上カート5台が私の横を走り抜ける。一発でみんなの視線は「マリオ」に釘付け。ラグビーは大男揃いだけど、日本じゃまだまだマリオの方がBIGのようだヨロシク!

そんなハートブレイクな午前の締めくくりは「聖地」秩父宮ラグビー場前。ここに私が姿を現すやいなや見られまくり撮られまくり人だかりできまくりの大騒ぎ!なのだが、この日聖地で開催されていたイベントは、お好み焼き等の「粉もん」が一堂に会する「神宮コナモンストリート」という小麦粉感100、ラグビー感ゼロのハイカロリーイベント。聖地でここまでスルーされたのは初めてだった。

いつもの秩父宮ラグビー場なら、こんな歓迎を受けたはず… 【🄫JRFU】

ラッピングバス、横浜を走る

予想上回る肩透かしに正直、ちょっと落ちこんだ。東京を走ってわかったのは「メジャーなマイナースポーツ」というラグビーの立ち位置だった。サイン会に人が来なかったジョイマンの気持ち、今の私ならちょっとわかる気がする。
首都である東京でこの薄ーい反応なら、横浜はどうなってしまうのか。良いイメージを描けないまま、私は横浜中心街へと歩みを進めたのだが、そこに広がっていたのは東京とは全く異なる世界だった。
もういきなりリアクションが違う。全っ然違う。文化、スポーツに敏感なのであろうか。街を行く人、カフェでのんびりする人、本当に多くの人が私を見る。指さし、隣の友人と話し、手も振ってくれたりして。これだ。私がイメージしていたリアクションはこれだ!こんなに好意的かつ大きなリアクション…もしかしてスタッフが仕込んだのではないのか?という疑念すら湧いたほどである。中がはっきりと見えない仕様になっている私に対し、手を振るハマっ子たち。搭乗しているスタッフも嬉しい気持ちになって思わず手を振る。子供のようにはしゃいで手を振ってくるみなさん、ゴメン…中から手を振っているのは日本代表の選手じゃないんだ。何も言えなくて…秋。

横浜・大さん橋にたたずむ、私 【🄫JRFU】

横浜での衝撃はこれだけでは終わらなかった。赤レンガ倉庫前で一休みしていると、かわいいワンちゃんを連れた女性二人が興奮気味に「やっと見つけた!」と近づいてきた。聞けばSNSで動向を追い、ずっと待っていたのだという。この熱量にラグビーは、ラグビー日本代表は支えられているのだと再認識できた。

世界最強がやってくる

ラグビーにおける最強、そして一つの「文化」がやってくる 【🄫NZR】

※リンク先は外部サイトの場合があります

10月26日はもちろん日産スタジアムに駆け付けるというお二人。「もしかしたらオールブラックスも応援しちゃうかも!」とはしゃいでいたが、それでOK。間もなく来日するオールブラックスはそれだけの魅力と価値がある、ラグビー界を代表する存在なのだから。
ラグビーニュージーランド代表、オールブラックス。2024年現在、「世界チャンピオン」の称号こそ南アフリカに譲ってはいるものの、未だ、世界最強=オールブラックスというイメージは強く、実際に世界最強クラスの実力にあるのは間違いない。そんなチームが来日して日本代表と対戦するだけでも凄いのだが、その戦いは決して、顔見せ興行などではない。「オールブラックス」という名は即ち、負けが許されない名前。手抜きおふざけ情けは無用。迎え打つ日本代表にとって強烈な「レッスン」となる可能性はあるかもしれないが、最初っからレッスンを受けるために試合に出る桜戦士は、いない。アントニオ猪木の言葉を借りれば「戦う前から負けること考えるやつがいるかバカヤロー!」なのである。
さらに言えば、オールブラックスがやって来ることは単なるスポーツチームの来日ではなく、ラグビーという「文化そのもの」がやってくるという認識を持ってもらって構わない。黒船ならぬ黒衣は、きっと、スポーツを超えた時間と空間をもたらすに違いない。

私の中 【🄫JRFU】

横浜は、熱い。日本代表の選手たちは、この街で世界最高峰と戦う。
街が、戦いをヒートアップさせる。人がチームを後押しする。
そんな予感に後押しされて、来週もまた走ろうと思う。東京を。横浜を。

P.S.
東京の人たち、今週末はもう少し私を見てください。

【🄫JRFU】

文 オフィス男気大陸
  • 前へ
  • 1
  • 次へ

1/1ページ

著者プロフィール

(公財)日本ラグビーフットボール協会は、日本におけるラグビー競技の普及振興に関する事業を行い、その健全なる発達を図るとともに国民体力の向上と明朗なスポーツマンシップの涵養につとめ、もって社会文化の向上発展に寄与することを目的とした競技団体です。 1926年に日本ラグビー蹴球協会として設立されて以降、ラグビー競技の普及発展のための国内唯一の統括団体として活動を続け、2013年に公益財団に移行しました。詳細はこちら(https://www.rugby-japan.jp/jrfu)

新着記事

編集部ピックアップ

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着コラム

コラム一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント