早大競走部 監督・選手コメント集/出雲駅伝

チーム・協会
第36回出雲全日本大学選抜駅伝 10月14日 出雲大社~出雲ドーム
【早稲田スポーツ新聞会】取材・編集 飯田諒、草間日陽里、會川実佑、佐藤結、吉田陽南子
 10月14日、三大駅伝の初戦である出雲全日本大学選抜駅伝(出雲駅伝)が開催された。早大は総合3位以内を目指していた中で序盤の出遅れが響き、結果は6位。悔しい駅伝シーズンの幕開けとなった。本記事では花田勝彦駅伝監督(平6人卒=滋賀・彦根東)と出走した6選手のインタビューを掲載する。

花田勝彦駅伝監督(平6人卒=滋賀・彦根東)

――6位という結果を振り返っていかがですか

3番以内を目指していた中で、6位でしたので残念な結果ではあります。ただ、昨年の6位と今年の6位は内容が違うと思います。今年は前半に主力を3人投入して思うようにいかなかった中で、後半の少し心配だった選手たちがしっかりあげてくれたのは収穫です。あとは主力がしっかり走ってくれればと思います。しかし、逆に言えば、うちのエース格が他大から見た時に、エースになりきれていないのでそこがこれからの課題です。箱根(東京箱根間往復大学駅伝)に向けて、エースがエースらしい仕事をできるように、力を身に付けるような練習をしないといけないと思います。

――前半区間の出遅れは何かアクシデントがあったのでしょうか

アクシデントはなかったです。調子はしっかり合わせてきました。ただ最後の1週間でかなり調整してここに合わせてきたので、ピークが1日、2日ずれたのかなとは思います。それでも、本当に力のある選手はきっちり走るので。それがまだできないということが、本当の強さが身についていないと思います。

――改めて後半区間の巻き返しを振り返っていかがですか

4区の藤本(藤本進次郎、教3=大阪・清風)は暑いのはそれほど得意ではなかったのですが、しっかり順位を押し上げてくれました。長屋(長屋匡起、スポ2=長野・佐久長聖)と工藤(工藤慎作、スポ2=千葉・八千代松陰)に関しては暑さが得意だったので、区間3番と2番で練習してきたことは出せました。後半の3人は『1=1』が達成できましたが、前半の3人は1の半分も出せていない結果に終わってしまったと感じています。

――8人のメンバーから6人を選んだ決め手は何でしょうか

間瀬田(間瀬田純平、スポ3=佐賀・鳥栖工)とナヤブ(吉倉ナヤブ直希、社1=東京・早実)も非常に調子が良かったです。たらればになりますが間瀬田を1区に置いていればと考えることもできますが、今回は前半でエースを並べて勝負する作戦をとったので。それが上手くいかなかったのは、本人たちはもちろん責任を感じていると思いますし、私自身も彼らを、うまく(この試合に)持ってこられなかった責任があります。

――全日本大学駅伝対校選手権(全日本)に向けては、どのようなことを重視して行きたいですか

(出雲の)内容からすると、全日本に合わせていくというよりは、箱根を見据えた中での全日本という捉え方をしていかないと思います。目標は3番以内ですからもちろんそこも目指していかなくてはいけないですが、確実にシード権を取るためにもう一度、(練習を)見直していかなくてはいけないと思います。

1区 山口智規(スポ3=福島・学法石川) 24分09秒(区間12位)

――本日のレースプランをお聞かせください

速いのと遅いのと、ある程度のペースで行くという3つの展開を想定していました。暑さもあったので、ある程度様子を見ながらとは思っていました。アイビーリーグ選抜選手の細かいペース変動を気にしすぎてしまって、足がきつくなってしまったなという印象です。

――ご自身のコンディションはいかがでしたか

調子も上がってきていて、悪くても3番以内にはいけるかなと思っていました。

――暑さに関してはいかがでしたか

暑かったですけど、その分(展開が)スローになったので予想通りでしたし、実力不足だなと感じました。

――1区はスローペースの展開となりました

どこかでバーンと上がるんだろうなと思っていたので、そこにリアクションする準備はしていました。しかし、地味に足がきていたので、残り1キロまで上がってほしくないなと思っていたのですが、残り2キロあたりからペースが上がったので、きつくなってしまいました。

――意識されていた選手はいらっしゃいましたか

周りに強い選手が多かったので、しっかり気にしながら走っていました。やはり鶴川さん(正也、青学大)とアイビーリーグの選手が中心になるだろうなと思っていたので、その選手たちの動きは見ていました。

――本日の走りを全体的に振り返っていかがですか

最低限区間賞くらいの感覚で送り出されたということもあったので、やはり仕事はできなかったと思います。下級生に助けてもらうような走りになってしまったので、残りの2つの駅伝はエースらしい走りができたらいいなと思います。

――最後に、今大会を踏まえて全日本大学駅伝対校選手権(全日本)への意気込みをお願いします

まずこの駅伝で何が悪かったのかをもう一度考え直して、全日本は区間賞を取れるように準備をしっかりしていきたいです。

2区 伊藤大志駅伝主将(スポ4=長野・佐久長聖) 16分49秒(区間10位)

――1区の山口智規選手(スポ3=福島・学法石川)から12位でタスキを受け取りました。どのような心境でしたか

花田さん(花田勝彦駅伝監督、平6人卒=滋賀・彦根東)からも、もしかしたら先頭では来ないかもしれないという話はされていました。ですので、ある程度後ろではと思っていたのですが、思った以上に後ろだったので、 予想外ではありました。1区である程度失敗しても2区の僕で受け止めなければいけない、リカバリーをしなければいけないという意味も込めておそらく、僕は2区に置かれていました。そう思うと、それこそ12位や、後続で来るのも覚悟しておかなければいけなかったと、今振り返ると思っています。

――レースプランはどのように考えていましたか

走る前はある程度冷静に、最初速いペースで入ってから、2、3、4キロくらいまで様子を見て、ラスト1、2キロ上げてと思っていました。ただ、タスキをもらった時点で、もう吹っ切れてしまったというか、いつになく冷静さを欠いてしまいました。そこが僕の今回の一番の敗因ですし、チームの敗因はそれこそ僕にあると思います。一番は冷静にレースに入れなかったというところだと思っています。

――例年にない暑さも見られた大会となりました。今日のコンデションはいかがでしたか

やはり1、2、3区あたりはかなり暑かったという感じはしていました。しかし、夏合宿もいつになく暑いシーズンだったので、暑さ対策というのはできていなかったわけではなかったと思います。

――ご自身の走りを全体的に振り返っていかがですか

やはり1、2区で本来なら逃げなければいけなかったです。思惑としては1、2区で逃げて、それこそ先頭争いをするべきでしたが、後手後手に回って、 3区以降はもう前を追うだけという展開になってしまいました。正直敗因は分かっているというか、もう目に見えています。メディアからは 、山口と伊藤を並んで逃げ切るというようなスタンスで見られてたと思うのですが、しっかりと外してしまいました。 それをできなかったのが一番の敗因です。逆に見れば3区以降の選手はある程度、調子通りというか、順当に走ってくれたと思います。不幸中の幸いではないですけど、そこは次回につなげられる点だと思います。 チーム運営どうこうというよりかは、やはり僕と山口が、もう1回練習を積んで、エースと言われるような走りをしなければいけないかなと思います。

――これからの駅伝シーズンに向けて、個人の目標はありますか

チームの状況から考えても、区間上位、区間3番以内で戦わないと、チームの戦力としても間違いなくカウントできなくなってしまいます。個人としてもかなり今回悔しい結果を味わって、正直何が正解で何が不正解かも分からなくなるぐらいの結果でした。もう1回切り替えてというか、もう1度足元を見て、やるべきことを考えなければいけないと思っています。

――最後に駅伝主将として、部全体の目標を教えてください

正直失敗したのが出雲(出雲全日本大学選抜駅伝)で良かったという感じはあります。不幸中の幸いだと僕の口から言うのは、正直はばかられることではあるのですが、まだ挽回の機会を与えてもらっていると思います。ただ、チーム全体で頑張る以上に、僕が頑張らなければいけないということをすごく痛感しました。これまではチームとして、駅伝主将としてということを言い訳にして、自分の走りをないがしろというわけではないですが、自分の走りに目を背けていた部分が正直あったと思います。今回の失敗から目を背けずに、チームからの信頼度というものも、もう1度僕の力で取り戻すために、自分の走りと足元を見直していかなければいけないと思います。

3区山口竣平(スポ1=長野・佐久長聖) 25分15秒(区間11位)

――本日のコンディションはいかがでしたか

自分の中ではそんなに良くないなと思っていました。花田さんが言っている『1=1』が全然できていなくて、多分0.8ぐらいしかできていなかったというのが現状だったと思います。

――本日は気温も高かったと思いますが、天候のコンディションはいかがでしたか

前日、関東で生活していた時と比べても全然気温が高かったので、暑さ対策という面では結構大変でした。

――三大駅伝初出走となりましたが、個人の目標としてはどのように考えていましたか

個人の目標としては1つでも順位を押し上げるということを目標としていました。まさかあんなに後ろでもらうとは思っていなかったので、 自分の想定から大きく外れた中でもらって、結構難しいレースとなりました。そこで少し目標を切り替えて、とりあえず順位を落とさないことを意識して走りました。

――11位でタスキが回ってきたと思いますが、走り始めた時に考えていたレースプランはありますか

前に東洋大がいたので、そこは確実に抜かさないといけないなと思っていました。後ろのことは全く気にせずにいたら途中でヴィクター(キムタイ、城西大)がすごい勢いで来たのでびっくりしましたが、とりあえず順位を落とさなければいいやと思って走りました。

――おっしゃっていた通り、城西大学のヴィクター・キムタイ選手が後ろから迫ってくるという展開になりましたが当時の心境を教えてください

人間じゃないなと思っていて、絶対にこれについていったら順位やチームに迷惑をかけてしまうと思いました。抜かれた時、とりあえず最低限の走りをしようと思いました。

――初めての三大駅伝出走となりましたが、走った感想をお願いします

高校と比べて注目度が格段と上がっているので、やはりプレッシャーを感じる部分も高校よりありました。また、声援の数も全然高校の時より多かったので、注目度という面では全然違うなと今回初めて感じました。

――ご自身の走りを振り返っていかがですか

あまり良くなかったかなと思います。本当は自分の区間で法大や京産大ぐらいまではいかないといけない役割にも関わらず、東洋大だけしか抜くことができなかったので、だめなレースだったと思います。

――最後に、今後の駅伝シーズンに向けて目標や意気込みをお願いします

とりあえず出雲駅伝は総合6位で終わったのですけれども、個人としては全然だめだったので、全日本(全日本大学駅伝対校選手権)に向けてしっかり立て直して、区間5番くらいを狙えるようにしたいです。箱根(東京箱根間往復大学駅伝)もチームに貢献できる走りができれば良いと思います。

4区 藤本進次郎(教3=大阪・清風) 18分04秒(区間7位)

――本日のコンディションはいかがでしたか

体の状態的には普通、いつも通りでしたが、少し暑さが気になったレースではありました。

――三大駅伝初出走となりましたが、出走前に考えていた個人の目標はありますか

監督(花田勝彦駅伝監督、平6人卒=滋賀・彦根東)からは楽しんで走れと言われていましたが、やはり緊張もありました。具体的な目標としては区間3番ぐらいを狙いたかったのですが、結果的に7番ということでそこは達成できなくて少し残念です。

――11位という順位でタスキを受け取りましたが、タスキを受け取った時に考えていたレースプランを教えてください

前を追っていくだけで、だいぶ遠くに(前の選手が)見えてはいたので、その点追いやすかったです。

――2人を抜いて9位まで順位を上げましたが、レース中の心境を教えてください

だんだんだんだん(前の選手が)大きくなってくるので、この2人を捉えて後ろにちょっとでも楽というか、つなげられる走りをしようということを考えながら走っていました。

――2人抜き、そして区間7位という快走を見せましたが、要因としてなにか考えられることはありますか

調子がいいとは言えなかったですが、実力はこの夏合宿でかなりついたと思っています。その点が自信を持って臨めるようになった要因だろうと思います。

――今日のご自身の走りを振り返っていかがですか

端的に言うなら苦しかったです。

――最後に、今後の駅伝シーズンに向けて目標や意気込みをお願いします

今のところはこのレースで頭がいっぱいなのですが、ここからまだ次の全日本(全日本大学駅伝対校選手権)まで3週間ぐらいあると思うので、今回のレースをふまえた上で練り直していこうかなと思います。

5区 長屋匡起(スポ2=長野・佐久長聖) 18分31秒(区間3位)

――今日のコンディションはいかがでしたか

夏合宿を明けていい感じに状態は上がってきていました。直前の練習も調子が良かったと思います。

――個人での目標はありましたか

去年は6区を走らせていただいて、今年は5区という短い距離でした。5区はつなぎの区間なのですが、自分的には本当はアンカーを走りたくて。ですが、5区でもしっかり自分の持ち味を生かせていけたらいいなと思っていました。

――レースプランはどのように考えていましたか

展開次第だとは思っていました。(今日は)下からの順位だったので、とにかく順位をあげようと思って走りました。

――一つ前の選手から少し離れた位置でタスキを受け取りました

前は少し離れていたのですが、見えなかったわけではないので、抜かせないことはないなと思っていました。とにかく自分の走りをしようと思っていた結果が、1人抜かせたことにつながったと思います。

――区間順位やご自身の走りを振り返っていかがですか

順位に関しては、(区間)3位以内を取ろうと思っていたのでそこは良かったかなとは思います。ですが、タイムやレース展開に関してはまだまだ改善の余地があります。また、同期の工藤(慎作、スポ2=千葉・八千代松陰)も自分より強いなと思ったので、全日本(全日本大学駅伝対校選手権)と箱根(東京箱根間往復大学駅伝)ではまた頑張りたいなと思います。

――今後の駅伝に向けて意気込みをお願いします

まずは全部に出走して、かつ、結果も求めていきたいですし、チームも3番以内を目指していきたいです。

6区 工藤慎作(スポ2=千葉・八千代松陰) 29分35秒(区間2位)

――本日の結果についてどのように捉えていますか

周りの状況が分からず、個人としては何も分からない状態で走り出しました。その中で、学生最強の一角である駒大の篠原倖太朗選手、青学大の太田蒼生選手に区間順位で勝てたのが1つの収穫です。

――今日の調子はいかがでしたか

最近は結構良くて。成長したからというのもあると思いますが、(今日も)悪くはない状況でした。ただ、レース中に差し込みのようなものがあったので、そのせいで区間賞争いに絡めなかったのかなと思います。

――前の状況が分からなかったと仰っていましたが、その中でどのようなことを考えていましたか

自分の(狙っていた)記録だけを考える感じで、順位は特に何も考えずに走りました。

――実際のレースはどのようなペース配分で臨まれましたか

少し向かい風だったので、その分突っ込んだとは思いますが、自分の中では結構落ち着いていました。中盤までは、リズムよく走れていたと思います。

――最後は競り合う展開となりました。振り返っていかがですか

城西大の選手はスパートがきく選手が多いので、最後の直線までは持っていきたくないという思いで走りました。アイビーリーグ選抜の選手も脚が止まっていましたが、距離が遠くて及びませんでした。

――先ほど成長したと仰っていましたが、その要因はどのように捉えていますか

1日に陸上にかける時間や意識が変わっていったことが大きいと思います。

――今後に向けて一言お願いします

このままいくと次の全日本でも昨年みたいにシードを落としてしまうと思います。自分は次も主要区間を任されると思うので、そこで他校のエース格に劣らない走りをしたいです。
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著者プロフィール

「エンジの誇りよ、加速しろ。」 1897年の「早稲田大学体育部」発足から2022年で125年。スポーツを好み、運動を奨励した創設者・大隈重信が唱えた「人生125歳説」にちなみ、早稲田大学は次の125年を「早稲田スポーツ新世紀」として位置づけ、BEYOND125プロジェクトをスタートさせました。 ステークホルダーの喜び(バリュー)を最大化するため、学内外の一体感を醸成し、「早稲田スポーツ」の基盤を強化して、大学スポーツの新たなモデルを作っていきます。

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