早大競走部 出雲、序盤の出遅れが響く…三大駅伝初戦は6位

チーム・協会
第36回出雲全日本大学選抜駅伝 10月14日 出雲大社~出雲ドーム
【2024.10.14早稲田スポーツ】記事 植村皓大、写真 草間日陽里、廣野一眞、會川実佑、佐藤結、石澤直幸
 秋らしからぬ暑い陽気となった10月14日、駅伝シーズンの到来を告げる第36回出雲全日本大学選抜駅伝(出雲)が行われた。早大は前年からの主力に加え、1年生や一般組の新戦力も加えた充実の布陣で『3位以内』を目標に臨んだ。しかし、スタートの1区で12位とまさかの出遅れ。5区の長屋匡起(スポ2=長野・佐久長聖)、6区の工藤慎作(スポ2=千葉・八千代松陰)が快走し、6位まで順位を上げたものの悔しい結果に終わった。

 1区を任されたのは早大のエース・山口智規(スポ3=福島・学法石川)。スタートから3キロまでは1キロ3分台の落ち着いたレース展開となり、山口は先頭集団後方で様子をうかがいながらレースを進めた。4キロ過ぎで1キロ2分40秒ペースに上がり、徐々に先頭集団が減っていく。そして7キロ手前、キーラン・トゥンティベイト(アイビーリーグ選抜)がさらにペースを上げると先頭は鶴川正也(青学大)、青木瑠郁(国学大)ら3人のみとなり、山口は先頭から大きく差をつけられる苦しい走りになってしまう。結果的に先頭から29秒遅れの区間12位に終わり、早くも上位争いからこぼれてしまった。

1区を走る山口智 【早稲田スポーツ新聞会】

 タスキを受けたのは伊藤大志駅伝主将(スポ4=長野・佐久長聖)。1区での遅れを取り戻すべくハイペースで走り、一時は9位まで順位を上げる気迫の走りを見せる。しかし前半の無理が響き、後半からペースを落としてしまう。第1中継所からは順位を一つ上げたものの、京産大と東洋大に抜かれ11位でタスキをつないだ。

2区を走る伊藤大 【早稲田スポーツ新聞会】

 各大学の主力ランナーがひしめく3区ではルーキー、山口竣平(スポ1=長野・佐久長聖)が駅伝デビューを果たした。1キロ過ぎにヴィクター・キムタイ(城西大)に抜かれ12位に後退する。それでも前を行く東洋大に追いつき、6キロ付近で引き離して11位に浮上。中継所まで順位を守り区間11位でデビュー戦を終えた。

3区を走る山口竣 【早稲田スポーツ新聞会】

 4区はこちらも三大駅伝初出走となる藤本進次郎(教3=大阪・清風)が登場。「緊張はあった」と振り返るものの、「前が見えていたので、追いかけるだけだと思って走った」と、懸命に前を追う。すると前を行く京産大、大東大を抜き去って9位に順位を上げた。藤本は区間7位と堂々の走りを見せ、見事に悪い流れを断ち切った。

4区を走る藤本 【早稲田スポーツ新聞会】

 5区は昨年の出雲以来の駅伝出走となった長屋。スタートから単独走となったが「とにかく自分の走りをしようと思った」と落ち着いてペースを刻み、徐々に前との差を詰めていく。終盤、帝京大を抜き8位へ浮上し、前を行く法大も視界に大きく捉える。長屋は区間3位の快走でアンカー、工藤へとタスキをつないだ。

5区を走る長屋 【早稲田スポーツ新聞会】

 工藤はスタートするとすぐに法大に追いつき、2キロ過ぎに差を広げ7位に浮上。その後も力強い走りを見せた工藤は、終盤に久保出雄太(城西大)もかわし6位へ。さらに第5中継所の時点で1分近く差のあったアイビーリーグ選抜にもわずか5秒差まで迫り、ゴールに飛び込んだ。

ゴールする工藤 【早稲田スポーツ新聞会】

 早大は6位となり、昨年に引き続き『3位以内』に入ることはできなかった。序盤の出遅れが大きく響いたことが、上位に絡むことができなかった要因だろう。それでも山口竣、藤本の2人が駅伝初出走を果たし、長屋が久々の駅伝で快走するなど収穫も多かったはずだ。残り1ヶ月を切った全日本大学駅伝対校選手権、そして来たる東京箱根間往復大学駅伝での目標達成に向けて、ここで足を止めるわけにはいかない。
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著者プロフィール

「エンジの誇りよ、加速しろ。」 1897年の「早稲田大学体育部」発足から2022年で125年。スポーツを好み、運動を奨励した創設者・大隈重信が唱えた「人生125歳説」にちなみ、早稲田大学は次の125年を「早稲田スポーツ新世紀」として位置づけ、BEYOND125プロジェクトをスタートさせました。 ステークホルダーの喜び(バリュー)を最大化するため、学内外の一体感を醸成し、「早稲田スポーツ」の基盤を強化して、大学スポーツの新たなモデルを作っていきます。

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