早大野球部 明大戦展望 いざ決戦!難敵との天王山を制し2季連続の天皇杯を手繰り寄せろ

チーム・協会
東京六大学野球秋季リーグ戦
【2024.10.17早稲田スポーツ】記事 林田怜空
 大一番が今週末に控えている。第6週で早大が迎え撃つ相手は、勝ち点3、勝率.857で同率首位に立つ明大だ。早大にとって明大は、直近数年間後塵(こうじん)を拝し続けた因縁の相手であり、今春も3回戦延長11回に及ぶ激闘の末に勝ち点を獲得した難敵だ。東京六大学野球秋季リーグ戦(リーグ戦)の帰趨(きすう)は、このカードの結果によって決まると言っても過言ではない。天王山を制し、2季連続の天皇杯を手繰り寄せろ。

春季明大3回戦で勝ち点をもたらした伊藤樹。この1年間のリーグ戦でいまだに負けなしのエースが明大戦でも勝利に導く 【早稲田スポーツ新聞会】

 ここまでチーム防御率1位を走る明大。強力投手陣の中心は間違いなく髙須大雅(3年)であった。しかし、その髙須は慶大3回戦で肘を負傷。先週行われた立大とのカードでもベンチ入りしておらず、戦線を離脱したと見て良いだろう。その髙須に代わって1回戦の先発を担っているのが、同じく3年の毛利海大である。今季先発に定着した左腕の持ち味は、球速以上にノビのあるストレートと、切れ味抜群のカットボールだ。ここまで投球回数を上回る20奪三振を記録しつつも、与えた四死球は僅かに4つのみ。いずれの登板でも80球程度で降板しているものの、登板時には質の高い投球を見せている。第2先発として登板が見込まれるのは、藤江星河(4年)だ。1年秋に規定投球回に到達した左腕がついに先発復帰を果たし、ここまで防御率0.00の好投を続けている。ブルペン陣も、大川慈英(3年)、千葉汐凱(4年)ら最速150㌔を超えるパワーピッチャーがずらりと並ぶ屈指の陣容。彼らを打ち崩さなければ、早大の勝利は無いと言って良いだろう。

 好投手がそろう明大投手陣が相手となれば、連打を期待することは難しい。そのため、今カードで重要になるのが走者を一気に進めることができる長打だ。早大が誇る長距離砲といえば、やはり吉納翼副将(スポ4=愛知・東邦)だろう。東大戦、法大戦では4本塁打16打点と爆発した吉納副将だったが、立大戦では無安打に終わっている。今秋ドラフト前最後のカードとなる明大戦での大暴れに期待したい。また、印出太一主将(スポ4=愛知・中京大中京)は今春の明大2回戦で本塁打を放つなど、同カード打率5割の活躍を見せた。その長打力に期待が懸かるとともに、首位打者を争う小島大河(3年)、宗山塁(4年)に負けない安打量産を期している。吉納副将、印出主将の前で出塁する役割を担う尾瀬雄大(スポ3=東京・帝京)は、対明大通算打率.414とまさに明大キラーである。このカードでも、長距離打者がそろうクリーンアップの前で尾瀬が出塁できるか否かが勝敗を左右するだろう。

現在チーム打率1位の印出主将。春に続き、明大打ちに期待が懸かる 【早稲田スポーツ新聞会】

 対する明大も打線は破壊力満点である。やはり核となる打者はドラフトの目玉となっている宗山だ。昨年以来、本来の活躍を見せることができていなかった天才打者が、ラストシーズンその打棒を遺憾なく発揮している。ここまでの打率.455はリーグトップであり、本塁打もすでに2本放っている。対早大通算打率.439、本塁打3、OPS1.160の早大キラーを封殺することが、勝利に向けた至上命題だ。また、宗山以外の打者の調子も上向いている。直井宏路(4年)、小島河も打率.400と当たっており、今秋レギュラーを確保しつつある榊原七斗(2年)もすでに本塁打2本を放っている。どの打順にも本塁打を放ちうる打者が並ぶ強力打線に、早大投手陣がどのように立ち向かっていくか、注目だ。

 早大投手陣の柱は、やはりエース・伊藤樹(スポ3=宮城・仙台育英)である。六大学を代表する右腕は、法大戦、立大戦の10日間で4先発。そのすべての登板で7回以上を投げ、勝ち点獲得に大きな貢献を果たした。特に立大3回戦では、6回まで65球で相手を打ち取る省エネ投球を見せたかと思えば、7回には一気にギアを上げて三者連続三振を奪うなど、試合の流れを支配する圧巻の投球を披露した。前カードから登板間隔が空き、調整も万全のはず。今春明大3回戦で見せた快投の再現に期待が懸かる。また、今春盤石のリリーフを見せたブルペン陣は今季も健在だ。クローザーには今季復活を果たした田和廉(教3=東京・早実)が座り、リーグ戦はここまで失点ゼロ。直球、変化球共に威力は抜群で、支配的な投球を続けている。第二先発を担う宮城誇南(スポ2=埼玉・浦和学院)も今季三振を量産。春の課題を解消し、六大学屈指の先発へと成長を遂げつつある。今春は6回3失点と試合を作りつつも黒星を喫しただけに、春のリベンジといきたいところだ。

さらなる活躍が期待される宮城。今春のリベンジを果たせるか 【早稲田スポーツ新聞会】

 今季早大は、チーム打率1位、チーム防御率2位。対する明大は、チーム打率2位、チーム防御率1位。両チームの総合力は六大学でも突出している。「春の忘れ物」を探す航海に出るために。頂上決戦を2連勝で制し、早慶戦へと突き進みたい。
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著者プロフィール

「エンジの誇りよ、加速しろ。」 1897年の「早稲田大学体育部」発足から2022年で125年。スポーツを好み、運動を奨励した創設者・大隈重信が唱えた「人生125歳説」にちなみ、早稲田大学は次の125年を「早稲田スポーツ新世紀」として位置づけ、BEYOND125プロジェクトをスタートさせました。 ステークホルダーの喜び(バリュー)を最大化するため、学内外の一体感を醸成し、「早稲田スポーツ」の基盤を強化して、大学スポーツの新たなモデルを作っていきます。

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