【リレフェス】レポート:アスレティックファミリーが今年も国立に集結!たくさんのご参加ありがとうございました
【JAAF】
この週末は、太平洋沿岸に沿って前線が停滞した影響で、1日目は終日雨模様、2日目も厚い雲が空を覆う天候に。しかし、会場には、両日でのべ11,500人の「する人、見る人、支える人=アスレティックファミリー」が集結! その熱気と笑顔で、今年も国立競技場を華やがせました。
【日本選手権リレー】
男子4×100mリレーは早稲田大が11年ぶり22回目の優勝!
【フォート・キシモト】
女子4×100mリレーは青山学院大学が悲願の初優勝!
【フォート・キシモト】
男子マイルは大混戦を制した日本大が選手権を獲得!
【フォート・キシモト】
女子マイルは立命館大、2年ぶり4回目のタイトル!
【フォート・キシモト】
非公認種目がバージョンアップ!憧れの「コクリツ」でリレーを走る
【JAAF】
会場でフロアMCを務めたのは、宇佐美菜穂さん、リチャード(中村拓也)さん、こにわさんの3人。昨年に続いての3人態勢です。各レースが終わるごとに行われた出場者への“お立ち台インタビュー”や、スタンドにいる観戦者と電光掲示板越しに、ゼスチャーも交えながら意思疎通を図る光景は、もうすっかりお馴染みのものに。観客を楽しませつつ、細かく組まれたタイムテーブルを、あうんの呼吸で正確に進行していきました。日本選手権リレーの決勝前には、各チームの呼び方や声援を送るタイミングなども指南。非公認種目にひっそりと出場していた元トップアスリートを見つけだして紹介したり、マイク越しに熱い声援も送ったりと、会場を大いに盛り上げました。
◎U16都道府県代表4×100mリレーは、男子は愛知がV! 女子は千葉が連覇
今大会、リレフェスで唯一の公認種目として実施されたのは、都道府県代表チームで競う、U16年代の4×100mリレーです。男子・女子ともに、1日目にタイムレース6組で予選が行われ、記録上位8チームが、2日目の決勝で戦いました。
【JAAF】
【JAAF】
◎家族で、職場仲間で、旧友と…。笑顔でつなぐ非公認の部
大会要項の参加資格に、「誰でも参加OK!」と明記されている非公認の部は、今年も、「種目別に別途設定する“やさしい”運営ルール」に沿って実施されました。
【JAAF】
参加者たちは皆、走る前は、「頑張ろう!」「ケガには気をつけよう!」(これ、とても大事です)と、少し緊張した面持ちでトラックに立ちますが、レース後は誰もがホッとした様子で満面の笑顔。仲間同士や他のチームと互いの健闘を称え合ったり、「来年は、もっと練習して…」と興奮した口調で思いを伝え合ったりする光景が随所で見られました。
昨年は2日目のみの実施だった「家族リレー」は、今年は拡大して、1日目・2日目ともに行うタイムテーブルが組まれました。この種目は、メンバーが家族であることが条件ですが、各走者の距離は自由で、伴走もOK! 兄弟姉妹や親子での参加のほか、「お父さん-おじいちゃん-孫」と三世代でバトンをつないだり、義理の兄弟姉妹や甥っ子姪っ子も加わってチームを組んだりと、さまざまな組み合わせでのリレーを楽しんでました。
1日目の家族リレーでは、リオオリンピック男子4×100mリレー銀メダリストで、200mでパリオリンピックにも出場した飯塚翔太選手(ミズノ)の姿も。陸上をやっていた弟2人と姉の息子(甥)でメンバーを組んだ飯塚選手は、直前にバックグラウンドで実施されたU16参加チーム限定トークショーに登壇したあと、すぐにトラックへ駆けつけ、銀メダルを獲得したときと同じ2走を担当。さすがに全力疾走ではありませんでしたが、美しいフォームで観客の目を釘付けにしました。
2日目の家族リレーで注目を集めたのは、長女のいちこ(ユティック)・次女のあいこ(大阪ガス)をはじめとして、長男の大吾、次男の元太もスプリンターの壹岐4きょうだいです。愛猫をプリントしたTシャツをまとって、「いきニャンズ」のチーム名で出場しました。いちこ(3走)・あいこ(4走)の中継で、バトンを落としてしまう痛恨のミスが起きながらも、なんと1着でフィニッシュ。46秒台の好タイムをマークしています。
【JAAF】
【JAAF】
今回は、募集したアイデアが採用された種目も含め、新たに4つの新種目が加わりました。そのなかでも話題を集めたのは、2日目に行われた「レジェンドに挑戦! あの青春をもう一度リレー」と言えるでしょう。この種目の考案者は、日清食品カップ全国小学生陸上100mで優勝経験を持つ山本慎吾さん。同学年の塚原直貴さん(北京オリンピック4×100mリレー銀メダリスト)、品田直宏さん(男子走幅跳世界ユース選手権金メダリスト)、今井雄紀さん(2002年・2003年インターハイ男子走幅跳チャンピオン)とチームを組んで、「30歳以上の4名」で構成することを条件に、挑戦者15チームを募集して実施したのです。その後、日本の女子スプリントを牽引した北風沙織さん、和田麻希さん、市川華菜さん、高木萌木子さんが女子レジェンドチームとして参加することが発表され、さらに大きく注目されるようになりました。
2組に分かれて行われたレースの1組目で、その「男子レジェンドチーム」に挑戦状をたたきつけたのが、「マスターズレジェンド」の4選手。寺下健治さん(54歳)、水口政人さん(50歳)、赤堀弘晃さん(52歳)とマスターズ界で長く活躍する3選手に加え、北京オリンピック男子4×100mリレー銀メダリストで、9月に追い風参考ながら10秒93(+3.3)の好タイムをマークして注目を集めた52歳の朝原宣治さんがアンカーに入るオーダーでエントリー。今年8月に世界マスターズ選手権(スウェーデン・イエテボリ)で、水口さんと赤堀さんが2・3走に入って金メダルを獲得した際に樹立したM50(50~54歳のクラス)世界記録44秒08を上回ることを狙って出場しました。レースは、男子レジェンドチームの3走・今井さんが肉離れをするアクシデントに見舞われてしまったなか、マスターズレジェンドは圧巻の走りを披露。非公認ではあるものの43秒58の好記録をマークしました。
しかし、「男子レジェンドチーム」も負けてはいません。なんと5分も空けずに行われた2組目にも出場。3走には、今年36歳で10秒20の自己新記録をマークし、今も現役スプリンターとして活躍する草野誓也選手が急きょ代役を務め、トップでのフィニッシュは叶わなかったものの、44秒58(2着)で2本目を終えたのです。2組目には、女子レジェンドチームも笑顔でバトンをつなぎ、55秒39・8着でフィニッシュしています。
レース後、考案者の山本さんは、「大人がこうやって短距離を楽しんでいるのを見られたらと思って考えた企画。ぜひ、短距離を長く続けてほしい」と場内に向けて、思いを伝えていました。
【JAAF】
【JAAF】
“ちょっと大人の世界へようこそ”と銘打ち、日の落ちた国立競技場でマイルリレーに挑戦する「Night of the mile」では、1・2日目ともに参加上限を大きく増やして開催。両日とも1組20チーム前後で競うレースが3組行われ、多くの参加者たちが、レース後、いわゆる“ケツワレ”を苦しむ(楽しむ?)時間を過ごしていました。
◎トップアスリートによる豪華企画!
【アフロスポーツ】
来年9月に、この国立競技場で、1991年の第3回大会以来、34年ぶりに行われる世界選手権東京大会開幕1年前イベントとして実施された「東京2025世界陸上ドリームリレー」では、同大会のアスリートアンバサダー就任が発表されたばかりの北口榛花選手(JAL、女子やり投、ダイヤモンドアスリート修了生)、サニブラウンアブデルハキーム選手(東レ、男子短距離、ダイヤモンドアスリート修了生)、田中希実選手(New Balance、女子中長距離)、橋岡優輝選手(富士通、男子走幅跳、ダイヤモンドアスリート修了生)が「アスリートアンバサダーチーム」として出場。さらに過去の世界選手権で実績を残している川端魁人(中京大クラブ、男子短距離)、栁田大輝(東洋大、男子短距離、ダイヤモンドアスリート)、白石黄良々(セレスポ、男子短距離)、岡田久美子(富士通、女子競歩)の4選手が「歴代日本代表チーム」として参加し、小学生と中学生の各選抜チームとリレーで競うドリームレースが実現しました(このドリームリレーの模様は、https://www.jaaf.or.jp/news/article/21121/ をご覧下さい)。
また、U16リレー参加チーム限定で、実施された日本代表トークショーには、パリオリンピックに出場した飯塚翔太選手(200m)、川端魁人選手(4×400mリレー)、栁田大輝選手(4×100mリレー)がゲストとして登壇。3人は、まさに「良き兄貴分」という感じで、U16年代のアスリートたちからの質問に答えてくれました(このトークショーの模様は、https://www.jaaf.or.jp/news/article/21123/ をご参照ください)。
このほか、2日間とも昼の部と夜の部の2回、アスリート交流の時間を設定。飯塚選手、川端選手、栁田選手、岡田選手に加えて、坂井隆一郎選手(男子短距離、大阪ガス)、村竹ラシッド選手(男子110mハードル、JAL)、豊田兼選手(男子400mハードル、慶應大)といったパリオリンピックに出場した豪華な顔ぶれがサインや記念撮影に協力。ファンとの時間を楽しんでいました。
◎リレー以外でも楽しめる時間を!
会場では、来場者が「リレー」以外でも楽しめるよう、国立競技場の内外に、さまざまな特設ブースやイベントも実施されました。スタジアム入場口前のにぎわい広場には、今年もスポンサー各社のブースが設営されたほか、キッチンカーが出店。2日目には、渋谷区千駄ヶ谷大通り商店街による縁日ブースが設けられ、スーパーボールすくいや射的などが行われました。また、陸連主催大会で人気の「キッズデカスロンチャレンジ」のコーナーも設営。競技の合間に家族で訪れて、親子で一緒に楽しむ姿が見られました。
さまざまなブースや国立競技場を楽しんでもらうべく、場内の各所に今年もフォトスポットを設置し、これらの場所をスタンプラリーで巡ってもらうイベントは、今年は、順天堂大学スポーツ健康科学部とのコラボレーションで、会場内に9つのポイントに設けた「陸上競技を楽しむ上で知っておきたい豆知識クイズ」を解きながら、スタンプを集めていく方法にバージョンアップされました。6つ以上のスタンプを集めると抽選に参加することができ、当選者には、トップアスリートのトレーディングカードやオリジナルクリアファイルなどがプレゼントされました。
【JAAF】
「する人」「見る人」の楽しい時間を、さまざまな形でサポートしたのが「支える人」たちです。大会は今年も、東京陸上競技協会所属の競技役員と公募で集まったボランティアによるリレフェスボランティアチームによって運営されました。特に今年は、1日目が終日雨となるなかでの開催となりましたが、スタッフの方々は会場の至るところで来場者を笑顔でもてなし、本大会のテーマとして掲げている『「笑顔」が生まれる。「笑顔」でつながる。』姿を示してくださいました。
日本陸連では、大会が終了したあとも、参加した方々が撮影したリレフェスの思い出を募集する「リレフェスSNSフォトキャンペーン」を実施。リレフェス2日間の写真や動画はもちろん、リレフェスに向けた事前練習やリレフェス後の打ち上げなどの写真・動画などを、10月31日まで募集し、抽選でスペシャルゲストのサイングッズやリレフェスオリジナルグッズなどをプレゼントする企画を行っています。皆さんの楽しい思い出の瞬間を、ぜひ、ご紹介ください(https://www.jaaf.or.jp/news/article/21064/ )。
文:児玉育美(JAAFメディアチーム)
【みんなでつなごうリレーフェスティバル2024 概要】
【JAAF】
■開催地 :国立競技場
■同時開催:第108回日本陸上競技選手権大会・リレー競技
■特設サイト:https://www.jaaf.or.jp/relayfes/
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