【日本選手権リレー】男子4×400mリレー:大混戦を制した日本大が、4年ぶりに選手権を獲得!
【フォート・キシモト】
男子4×400mリレーも、1日目に予選が、2日目に決勝が行われるタイムテーブルが組まれました。予選には、25チームが出場し、3組上位2着+2の条件をクリアした8チームが決勝へ進みました。予選のトップタイムは、3組を1着で通過した早稲田大の3分07秒09。早稲田大は、今季、単独チームで日本リスト1位の3分04秒85をマークしており、2日目の午前中に行われた男子4×100mリレーとのダブルタイトルを狙う格好です。また、予選では、インターハイ覇者の社高が、インターハイでマークしたチーム記録(3分09秒40=高校歴代6位)を大きく塗り替える3分07秒94で1組2着となり、着順で決勝へ。この記録は、高校記録(3分07秒81、東福岡高、2022年)に次ぐ好記録。決勝での新記録樹立も期待されるなか、レースはスタートしました。
序盤でリードを奪ったのは、早稲田大と社高でした。2走でレーンがオープンになったところで、早稲田大が先頭に立ち、これを社高が単独で追いましたが、終盤では近畿大、東海大、日本大、順天堂大が両チームに迫っていきます。第3走者では、4番手でバトンを受けた日本大がバックストレートで先頭に浮上。しかし、第4コーナーを抜けたところで早稲田大が抜き返すと、社高もホームストレートで日本大をかわして、最終走者は、早稲田大、社高、日本大、近畿大、順天堂大、中央大の順でスタートしていきました。早稲田大は、アンカーの眞々田洸大選手が、バックストレートで大逃げを図り、いったんは2位以降との差を広げましたが、残り250m付近で2位に上がってきた日本大のアンカー菊田堅心選手が、ここから猛追。ラスト50mを切った辺りで眞々田選手をかわすと、3分06秒60でフィニッシュラインに飛び込み、7回目となるタイトルを母校にもたらしました。
2位の早稲田大は3分06秒85、3位には日本大とともに終盤で激しく追い上げた近畿大が3分06秒99で続きました。学生相手に終盤まで好走を繰り広げた社高は7位。高校記録の更新は叶いませんでしたが、セカンドベストで、パフォーマンス高校歴代3位となる3分08秒23の好タイムでレースを終えています。
優勝した日本大メンバーのコメントは、以下の通りです。
日本選手権男子4×400mリレー
優勝 日本大学 3分06秒60
【フォート・キシモト】
めちゃくちゃ嬉しい。でも、自分の力で取ったものじゃないなという感じで。仲間の力ありきの「金」なので、自分の力をもっと上げていきたいなと思った。
自分の走りは、思ったよりうまく行かなかった。(佐竹)先輩が楽できるように、早稲田(大)との差があまり開かない位置でバトンを渡したいと思っていたのだが、特に、後半で差が開いてしまった。自分のせいで開いた差を、みんなで埋めていってくれて、最後は抜かしてくれたので、レースを見守っているときは、もう、「ゴメンとありがとう」の気持ちでいっぱいだった。
・2走:佐竹 結月
(今の心境は)最高という気持ち。どの大学も、だいたい2走に200(m)のスプリント力が高い人たちが集まるが、自分はそんなにスピードがあるほうではないので、前半で他の大学に追いついたぶん、ちょっと後半がもたついてしまった。自分の持ち味は、後半の粘り。前半を行ったぶんは粘れた感じはしたが、いつもほど(後半で)上げることができなかったと思う。優勝を狙うのであれば、本当だったら、2走の200mの地点で1位か2位でいたいところ。今日は3位(での通過)だったので、ここから力を上げていき、前半を悪くても2位で通過できるようになりたいと思う。
・3走:町田 怜央
4走の菊田くんに優勝争いをさせるために、最低でも2位か3位でバトンを渡すつもりでいた。自分が走っているとき、バックストレートがけっこうスローなペースになったので、「このまま詰まっている状態だといけないな」と思い、前に出て勝負を懸けた。ラストのカーブまでは先行できたものの、バックストレートで前に出たぶん力が残っておらず、ラストは頑張ったけれど、もがく感じになってしまった。それでも最低限の位置でバトンを渡すことができたのでよかったと思う。自分の持ち味となる後半で勝負ができなかったところは悔しいが、結果的に良い位置でバトンを渡せて、菊田くんが勝負をしてくれたので、自分の持てる力は出しきれたと思う。来年、関東インカレや全カレ(日本インカレ)で勝たなきゃいけないことを考えると、今日の走りは自信になる。またチームで作戦を練って、来年も勝てるよう頑張りたい。
・4走:菊田 堅心
優勝を狙える位置でバトンが回ってきたので、すごく緊張したが、自分はアンカー。「もう、やるしかない。やるんだ」という気持ちで臨んだ。僕は、人についていくのが得意で、最後の100(m)でしっかり勝負をするのが、いつもやっている走り方。前に人がいて、追っていくような形でバトンを受けることができ、そういう(得意な)展開に、しっかりと持っていけたことが、良い結果に繋がったと思う。
余裕は全然なくて、けっこう切羽詰まった状態でいたが、走りだしてからは、「もうやるしかない」という気持ちだったので、そこは割りきって走ることができた。今シーズンは、関東インカレ(4位)も、日本インカレ(3位)も、優勝には届かず、悔しい思いをしていたので、この大会で1位を取れたことは来シーズンに繋がると思う。
文:児玉育美(日本陸連メディアチーム)
【みんなでつなごうリレーフェスティバル2024 概要】
【JAAF】
■開催地 :国立競技場
■同時開催:第108回日本陸上競技選手権大会・リレー競技
■特設サイト:https://www.jaaf.or.jp/relayfes/
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