【日本選手権リレー】男子4×100mリレー:早稲田大、11年ぶり22回目の優勝!
【フォート・キシモト】
女子と同様に、決勝進出をすべて大学のチームが占めた男子4×100mリレーは、日本選手権のこの種目で21回の優勝実績を持つ早稲田大が、第97回大会(2013年)以来となる22回目のタイトルを獲得しました。早稲田大は、9月21日の日本インカレを制した際に、学生新記録(38秒45)を樹立したばかり。今大会も、そのときと同じ大竹春樹・千田杜真寿・関口裕太・井上直紀の4選手でオーダーを組んでの出場です。
3組2着+2の条件で行われた初日の予選は、39秒26で2組を1着で通過。全体では、1組目で39秒23をマークした東海大に続き2番目のタイムで決勝に駒を進めます。決勝は、東海大、中央大、日本大あたりが前半をリードするなか、早稲田大は着実にバトンを繋いで3走で上位陣に迫ると、やや前に出ていた中央大・日本大とほぼ横並びでホームストレートに入っていきました。ここでアンカーの井上選手が先頭に立つと、追いすがる中央大のエケジュニア瑠音選手をラストで突き放し、39秒11でフィニッシュ。関東インカレ、日本インカレに続く勝利で、今季「リレー3冠」を達成しました。
2位の中央大は0.04秒差の39秒15をマーク。3位には、最後まで激しく競り合った日本大と東海大が39秒29の同タイムでフィニッシュしたものの、着差ありで日本大が銅メダルを手にする結果となっています。
優勝した早稲田大メンバーのコメントは、以下の通りです。
日本選手権男子4×100mリレー
優勝 早稲田大学 39秒11
【フォート・キシモト】
タイム自体はそこまでいいものではないが、六大学(対校)、関東インカレ、日本インカレと、チームで勝ちきってきたなかで、ちゃんと「勝ち」を得ることができたのがすごく嬉しい。自分自身は、前半はかなりよく走れたと思うが、後半は(学生新記録を樹立した)日本インカレと比べると、ちょっとガソリン不足みたいな感じになってしまった。バトン(パス)はもたついた部分があったのだが、そこは4年生(の千田と)2人でうまく調整し、耐えることができた。ちょっと遠いなと思って、僕が「遠い」と声を出し、(千田)杜真寿も自分で少し(動きを)緩めるというように、各々がちゃんと対応した結果、それなりのバトンになったかなと思う。
・2走:千田 杜真寿
僕と(3走の)関口は六大学(対校)から全部走っていて、大学のリレーで(優勝を)取れるものは全部取りきったので、その満足感が高い。今日の走りは、大竹が言ったように、前半(動きを)緩めたというところはあったが、走り自体はけっこう良くて、外側の東海(大)を後半追い込むことができ、3走にトップないしはいい形で(バトンを)渡せて、(アンカーの)井上まで行くことができた。
(1・2走のバトンパスは)予選よりも半足(長)延ばしていたのだが、大竹が早めに「遠い」と言ってくれたので、スピードを落とすというよりは流す感じ(の動きをする程度)で行けた。それでうまく繋ぐことができたのでよかったと思う。
・3走:関口 裕太
この大会には、38秒台で優勝を取れたら…という思いで臨んでいた。39秒11というタイムとなったが、まずは勝つことができて嬉しい気持ち。そして、何よりも4年生の先輩方を3冠、六大学(対校)を入れると4冠させて、優勝を差し上げることができたことを、まず一番に嬉しく思う。
自分自身の走りは、予選と同じ感覚で行き、後半でしっかり追い込むことができた。また、井上さんとのバトンも、予選より利得距離を稼げて渡せたので、走りとバトンパスに関しては、満点に近いレースができたと思う。
・4走:井上 直紀
連戦のなかで、僕自身はあまりいい走りとは言えないが、僕がどう走ろうと、(前走者の)3人がしっかり(バトンを)回してくれると思っていた。(競り合うなかでのバトンパスだったが)横並びでもらったら自信があったので、「3人が回してくれて、“勝ちのバトン”をくれたな」という気持ちで走った。(3・4走の)バトンパスは、予選で少し詰まってしまったので、歩数を互いのスピード感を調整した。決勝はしっかりとしたパスができたと思う。
今季、僕は、4走で、4冠(六大学対校、関東インカレ、日本インカレ、日本選手権)のバトンを受けた。走ってくる3人はもちろん、このバトンにはコーチ陣、先輩、後輩、仲間、OBの方々のいろいろな思いが乗っている。最高のバトンをもらって達成できたので、よかった。「リレーは早稲田」というのがあるので、臙脂(のユニフォーム)を着るからには1番じゃないと許されないと思っているし、みんなもそういう気持ち。来年は追われる立場になるが、横綱相撲をできるようにしていきたい。
文:児玉育美(日本陸連メディアチーム)
【みんなでつなごうリレーフェスティバル2024 概要】
【JAAF】
■開催地 :国立競技場
■同時開催:第108回日本陸上競技選手権大会・リレー競技
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