【関東大学サッカーリーグ戦】粘りのディフェンスでつかんだ3試合ぶりの勝利 リーグは終盤戦へ

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 9月28日(土)に行われた関東大学サッカーリーグ戦1部第15節の東洋大学戦では、相手の流れを止めることが出来ず、前節に続き2連敗を喫し順位を9位まで落としていた日本大学サッカー部。
 翌週、10月5日(土)に行われた第16節の国士舘大学戦では、前半終了間際にMF阿部水帆(文理学部1年/浦和Y)の豪快なミドルシュートが決勝ゴールとなり、1−0で3試合ぶりの勝利を掴んだ。
 勝ち点21とし、順位を2つ上げ7位に浮上した。
(10月6日時点)

第15節 前期の借りを返せずシーズンダブル献上、中断明け2連敗を喫する

地域交流の一環として、今季3回目の上平尾ひなた地区住宅街の子どもたちをエスコートキッズとしてご招待 【日本大学サッカー部】

 ホームの日本大学アスレティックパーク稲城 サッカー場で行われた8位日本大学と5位東洋大学の一戦。前節、日本大学は東海大学に2−5の黒星となり、今季最多の5失点を喫する結果となった。対する東洋大学は前節中央大学に1−2でモノにし、第11節以来負けなしと好調に転じている。前期は東洋大学が1−4で勝利したが、日本大学は前期の借りを返したいところ。

 日本大学は前節からスターティングメンバーとしてDF石川晴大(経済学部2年/清水Y)、山内恭輔(法学部2年/前橋育英)、FW五木田季晋(スポーツ科学部2年/川崎U-18)を3人変更。DF山内は怪我により離脱していたため、第5節以来の出場となった。山内は「俺が出た試合は全て勝つ。」と強く意気込んでいた。高校時代の先輩であるMF熊倉弘貴(法学部4年/前橋育英/横浜FC内定)とFW熊倉弘達(法学部4年/前橋育英/ヴァンフォーレ甲府内定)との残された時間もわずか。彼らの思いも背負い活躍が期待される。

 東洋大学ボールでキックオフすると、最初にチャンスを作ったのは東洋大学。前半1分、DF稲村隼翔選手がボールを受け、グラウンドパスでDF中村琉聖選手に繋ぎ、前線にロングボールを送る。ペナルティエリア内でMF鍋島暖歩選手がヘディングシュートを放つも、GK木村凌也(スポーツ科学部3年/横浜FM・Y)が冷静に対応。流れを掴んだ東洋大学は前半2分、日本大学のパスをDF荒井涼選手がインターセプトすると、DF荒井選手が単独で右サイドからセンターサークルまで持ち込み左サイドへ展開。グラウンドパスで来季東京ヴェルディ加入予定のMF新井悠太選手に供給し、縦パスで前線に上がっていたDF中村選手に繋ぎ、ゴール前にクロスボールを入れると、FW髙橋輝選手がヘディングシュート。ここもなんとかGK木村のセーブでピンチをしのいだ。

 しかし、その流れで前半20分に東洋大学にFKのチャンスを与えてしまう。キッカーのMF湯之前匡央選手がファーサイドにクロスボールを入れると、ゴール前の混戦を抜け出したDF稲村選手が放ったヘディングシュートはゴール左下に決まり先制を許してしまう(0−1)。
 まずは前半のうちに同点に追いつくべく、日本大学ベンチからは「切り替えろ。切り替えろ。」と言葉が飛び交う。

 リードを許した日本大学は前半23分、スローインからMF植木が足元で収めてグラウンドパスでGK木村に供給し、縦パスでFW熊倉(達)に繋ぐ。さらに、横パスでMF大久保にボールを供給し、突破口を探りながら一度FW熊倉(達)に預ける。再びMF大久保はハーフウェーラインからドリブルで突破するも、FW熊倉(達)が倒され、FKを獲得。DF山内がペナルティエリア外側にクロスボールを入れるも、FW田中慶汰(経済学部3年/川崎U-18)には繋がらず。
 チャンスをモノに出来ないまま、1点ビハインドで前半が終了(0−1)。

第9節以来の今季2ゴール目を挙げたFW田中慶汰(経済学部3年/川崎U-18) 【日本大学サッカー部】

ハーフタイムにはエスコートキッズとして参加してくれた子どもたちを対象にシュートチャレンジが実施された。 【日本大学サッカー部】

 後半も双方がボールを動かすが、日本大学は精度を欠いて得点には結べない状態が続く。

 すると、後半14分、東洋大学・MF中山選手が縦パスでFW髙橋選手に繋ぎ、横パスでDF荒井選手に供給すると、豪快なミドルシュートが放たれ、ゴールネットを揺らし追加点を奪われてしまう(0−2)。
 2点ビハインドとなり、なんとか追いつきたい日本大学は後半17分、反撃に出る。ハーフウェーラインからMF熊倉(貴)が縦パスでFW熊倉(達)に繋ぐと、グラウンドパスでペナルティエリア内にいたFW田中がシュートを放ち、ゴール右下に冷静に決めた(1−2)。
 
 その後も日本大学が攻撃を仕掛ける時間が続く中、決定的なチャンスを作り出せない。後半18分にMF平野颯汰を投入、サイドからの攻撃に望みを託す。ピッチではMF熊倉(貴)が「行くしかない。やるしかない。」とチームを奮い立たせる場面が見られた。しかし、東洋大学に後半44分、パスミスからチャンスを作られ、FW髙橋選手がグラウンドパスでMF増田鈴太郎に繋ぐと、ワンタッチでシュートを放ち、ゴール左下に決められ、大事な場面で失点してしまう(1−3)。試合はそのまま終了。

 2024年度 第48回 総理大臣杯 全日本大学サッカートーナメントではベスト8の結果を残した一方で、リーグ戦では前期から換算すると3連敗。トーナメントとリーグ戦の難しさもあるかもしれないが、誰一人この結果に満足する者はいないだろう。あまりの悔しさにMF熊倉(貴)が「このままだと終わってしまうぞ。」と涙ながらに訴えていた。

 久々の復帰となったDF山内恭輔(法学部2年/前橋育英)は「復帰戦ということもあり、まずは自分自身と向き合いながら、自分のプレーを再確認して試合に臨みました。信頼してスタメン起用してくれたスタッフに結果を示すためにも、何としても勝ち点3を掴みたかった一戦。」と話し、「ボールを支配する時間が多く、自分たちのペースで試合を進めていましたが、セットプレーやミスからの失点で簡単に崩れてしまい、全体のバランスが乱れてしまいました。2試合連続でセットプレーからの失点が続いているので、ここはしっかりと修正していきたいと思います。」と試合を振り返った。

 今季失点が目立つチームとって、キーパーソンとなるであろう山内は「勝ち点3を掴むのは決して容易ではない、細部を見直し、わずかでも勝率を上げる道を探していきます。今は個人の力よりも、チーム全体を優先したいと思っています。チームが成長すれば、自然と自分も成長できると信じています。そして、次の試合では必ずチーム一丸となって勝ち点3を取りに行きます。」と前を向いた。

DF山内恭輔(法学部2年/前橋育英) 【日本大学サッカー部】

第16節 粘りの守備で掴んだ3試合ぶりの勝利

気温は20度と肌寒く、ときおり雨強く降る中で行われた 【日本大学サッカー部】

 第16節、国士舘大学楓の杜キャンパスサッカー場で行われた11位国士舘大学と9位日本大学の一戦。
 日本大学は中断明け2試合はカウンターからの失点が目立ち、リスク管理や自陣ゴール前での対応をどれだけ修正できるかがカギとなる。一方、降格圏内を脱出したい国士舘大学、お互いに負けられない一戦となった。

 リーグ再開後の2戦はミスからの失点を重ね自滅したことから,改めてピッチ内外において細部に目を向けること、そして最高学年である4年生が同じ方向性をもってチーム作りに取り組むことを目的に、最終戦を控える社会人チームと一緒に練習し1週間の準備を試みた。
 日本大学は前節からスターティングメンバーとしてDF酒井優希(経済学部4年/東京V・Y)、MF猪野毛日南太(文理学部4年/町田Y)、FW長谷川皓哉(経済学部3年/明秀日立)の上級生3人を起用。

 試合は国士舘大学ボールでキックオフすると、主導権を握ったのは日本大学。前半20分、センターサークル付近からMF熊倉弘貴(法学部4年/前橋育英/横浜FC内定)が右サイドへ展開。MF阿部がボールを受けると、横パスでMF熊倉(貴)に繋ぎ、縦パスでMF植木颯(経済学部3年/日大藤沢)がシュートを放つも、相手の対応に遭う。こぼれ球に素早く反応したMF植木が再びシュートを放つも、やや浮き玉となり、ゴール上に流れ込んでしまう。

 今度は国士舘大学が前半26分、日本大学のパスをDF加藤史也選手がインターセプト。サイドへ抜け出したFW本間凛選手がボールを受けると、一度ラインを下げて、MF小西慶太郎選手にパスを供給し、右サイドへ展開。DF近藤優成選手が軌道の低いクロスボールを入れるが、惜しくもチャンスを作ることができず。続いて前半28分、日本大学のファウルによりFKを獲得もチャンスには至らない。
 お互い、激しいセカンドボール争いを繰り広げる中で、次第に日本大学の出足の良さが目立つようになる。日本大学は前半35分、相手のファウルを受け、FKを獲得。キッカーのFW熊倉弘達(法学部4年/前橋育英/ヴァンフォーレ甲府内定)がゴール前にクロスボールを入れるも、国士舘大学・GK髙橋拓輝選手が好セーブ、惜しくもチャンスを逃してしてしまう。

 そろそろ得点が欲しい、前半45分。日本大学はMF熊倉(貴)が横パスでFW田中慶汰(経済学部3年/川崎U-18)に繋ぎ、縦パスでMF阿部に供給すると、得意のカットインから左足の豪快なミドルシュート。 
 クロスバーを叩きゴールネットを揺らした(0−1)。MF阿部は2024年度 第48回 総理大臣杯 全日本大学サッカートーナメント2回戦でデビューを飾り、中断明け3試合連続でスタメンに抜擢され、待望の初ゴールとなった。仲間と嬉しさを分かち合い、大きくガッツポーズをする様子も見られた。
 ここで前半終了(0−1)。
 後半開始早々に国士舘大学が攻勢に出る。スローインからFW本間選手が足元で収めてDF近藤選手にパスを供給し、縦パスでMF菅澤選手に繋ぐ。さらに、一度ラインを下げてMF小西選手に預け、縦パスで再びMF菅澤選手にボールを供給し、ペナルティエリア手前にいたMF河原良介選手がそのままシュートを狙うかと思いきや、FW東川続選手に供給し、シュートを試みる。DF齋藤がこのピンチの場面で見事な対応を見せる。

 後半8分、今度は日本大学が相手のスローインからFW熊倉(達)がインターセプト、単独でセンターサークルまで持ち込み左サイドへ展開。グラウンドパスでFW長谷川に供給し、スルーパスで前線に上がっていたMF猪野毛に繋ぎ、ゴール前にボールを入れると、FW田中がボールを受け、こぼれ球に素早く反応したFW長谷川がシュートを放つ、しかし枠を捉えることができず、追加点とはならない。

 追いつきたい国士舘大学は後半38分、CKを獲得。右CKからMF吉岡優希選手がゴール前にクロスボールを入れると、MF後藤響選手が高い位置からヘディングシュートを放つが、ここはGK木村がセーブ。  
 続けて、後半44分、スローインをDF齋藤がヘディングでクリアするも、こぼれ球に素早く反応した国士舘大学・MF吉岡選手がヘディングでボールを受け、右サイドへ展開。さらにDF林禮蒼選手にゴール前にクロスボールを入れられるが、ここもGK木村が安定のセーブを見せる。

 ゴール前で体を張った守備を見せた日本大学が守り抜き、ここで試合終了(0−1)。
 3試合ぶりの勝利を掴み、順位を2つ上げ7位とした。この勝利で再び上位が見えてきた日本大学。残り5戦はほとんどが上位チームとの対戦となる、一つでも白星を積み重ねいい形でインカレ出場資格を獲得したい。

 今試合は、相手の猛攻を最後まで集中力を切らさずに対応できた。DF陣だけではなく、前線の選手がハードワークしたからこそ勝ち切ることができただろう。どんな相手でも全体の守備の意識を高め、鋭い攻撃を仕掛けていきたい。また、攻撃面の改善・強化には日々の練習で取り組んでおり、今後のFW陣の活躍にも期待が高まる。

仲間の応援に応え、無失点で勝利を飾った 【日本大学サッカー部】

選手のコメント

(左)MF阿部水帆(文理学部1年/浦和Y) 【日本大学サッカー部】

MF阿部水帆(文理学部1年/浦和Y)
― 前節を終えて順位を9位まで落とし、チームとしては結果を出せないもどかしい時間が続いていました。
4連敗と降格圏に沈むことだけは避けなければなりませんでしたが、どのような想いで試合を迎えたか
チームとしてこの状況をなんとか変えなければならないという強い想いがありましたし、4連敗だけは絶対に避けなければならないと全員が意識していました。自分たちの力を信じて、今節では集中力を切らさず、全力で勝ち点を取りに行く覚悟で臨みました。

― 個人としては豪快なミドルシュートで初ゴール、チームとしては体を張った守備で守り抜きましたが、結果を振り返ってみて?
まずは自信のある形で、初ゴールを決められたことは嬉しいですが、それ以上にチームの勝利に貢献できたことが非常に嬉しいです。得点後はチーム全体が体を張って戦い抜いたことがこの結果に繋がったと思います。全員が最後まで戦った結果、勝利を掴むことができたので、非常によかったです。

― 次節に向けて
次節は現在首位の筑波大学となりますが、今節の勝利を自信に次節も良い準備をして臨みたいと思います。一戦一戦が重要となるので、次も勝利に貢献しチームとして良い結果が出せるよう努めたいです。



文責:髙森望(生物資源科学部3年/横浜隼人)
画像:日本大学サッカー部 広報班
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著者プロフィール

日本大学は「日本大学競技スポーツ宣言」を競技部活動の根幹に据え,競技部に関わる者が行動規範を遵守し,活動を通じた人間形成の場を提供してきました。 今後も引き続き,日本オリンピック委員会を始めとする各中央競技団体と連携を図り,学生アスリートとともに本学の競技スポーツの発展に向けて積極的なコミュニケーションおよび情報共有,指導体制の見直しおよび向上を目的とした研修会の実施,学生の生活・健康・就学面のサポート強化,地域やスポーツ界等の社会への貢献を行っていきます

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