早大ラグビー部 【連載】対抗戦開幕対談 第1回 城央祐×田中健想×植木太一

チーム・協会

【早稲田スポーツ新聞会】

 早大ラグビー部が目指すのは、大学日本一の称号『荒ぶる』。5年ぶりとなる全国大学選手権優勝に向けて、いよいよ勝負の秋が始まった。スローガン『Beat Up』のもと、勇ましく戦う赤黒の戦士たちが挑む関東大学対抗戦(対抗戦)。開幕にあたり、大会での活躍が期待される選手たちに、秋シーズンへの意気込みを伺った。全4回にわたり、計13名の選手たちがそれぞれの立場から、日本一への熱い想いを語った。

【早稲田スポーツ新聞会】取材・編集 西川龍佑、安藤香穂、大林祐太

 今年度の初回を飾るのは城央祐(スポ1=神奈川・桐蔭学園)、田中健想(社1=神奈川・桐蔭学園)、植木太一(人1=神奈川・関東学院六浦)の3人だ。ルーキーながら春シーズンには早くもAチームデビューを果たしている逸材たち。早大入学から春夏の振り返り、そして初めての対抗戦に挑む今の思いに迫った。

※この取材は9月7日に行われたものです。

お互いについて

初めての対談に臨む田中(写真奥)、城(写真中央)、植木(写真手前) 【早稲田スポーツ新聞会】

ーーまず初めに他己紹介をお願いします

田中 城央祐です。僕は高校時代から一緒にやっていて、キャプテンだったのでリーダーシップがあって硬い印象を持たれがちですが、同期としては距離が近くて関わりやすいところがあります。あとは、実はゲームが好きで、ゲームをしている時はすごい集中力を見せる意外な一面もあります。

 植木太一です。2浪していて、歳も2個上なんですが、そんなのは関係なく接してくれるし、見た目や出身地の印象通りやんちゃな性格です。

植木 田中健想です。僕はよく「けんちん」とか呼んでいます。印象はすごいルーズなやつで、部室で足の裏が汚れているのにもかかわらずそのまま靴下を履いていてめちゃめちゃ驚きました(笑)。

田中 おい、汚いやん(笑)。

ーー今年の同期(1年生)の印象はいかがですか

 いい意味で真面目な人が多いかなと思います。トレーニングやラグビーの面で真面目に取り組んでいる人が多いです。

ーー仲はいいですか

一同 仲はいいですねえ

ーー何か共通のエピソードはありますか

田中 合宿の最終日にセミナーハウスの1年生部屋に大人数で集まってフルーツバスケットをやって、すごく盛り上がって楽しかったです。

春シーズンを振り返って

春シーズンを振り返る城 【早稲田スポーツ新聞会】

ーー早大を目指したきっかけや、入学前のラグビー部への印象を教えてください

 僕は今の主将の佐藤健次(スポ4=神奈川・桐蔭学園)君と同じ高校の出身で、健次君に憧れて高校も選びましたし、大学でも一緒にプレーしたいなというので早稲田大学を選びました。

田中 自分は4歳の頃からワセダクラブに入って上井草でラグビーをしていて、もう一回この場所でラグビーをしたいと思っていましたし、ワセダクラブの同期が多く集まっていたので、改めて早稲田にいきたいと思ったのがきっかけです。

植木 印象は強くて伝統のあるチームです。僕も中学の時に通っていたラグビースクールが健次君と一緒で、彼が早稲田でプレーしていたので行ってみたいなと思いました。

ーー今年の新人練習を振り返っていかがでしたか

田中 噂では聞いていたんですけど、「これ意味あるのかな?」と思うくらいきつかったです。しっかり2週間やりきって後から振り返ると、同期とあのような経験ができたことで仲が深まったとは思います。必要な経験ができたと思います。

植木 僕は新人練習には途中からの参加だったんですが、「アヒル歩き」というのがとにかくきつかったです。200mくらいやるんですけど、何回もやり直しさせられました。

 僕は高校代表の活動があって3日しか参加できなかったのですが、それでもしんどかったので、これを2週間もやっている同期はすごいなと思いました。

ーー入学時のラグビー部の印象はいかがでしたか

田中 まずこの上井草には天然芝も人工芝もあってすごくいい環境だなという印象です。それに加えて先輩方も気さくに話しかけてくれて、ラグビーがすごくやりやすい環境だなと感じています。

 本当に設備が整ってるよね。すぐそこに治療部屋もあるし。

植木 ヨーグルトもあるしね。

一同 (笑)。

 設備も整っているし、先輩たちも優しいし、生意気言っても寛容な心で可愛がってくれます。

植木 2人とも言っていたのですが先輩たちはすごく優しいです。練習環境はGPSを活用したり、高校とはレベルが違うなと感じました。

ーー春シーズン全体を振り返っていかがですか

 フィジカルもスピードもフィットネスもこんなにも違うのかと、高校との差がありすぎて驚きました。

田中 チームはいい方向に進んでるなと感じています。個人としては高校に比べて自由にできているところがすごくやりやすくて、楽しくできています。

植木 僕は下のカテゴリーでやっている時は自分の力を出せていいパフォーマンスができるんですが、上のカテゴリーで出た時に自分を表現できていないところがあったので、そこは秋に出せるようにがんばります。

ーー『赤黒』デビュー戦を振り返っていかがですか

 僕は春の慶大戦が初出場で、もちろん嬉しかったのですが、早すぎてあまり実感は湧きませんでした。もっと努力を重ねてやっと届くイメージだったので。ちょっと早いかなって思いました(笑)。

植木 贅沢やなあ。

一同 (笑)。

田中 僕は春季大会の早明戦がデビューでした。リザーブで途中からの出場だったのですが緊張とかもしてなくて、まずこの大きな試合に自分が出場できるということが嬉しかったですし、出させてもらうからには全力でプレーするというのが目標でした。WTBとしてスコアも挙げられて自分にとっていいデビュー戦だったなと思います。

植木 自分も想定していたよりは早くて、実感は湧かなかったですし緊張もあまりしませんでした。でも良いパフォーマンスは出せませんでした。


ーー新人早明は印象的な試合の一つだと思いますが振り返っていかがですか

 相手にはたくさん高校代表もいる中で、早稲田は全員が一丸となって倒すことができたというのは、まぐれではなく勝つべくして勝ったゲームだったなと思います。

植木 個人的には良いパフォーマンスが出せて、自分のスピードを生かしてトライも取れたのでよかったです。チームとしては内側のFWのディフェンスがすごくて、それに感化されて外側もやる気が出たかなと思います。

田中 相手は高校日本代表とか推薦で入ってきた選手ばかりで、早稲田は浪人生含めていろんなバックグラウンドがあって、そうゆう選手たちが数ヶ月であそこまで良い試合をしたというのは、翌日の自分の試合(春季大会・早明戦)に向けてもすごく励みになりました。

夏合宿を振り返る植木 【早稲田スポーツ新聞会】

ーー初めての夏合宿の感想をお聞かせください

 意外とあっという間だった。

植木 めちゃめちゃ楽しかったです。

 きつかったけどね、楽しかったです。

ーー夏合宿での帝京大戦を振り返っていかがですか

 あるあるなのかはわからないですが、前日のC・D戦が良い試合をして、それに感化されたA・Bチームは強いのかなと感じました。下のチームが頑張っている姿を見ると、上のチームはやはりチームの代表として頑張らなくてはいけないという気持ちが大きくなって勝てたのかなと思います。

田中 実力的にも明らかに差が縮まっていたし、今どちらが優勢とかっていうのはまだわからないですが、同じフィールドで戦えているなというのは実際に出場して感じました。

植木 僕はBチーム中心に出たんですが、帝京大は個々がすごく強くて、それに対して早稲田はチーム力が強くて、みんなでコミュニケーションをとってできていたので、その部分で優っていたのかなと思います。

ーー天理大との試合は振り返っていかがですか

田中 自分はプレーが良くなくて前半で変えられてしまったんですけど、関東のチームとは違った雰囲気というか、もちろん外国人選手を含めてそういう戦い方をしてくるチームで、個人としてもチームとしてもそこで対応できなかったところがあったのかなと思います。

植木 僕もほとんど同じですね、外国人選手に対して、どう戦っていくかっていうのが難しかった試合でした。

ーー具体的には関東のチームとの違いはどのあたりですか

植木 うるさいっすね。

一同 (笑)。

 それはすごく感じましたね。だからなおさら負けたとき悔しかったです。

田中 雰囲気がね、関西ノリって感じだよね。

ーー合宿を乗り越えて、入学から個人的に成長したと感じるところはどこですか

 僕は隆道さんにタックルをすごい教えてもらって、やっと体に染み付いてきて、強いタックルに入れるようになったかなと思います。

田中 試合のいい時と悪い時をそれぞれ経験できて、そこから自分がどんなコンディションで試合に臨めばいいのかっていうところがわかってきました。自分の中では大学のラグビーに適応できてきているのかなと思います。

植木 僕はディフェンスの部分が上手くなったなという印象です。内側と連携しながらディフェンスするという、最初の方はシステムも分からなくて全然できなかったのですが、だんだん慣れてきてできるようになったという印象です。

秋に向けて

初めての対抗戦への意気込みを語る田中 【早稲田スポーツ新聞会】

ーー秋に向けてチームの出来栄えはいかがですか

植木 いいんじゃない。

 まあ勝てるでしょ(笑)。

一同 (笑)。

ーー秋シーズンに個人として注目してほしいプレーを教えてください

 僕はタックルを頑張ります。

田中 僕は自分の強みであるディフェンスでチームに貢献したいなと思います。

植木 僕はランで。

田中 あとゴールパフォーマンスもぜひ!

植木 するか!恥ずかしい(笑)。

ーー最後に初めての対抗戦への意気込みとファンへのメッセージをお願いします

田中 僕はまず怪我なくシーズン通してできるだけ長い時間試合に出たいというのがありますし、高校の仲間であったり周りの保護者含めてお世話になった人たちに向けて自分の強みをグラウンドで表現できたらいいなと思います。

植木 自分の強みを生かして、いいパフォーマンスをして、4年生と一緒に優勝したいと思います。応援よろしくお願いします。

 チームの中での役割を果たせるように、バックローとしての仕事量だったり、ワークレートというのをしっかり出していきたいなと思います。地味な仕事をしてると思いますが、チームに貢献できるように頑張るので応援よろしくお願いします。

ーーありがとうございました!

【早稲田スポーツ新聞会】

◆城央祐(しろ・おうすけ)(写真中央)

2005(平17)年12月5日生まれ。185センチ。98キロ。神奈川・桐蔭学園出身。スポーツ科学部1年。高校日本代表で主将を務めた逸材。新入生の中では最速のAチームデビューを果たすなど、大きな期待を背負いながも活躍を続ける大型新人として注目が集まります。最近は服を見に出かけることがマイブームだそうです!

◆田中健想(たなか・けんぞう)(写真左)

2005(平17)年8月7日生まれ。172センチ。75キロ。神奈川・桐蔭学園出身。社会科学部1年。硬いディフェンスと高い決定力を持ったWTB。デビュー戦では明大を相手に初トライを奪う活躍で大きなインパクトを残しました。アメリカに行ったことがきっかけでサーフィンをやるようになったそう。プロサーファーの五十嵐カノア選手はアスリートとして尊敬する存在だそうです!

◆植木太一(うえき・たいち)

2003(平15)年10月20日生まれ。173センチ。77キロ。神奈川・関東学院六浦出身。人間科学部1年。屈強なフィジカルとスピードでゴールラインに迫る迫力あるプレーが魅力。2年間の浪人を経験した苦労人の座右の銘は「日進月歩」。インタビューからもストイックな性格を垣間見ることができました!
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著者プロフィール

「エンジの誇りよ、加速しろ。」 1897年の「早稲田大学体育部」発足から2022年で125年。スポーツを好み、運動を奨励した創設者・大隈重信が唱えた「人生125歳説」にちなみ、早稲田大学は次の125年を「早稲田スポーツ新世紀」として位置づけ、BEYOND125プロジェクトをスタートさせました。 ステークホルダーの喜び(バリュー)を最大化するため、学内外の一体感を醸成し、「早稲田スポーツ」の基盤を強化して、大学スポーツの新たなモデルを作っていきます。

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