早大ラグビー部 大量得点で日体大を圧倒 83ー0で対抗戦2連勝

チーム・協会
関東大学対抗戦 9月22日 対日体大戦 秩父宮ラグビー場
【早稲田スポーツ新聞会】記事 村上結太、写真 西川龍佑、安藤香穂

 関東大学対抗戦第2節、日体大との一戦は秩父宮ラグビー場で行われた。立ち上がりから猛攻を見せた早大は5分に先制のトライ。シンプルなアタックで次々とゲインラインを突破する早大はミスも少なく、着実に得点を重ねていく。前半だけで7トライを挙げ、45ー0と大量リードで折り返す。続く後半も早大は集中を持続し、追加点を量産。83ー0と圧倒的な強さを見せ、対抗戦2連勝を飾った。

先制点を挙げたFL田中勇 【早稲田スポーツ新聞会】

 キックオフから間もない3分、FB矢崎由高(スポ2=神奈川・桐蔭学園)がハイパントキックを蹴ると、そのまま自分で再獲得。陣地を進めた早大はテンポよくアタックを継続していく。WTB池本晴人(社2=東京・早実)、NO・8鈴木風詩(社4=国学院栃木)のゲインで日体大のペナルティーを誘い、ゴール前でラインアウトモールを形成。コラプシングのアドバンテージを得た状態でアタックを継続、HO安恒直人(スポ4=福岡)からカットアウトしながらボールを受け取ったCTB福島秀法(スポ3=福岡・修猷館)がラインブレイク。福島からオフロードパスを受け取ったFL田中勇成(教3=東京・早実)が先制のトライを挙げた。続く12分、SO服部亮太(スポ1=佐賀工)が蹴った裏へのキックに反応した池本がゴール前でターンオーバーに成功。SH細矢聖樹(スポ4=国学院栃木)の鋭いパスを受け取ったPR杉本安伊朗(スポ2=東京・国学院久我山)がインゴールを叩き割った。15分にはWTB田中健想(社1=神奈川・桐蔭学園)、19分には服部がインゴールを駆け抜けると、早くもスコアは28ー0。21分に早大はノットリリースの反則から陣地を奪われるものの、服部のロングキックで一気に敵陣へ入り込む。杉本がブレイクすると、素早く走りこんできたのはLO米倉翔(スポ2=福岡・修猷館)だった。ディフェンスを弾き飛ばしながらトライラインに手を伸ばし追加点。27分にはまたも田中健がライン際を駆け抜け、38ー0とさらにリードを広げる。印象的だったのは36分、細矢のキックチャージから敵陣ゴール前でのスクラムを獲得した早大は一気にプッシュする。5メートルを押し切り、スクラムでのトライを挙げた。セットプレーでも盤石の強さを見せた早大は45ー0で前半を終えた。

攻守ともにチームに貢献したHO安恒 【早稲田スポーツ新聞会】

後半も上々の立ち上がりを見せた早大。日体大のキックオフからエリアの取り合いとなったが、服部の長距離砲をきっかけに早大は攻撃に転じる。福島が内に切れ込みながらブレイクすると、一気に大外までボールを回した。ライン際で待っていた池本がインゴールまで走り切り、後半の先制点を挙げた。8分、これまで日体大にチャンスを与えていなかった早大だったが、ペナルティーをきっかけにピンチを迎える。22メートルライン内側まで侵入を許した早大だったが、低く鋭いタックルで日体大のゲインを許さない。ハイプレッシャーのディフェンスで日体大のノックオンを誘発し、自陣22メートルライン付近でスクラムを得る。すると、早大はそのスクラムで10メートル近く前進し、ディフェンスラインを後退させる。出足が遅れた日体大の隙を逃さなかった矢崎が大外の池本へロングパスを繋ぐと、ディフェンスを引きずりながらゲイン。オフロードパスを受け取った田中健がハットトリックに成功した。スコアは57ー0。15分にはLO若松泰佑(文構4=東京・早実)、26分にはNO・8永井新之助(スポ4=東京・早実)のロングゲインをきっかけに矢崎がトライを挙げた。途中出場の選手たちが次々と鮮烈なプレーを見せ、早大の勢いは衰えない。32分にはまたも田中健が追加点を挙げる。36分、日体大ディフェンスのギャップを突いたCTB野中健吾(スポ3=東海大大阪仰星)がブレイクすると、最後は田中健。今試合5トライの大車輪の活躍を見せ、83ー0。日体大を無得点に抑え、ノーサイドの笛が鳴った。

今日5トライの活躍を見せたWTB田中健 【早稲田スポーツ新聞会】

 多彩ながらも、ミスの少ないアタックで大量得点に成功した早大。「シンプルにできた」と大田尾竜彦監督(平 16 人卒=佐賀工)も語るようにテンポの早さとフィジカルで優位に立ち、13トライを挙げた。「コミュニケーションを取りながらどこのスペースが空いているか共有し続けた」と福島は今日のアタックを振り返る。また、今試合で赤黒デビューを飾ったFL牧錬太郎(スポ1=神奈川・桐蔭学園)はチームのディフェンスに対して「0点に抑えられたことが良かった」とまとめた。圧力のあるディフェンスにより、少ないフェーズでボールを奪い返し、強力なアタッキングラグビーで日体大を圧倒。まさに早大らしいラグビーを見せた。今試合でさらに調子を上げ、次戦の青学大戦でも猛攻を見せてくれることだろう。強豪校が並ぶ対抗戦後半戦に向け、早大の勢いはさらに加速していく。

コメント

※一部記者会見抜粋

大田尾竜彦監督(平 16 人卒=佐賀工)

ーー今日の試合の振り返りをお願いします

 今日の試合は二日前にメンバー変更があり、主将の佐藤(健次、スポ4=神奈川・桐蔭学園)もいない状態だったのですが、細矢を中心に良くまとまってくれたと思います。試合でやることも非常にシンプルにできたかなと思います。しかし、まだまだ雑なプレーもあったのでそこは改善点です。

ーーBKのメンバーのフィット感はいかがですか

 服部が10番として80分間出場し続けるという経験が今試合でできたのは良かったと思います。プレーに関しては彼本人も足りなかったところなど感じているとは思いますが、ロングキックはこれまでなかったものなのでうまく使っていきたいと思います。野中も良く、この布陣で練習したのが1週間程度だったのですが、とてもよくできていたかなと思います。

ーー試合通じてキッキングゲームを有利に進めることができたと思うのですが、感触としてはいかがですか

 蹴った後のプレーを意識した練習を行っていて、そこがうまくいったかなと思います。外側のブレイクダウンでターンオーバーできたシーンもあったので、まずまずかなと思います。また、矢崎が積極的にカウンターアタックを仕掛けていくので、チームとしては戻りの部分を意識していきたいです。

細矢聖樹(スポ4=国学院栃木)ゲームキャプテン

ーー今日の試合の振り返りをお願いします

 ディフェンスでやってきたところや、コンタクトの部分では良かったかなと思いますが、球際のところで細かいミスが多かったのでそこが修正すべき点かなと思います。

ーー前節と比べて立ち上がりで改善を感じましたが、何か意識していたことはありましたか

 前回に比べてコミュニケーションの部分を意識していました。今日はBKもFWも最初からよくコミュニケーションできていて、そこが前回との違いかなと思います。

ーー1年生の堂々としたプレーが印象的ですが、4年生から1年生へのアプローチで工夫している点などありますか

 1年生は思い切りが良くてのびのびプレーしているなと思います。僕たちは下の学年からの意見も大事にして汲み取ることを意識しています。

ーー今日の試合のコンセプトは何でしたか

 自分がまとめるというよりかは、チーム全体でやるべきことをやろうという意識がありました。

PR杉本安伊朗(スポ2=東京・国学院久我山)

ーー個人のコンセプトを教えてください

 P Rとしてセットプレーで勝って、チームを勢いづけることでした。

ーー今日のスクラムの手応えや課題点を教えてください

 今日のスクラムのテーマが「横と縦のコネクト」だったので、その点については試合を通してできていたと思います。今後の試合でもコネクトを意識してスクラムで勝っていこうと思います。

ーー自身のフィールドプレーの出来栄えはどうでしたか

 練習でやってきたサポートやボールキャリーを体現することができていたので、これらを強い相手でも通用するようにやっていきたいです。 

ーー今後の意気込みをお願いします

 この年で『荒ぶる』を獲れるように、スクラムと接点の攻防で勝てるようにやっていきたいと思います。

FL牧錬太郎(スポ1=神奈川・桐蔭学園)

ーー今日の試合の個人のコンセプトを教えてください

 コンタクトプレーのところにこだわり、自分ができること、シンプルなことを心がけてプレーしていました。

ーーチーム全体のディフェンスを振り返っていかがですか

 0点に抑えられたことが良かったのかなと思います。また、タックルをした後にターンオーバーを狙うというところはチーム全体として意図がそろっていたかなと思います。

ーー赤黒デビューとなった今試合はどのような思いでしたか

 小学生のころから憧れていたジャージなので、今日そのジャージを着て試合に出場できたことは本当に嬉しく思います。

ーー今日の試合の自身のパフォーマンスを振り返っていかがですか

 良くはなかったかなと思います。しかし、自分のやれることはある程度できたかなとも感じています。

ーー今後の意気込みをお願いします

 『荒ぶる』に貢献できるように、自分の長所であるコンタクトの部分でもっとチームに貢献していきたいです。

CTB野中健吾(スポ3=東海大大阪仰星)

ーー個人のコンセプトを教えてください

 ハードワークの所です。アタック、ディフェンス共にハードワークするということが自分のコンセプトでした。

ーー久しぶりのCTBの手応えはいかがでしたか

 10番と違って時間がある中で、よりスペースを見てアタックするところを意識していました。今回その意識が得点にも繋がっていたので良かったと思います。

ーーこれまでのSOとしての経験が生きていると思う点はありますか

 スペースを見るという点がSOの経験として12番でも生かせたかなと思います。

ーーアタックのコンセプトがあったら教えてください 

 スペースにボールを運ぶ点です。そこでもSOの経験が生きて、うまく12番でも継続できたかなと思います。

ーー今後の意気込みを教えてください

 相手がどうこうではなくて、自分たちのラグビーを突き詰め、細かいところまで精度を高めて戦っていきたいと思います。

CTB福島秀法(スポ3=福岡・修猷館)

ーー今日の試合の個人としてのコンセプトを教えてください

 アタックでもディフェンスでも前に出てプレッシャーを与えるということを意識していました。

ーー今日の試合はアグレッシブに前に出るアタックが多かったですが、何かチームとして意識していたことはありますか

 コミュニケーションを取りながらどこのスペースが空いているか共有し続けてました。今日はよく喋れていたので、そこにボールを運ぶことがうまくできたのかなと思います。

ーー今試合の立ち上がりはいかがでしたか

 練習から入りを集中しようというのをテーマにしていたので、そこが良く表れたかなと思います。

ーー試合全体を振り返って、収穫や課題点をお願いします

 アタックでは前に出ることができたのですが、ディフェンスでは自分だけ前に出ても意味がなく、FWも一緒に前に出させなけばならないので、そこがもう少しできたらよかったなと思います。

ーー今後の意気込みをお願いします

 今回はアタックが良かったのですが、ディフェンスにまだまだ改善すべきところがあるので、チームの方針にコミットして活躍できるように頑張ります。

スコア

【早稲田スポーツ新聞会】

早大メンバー

【早稲田スポーツ新聞会】

関東大学対抗戦Aグループ星取表

【早稲田スポーツ新聞会】

  • 前へ
  • 1
  • 次へ

1/1ページ

著者プロフィール

「エンジの誇りよ、加速しろ。」 1897年の「早稲田大学体育部」発足から2022年で125年。スポーツを好み、運動を奨励した創設者・大隈重信が唱えた「人生125歳説」にちなみ、早稲田大学は次の125年を「早稲田スポーツ新世紀」として位置づけ、BEYOND125プロジェクトをスタートさせました。 ステークホルダーの喜び(バリュー)を最大化するため、学内外の一体感を醸成し、「早稲田スポーツ」の基盤を強化して、大学スポーツの新たなモデルを作っていきます。

新着記事

編集部ピックアップ

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着コラム

コラム一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント