早大ラグビー部 立大の強力ディフェンスを打ち破り、大量得点で初戦を快勝

チーム・協会
関東大学対抗戦 9月14日 対立大 駒沢オリンピック公園陸上競技場
【早稲田スポーツ新聞会】記事 西川龍佑 写真 清水浬央、堀内遥寿

 駒沢オリンピック公園陸上競技場にて、早大の関東大学対抗戦(対抗戦)・開幕節が行われた。初戦の相手は立大。全国大学選手権への初出場を目標に勢いに乗るチームとの対戦となった。重要な初戦に早大は入りから動きに硬さが目立ち、立大の出足の早いディフェンスに苦戦を強いられる。先制のペナルティーを許したが、徐々に修正を見せ26ー6で試合を折り返す。後半に入ると攻撃で勢いに乗り連続得点で突き放しにかかる早大。結局最後までゴールラインを割らせることなく、57ー6と初戦を白星で飾った。

力強いボールキャリーを見せるHO佐藤健次主将(スポ4=神奈川・桐蔭学園) 【早稲田スポーツ新聞会】

 立大のキックオフで幕を開けた今試合。早大は序盤から立大のディフェンスに苦しみ自陣に釘付けの状態に。流れに乗れないまま開始5分には反則を犯すと、立大にペナルティーゴールを沈められ、痛恨の先制点を許してしまった。その後前半10分に1トライを返すも、ボールが落ち着かない時間が続き徐々に自陣に押し込まれ、再びペナルティーゴールで3点を奪われてしまう。リードを許しながらも粘り強く守りゴールラインを割らせなかった早大は28分に反撃に出る。自陣の立大ボールラインアウトをスチールするとFL鈴木風詩(社4=国学院栃木)とSO野中健吾(スポ3=東海大大阪仰星)が一気にゴール前まで迫る。たたみかけるようにSH細矢聖樹(スポ4=国学院栃木)が素早く展開し立大のペナルティーを誘うと、素早くリスタートした細矢がそのままインゴールにボールをねじ込んだ。コンバージョンも決まり12ー6と逆転に成功。これでリズムを掴んだ早大は32分にFB矢崎由高(スポ2=神奈川・桐蔭学園)、36分にはCTB金子礼人(法3=福岡・西南学院)が立て続けにトライを奪い、26ー6とリードを広げて前半を終えた。

4トライと爆発力を見せたFB矢崎 【早稲田スポーツ新聞会】

 後半に入ると再び立大のディフェンスが勢いを取り戻し早大に襲いかかる。自陣でのプレー時間が長くなり流れが立大に傾きかけていた後半15分、早大ボールのラインアウトから展開されたボールを受け取った矢崎がディフェンスの隙間を抜き去り、悪い流れを断ち切る追加点を挙げた。続く20分にも敵陣で裏へ抜け出した金子から最後にボールを受け取ったWTB田中健想(社1=神奈川・桐蔭学園)がトライ。28分には自陣深くに攻め込まれた場面で、マイボールスクラムからCTB黒川和音(人3=茨城・茗渓学園)が裏のスペースへの絶妙なキックを蹴り込み、反応した矢崎がディフェンスに詰め寄られながらも華麗にボールをさばき、この日3本目となる独走トライでリードを広げた。終盤にかけてもさらに2本のダメ押しトライを奪い立大のディフェンスを完全に崩した早大。57ー6と大差をつけての快勝で秋シーズンの開幕を飾った。

何度もゲインラインを切る活躍を見せたCTB金子 【早稲田スポーツ新聞会】

 立大のディフェンスに苦しみながらも、最終スコアでは大差をつけての勝利となったこの試合。最後まで流れを渡さなかった要因に、春から積み上げてきたディフェンスが挙げられるだろう。自陣深くまで押し込まれるシーンはあったものの、一度もゴールラインは割らせなかった早大。ノートライでの快勝は確実に自信をつける結果となった。また、この試合では途中出場したリザーブメンバーの躍動も目立った。中でも観客の目を引いたのが、対抗戦初出場を掴んだSO服部亮太(スポ1=佐賀工)。出場時間こそ短かったものの、持ち味のキックスキルを見せつけ大きなインパクトを残すデビュー戦となった。頭角を表す新戦力。深まる部内競争。『荒ぶる』へ向けてついにメインシーズンを走り出したチーム佐藤の戦いはさらに熱を帯びていく。

コメント

※一部記者会見抜粋

大田尾竜彦監督(平 16 人卒=佐賀工)

ーー今日の試合の感想をお願いします

 今日の試合は全体的に堅かったというところもありますし、全体的にエナジーが足りなかったという印象を持っています。ポジティブなポイントとしては、リザーブで入った選手がかなりモメンタムを作ってくれたことです。試合の内容としては、ターンオーバーも連発していて、そういったボールをどのように使うのかというところを改善していかなければなりませんが、そういった部分を含めて色々直していかなければと思います。

ーー矢崎選手のプレーについてはいかがでしたか

 矢崎についてはですね、特に得点を取るというところですが、しっかり自分の仕事をやってくれたなという印象です。非常に良いプレーだったなと思います。彼には一流の選手になるためにはという話しをして、どんな環境であれ、自分のプレーを自分で決定するということを話しました。つまり外的要因に左右されない選手を目指して欲しいということです。それについて真剣に取り組んでくれたなと思っています。佐藤と矢崎が代表から非常に良いものを持って帰って来てくれたなと思います。

ーー新戦力に関してはいかがですか

 今日の試合に出ていないメンバーも何人かいますけど、そういったところで競争するのが重要だと思っています。服部もキックのところで非凡なものを持っていますけど、やはり成長し続けることが大事だと思います。そこで服部は先程の競争を激化させる一人であると思っています。今日はキックの部分でも良い仕事をしてくれたと思いますし、他の選手が手に入れられない能力を持っていることはこれからも成長できる点であると思います。

ーー今日の金子選手のプレーについてはいかがですか

 金子が良いパフォーマンスをしていたので起用しました。金子も黒川も福島に関してもそうですが、CTB陣が前に出ることを今年はテーマにしているので、攻守にわたって12番13番のところでどれだけ前に出られるかというところはすごく大事だと思います。1月の決勝までどれくらいのゲームができるかわからないので、たくさんの選手を使っていければなと思います。

HO佐藤健次主将(スポ4=神奈川・桐蔭学園)

ーー今日の試合の感想をお願いします

 今日の試合は初戦ということもあって、コミュニケーションの部分を意識して臨みましたが、試合の前半とかでは自分たちのミスが目立つ場面が多かったんです。一方で勝てたということはポジティブに捉えて良いと思うんですけが、もっと自分たちのプレーの精度を上げなければならないといった点で成長できるところがあるので、来週の日体大戦に向けてやっていきたいと思います。

ーー矢崎選手のプレーについてはどうですか

 矢崎が一人いるといないとではBKの展開力も違いますし、今日はしっかりとチャンスのところで取り切ってくれたところで、もっと若い選手の手本になれば良いなと思います。

ーー代表での活動から生かせたことは何かありますか

 特別なことは何もなくて、準備の大切さやラグビーに取り組む姿勢を意識して取り組んでいるんですけど、優勝するチームはこれから成長し続けるチームだと思うので、僕自身ももっと成長できれば良いなと思います。

ーースクラムについてはいかがでしたか

 色々な大学がある中で、もう少し立教大に適応できればなと思いました。今回は帝京大や明治大と組む、力比べのスクラムではかったので、今日の試合でのスクラムを通して、色々な形のスクラムに適応していかなければならないなと思いました。そこについては僕自身もっと成長しなければいけない部分ですし、今日の試合でも自分たちのスクラムを組めれば良い手応えを感じることもできたので、僕がもっとコントロール出来ればなと思います。しかし今日上手く組めないスクラムがあったからといって、僕たちのスクラムが弱くなったとは思いませんし、適応能力がまだまだついていなかっただけの話しだと思うので、チームに帰ってコーチと話しながら、もう一回いいスクラムが組めたらなと思います。

SH細矢聖樹(スポ4=国学院栃木)

――今試合のチームのコンセプトを教えてください

 コミュニケーションの部分です。アタックもディフェンスも細かくコミュニケーションをとってリンクの部分を意識しました。

――個人的なコンセプトはありましたか

 同じくコミュニケーションです。僕はコントロールする側なので、コミュニケーションという部分で、しっかりフォワードを動かすことを意識してプレーしました。

――バックス全体としてアタックの面で意識したことはありますか

 それもコミュニケーションの部分です。バックスのフェーズで、コミュニケーションが課題でうまく崩せなかったところがあったのでそこは意識していました。

――そこを踏まえて試合全体振り返っていかがですか

 良いボールがででこないというところで、なかなか良いアタックができませんでした。コミュニケーション自体は悪くなかったですが、12番、13番といったさらに内側のプレイヤーでコミュニケーションを取ればもっと良いアタックができると思います。

――途中からWTBとしてプレーされていましたが、戦略として用意していたんですか

 特にそういうわけではなかったですが、リザーブのメンバーにできる人がいなかったので想定はできていました。でも少し驚きました。

――今後の意気込みをお願いします

 まだ始まったばかりですが、初戦をこういった形で終えられたので、まだまだ課題はあるので一つずつ潰していって一試合、一試合成長していきたいです。

SO服部亮太(スポ1=佐賀工)

――初めての赤黒を着た試合はどんな思いで臨みましたか

 初めてのAチームで緊張はしていたんですけど、緊張しているとゲームメイクできないので、冷静に試合に取り組むことを意識していました。

――印象的なロングキックを振り返っていかがですか

 今回は風が強くて伸びてしまったので、次回以降は風が強い中でもしっかりコントロールできるように修正したいです。スペース、風、もっと意識して良いキックを蹴りたいです。

――短い出場時間で掴んだ手応えなどはありますか

 キックゲームで勝てたことは次に繋がるかなと思います。

――今後の意気込みをお願いします

 明日からジュニア選手権も始まりますし、対抗戦もどんどんと進んでいくので、大学レベルにしっかりついていって、早稲田ラグビーの10番としてふさわしいプレーヤーになりたいです。

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著者プロフィール

「エンジの誇りよ、加速しろ。」 1897年の「早稲田大学体育部」発足から2022年で125年。スポーツを好み、運動を奨励した創設者・大隈重信が唱えた「人生125歳説」にちなみ、早稲田大学は次の125年を「早稲田スポーツ新世紀」として位置づけ、BEYOND125プロジェクトをスタートさせました。 ステークホルダーの喜び(バリュー)を最大化するため、学内外の一体感を醸成し、「早稲田スポーツ」の基盤を強化して、大学スポーツの新たなモデルを作っていきます。

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