大学生がSVリーグ『SAGA久光スプリングス』の球団スタッフへ — スポーツ大学での出会いと成長の先に

びわこ成蹊スポーツ大学
チーム・協会

びわこ成蹊スポーツ大学女子バレーボール部キャプテン兼主務を務める原田さん 【©びわこ成蹊スポーツ大学】

 びわこ成蹊スポーツ大学の原田博子(スポーツ学部・4年)さんが、SVリーグのSAGA久光スプリングス球団スタッフとしての就職が内定した。原田さんは京都府立向陽高校からびわこ成蹊スポーツ大学へ進学し、女子バレーボール部のキャプテン兼主務として関西2部リーグ昇格に貢献。「入学時には想像していなかった世界」へ挑戦することになった原田さんは、4年間で大きな成長を遂げた。環境の変化など、『巡り合わせ』『運』に恵まれていると彼女は話すが、原田さんのこれまでの成長と未来に向けたビジョンについて取材した。

1. 楽しい大学生活を思い描いて入学

 「男子バレーボール部のマネジャーがしたかった」と原田さんはびわこ成蹊スポーツ大学入学当初のことを振り返った。まさか女子バレーボール部に入部してキャプテンをするとは、ましてや、SVリーグチーム(プロスポーツチーム)への就職など考えてもいなかった。入学してすぐに出会った親友・池上ひなたさんに「一緒に女子バレーボール部に入ろう」と誘われたことが大きな転機となり、女子バレーボール部へ入部。もし池上さんとの出会いがなかったら、原田さんの4年間は全く違ったかもしれない。
 入学当時の女子バレーボール部は、競技レベルが高いわけでもなく原田さんの第一印象は「楽しそうなチーム」。1年次は選手としてプレーしたが、コロナ禍の影響を受け、チーム全体で練習できるようになったのも前期の授業を終え夏休みに入った頃だった。しかし、秋季リーグ戦を終えるころに大きな変化が訪れた。

2. 川島基監督との出会い

 2021年10月に川島基監督が就任。監督の指導方針により、チームの目標は「楽しさ」から「2部昇格、さらに1部昇格」へと方向性が大きく変わった。その結果、入部当初は8名いた同級生の多くがチームを離れ、原田さんと池上さんの2人だけとなった。原田さんも選手ではなくチームをささえるマネジャーへと転身。川島監督からの要望にも応えながら、チームをマネジメントすることに苦労する日々が続いた。力のある後輩が入部し、最上級生になる時にはキャプテン兼主務へと就任。この時期、原田さんは大きな責任を背負うことになったが、親友・池上さんの存在が彼女を支えた。「無言でもお互いの気持ちがわかる関係」という深い信頼関係が、2人でチームを支え続ける力となった。
 また、高校時代に受けた指導で培った「目配り、気配り、心配り」が、チームのマネジメントやキャプテンとしての役割に大きく活かされた。原田さんは後輩たちとの関係構築にも努力し、一人ひとりと丁寧に向き合い、信頼を築くことに成功。この経験が彼女のリーダーシップをさらに強化し、チームを関西2部リーグ昇格に導いた。

3. 大学とSAGA久光スプリングスとの連携から生まれたチャンス

 2021年10月、びわこ成蹊スポーツ大学と「SAGA久光スプリングス」の運営会社SAGA久光スプリングス株式会社がホームゲームパートナー契約を締結。これにより、原田さんはSAGA久光スプリングスとのつながりを持つ機会を得た。2022年にはSAGA久光スプリングスとの練習試合が実現し、2023年には球団スタッフとしてインターンシップに参加するなど、大学での経験がプロチームとの関わりへと発展した。
 スポーツ大学としての多様なキャリアのひとつである「プロスポーツチーム」への就職内定を果たした原田さん。チャレンジすることで道が拓けることを大学の4年間で経験。「チャンスは誰にでもある。偶然が重なった結果が今回の就職内定。もしかしたら、私以外の誰かが同じようにチャンスをつかんだかもしれいない」と原田さんは話す。「誰かのために何かしたい」という想いを胸にこれからも様々なチャレンジに挑む彼女のさらなる成長に期待したい。
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著者プロフィール

2003年に開学した我が国初で唯一の「スポーツ」を大学名に冠したパイオニアが、その役割を全うすべく、「スポーツに本気の大学」を目指し「新たな日本のスポーツ文化を創造する大学」として進化します。スポーツを「する」「みる」「ささえる」ことを、あらゆる方向から捉え、スポーツで人生を豊かに。そんなワクワクするようなスポーツの未来を創造していきます。

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