ラ・リーガ開幕戦、ラ・レアル（レアル・ソシエダの愛称）はホームにラージョ・バジェカーノを迎えた。ユーロ２０２４、パリ五輪で主力を欠いた状態で開幕の準備を強いられたラ・レアルはル・ノルマンがアトレティコ・デ・マドリーへの移籍でクラブを去り、スベルディアを負傷で欠く厳しい条件で試合に臨んだ。日本では移籍の噂が続く久保は定位置の右サイドで先発し、オヤルサバル、ベッカーと共に３トップを形成した。

　前日の大雨で天候が心配されたサン・セバスティアン、試合当日は曇り空の下、キックオフ前には欧州王者、サッカー五輪代表、本拠地とするギプスコア県からパリ五輪に出場した選手を讃えるセレモニーが行われた。

　「悪い試合の入り方をした」試合後の会見でのイマノル監督のコメントの通り、立ち上がり数秒であわや失点のピンチを迎え、１０分までは一方的に攻め込まれる状況が続いた。久保はラージョの守備陣の激しいチャージに苦しめられるが、時間の経過と共に相手のタックルをいなし、縦の突破とカットインを使い分け好機を作っていく。３０分、左CKからアリツがファーサイドでヘディングシュートを放つがゴール右へ。４２分にはペナルティエリア内でオヤルサバルがエスピノに足を踏まれ倒されるが、主審は笛を吹かずVARの確認もしないことに観客は大ブーイングを響かせる。

　０−０で迎えた後半開始からスビメンディが前半に警告を受けていたウルコと代わり中盤の底へ。５４分、相手のボール処理ミスを見逃さない久保はボールを奪いカウンターを開始。しかしスルーパスを受けたベッカーがミドルシュートを大きく枠外に外し先制点ならず。６７分、久保の交代直後、ラ・レアルが失点。ラージョCBムミンがピッチ中央をドリブルで持ち上がり、パスを受けたホルへ・デ・フルトスが冷静にネットを揺らす。

　試合を振り出しに戻したいラ・レアルを嘲笑うかのように途中交代したカメージョが８４分に追加点を決める。スペインU23代表に金メダルをもたらすゴールを決めたFWがレミロの守るゴールを破る。ホーム開幕戦で負けるわけにはいかないラ・レアルはアディショナルタイムにバレネチェアがPK獲得かと思われたが、VAR確認後笛は吹かれない。９８分、スビメンディがオフサイドラインギリギリから抜け出し一矢報いる。

　レアレ・アレナでの開幕戦を１−２で終えたラ・レアル。今夏クラブに加わったハビ・ロペス、セルヒオ・ゴメス、スチッチが早速公式戦デビューを果たした。月末の移籍市場閉幕までさらなる選手の入れ替わりが予想される。次戦は２４日、バルセロナにて今季プリメラに復帰したエスパニョールと対戦する。