やはり「アメリカ」だった。オリンピック女子サッカー優勝ー日本代表の延長戦の戦略を問う。
【やはり「アメリカ」だった。オリンピック女子サッカー優勝ー日本代表の延長戦の戦略を問う。】
【これはnoteに投稿されたYosuke Kojimaさんによる記事です。】
やはり、アメリカが優勝した。私は、下の記事で90%くらいと言っていたが、実は99%アメリカが優勝すると考えていた。
アメリカの成績 【Yosuke Kojima】
何もバカ正直に上の表を見て予想していたわけではなく、ここに「アメリカ女子サッカー界」の「カルチャー」を見たからである。「カルチャー」という言葉は日本語に訳しにくい。なので、私は、以下のように説明している。
アメリカのスポーツ界では、しばしば、強いチームを指して、"They are on the same page"という言葉を使う。また、極端な場合、"They are on the same line"とも言う。
これは、例えば、学校で授業を受けているとしよう。教師・生徒が、全員教科書の「同じページ」を開いているのが理想であろう。
しかし、全く別のことを考えている「心ここにあらず」な人は、「同じページ」を開いていないだろう。チームがバラバラな場合、「同じページ」を開いてはいないのである。
日本では、簡単に「チームが一つになる」という。しかし、現在のアメリカのような「分断された国家」では、何か「悲劇的なこと」がなければ、「チームが一つになれない」のである。
今回、アメリカは、W杯から監督は変えたが、選手は大きく変えなかったという。監督にどれだけの人事権があったかどうかは分からない。
しかし、監督を含め上層部は、W杯で悲劇を共有したチームのメンタリティーを信じたのではないだろうか。つまり、"on the same page"にいるとの確信があったのではないか。
結局、結果からみると「なでしこ」が最もアメリカを苦しめたのではないだろうか。予選、トーナメントを通して、唯一、90分以内で同点だったのは、「なでしこ」のみである。
W杯では、ヨーロッパの枠が多いため、強国が出てくるが、オリンピックでは、大陸間のバランスを取るため、ヨーロッパの強国が少ない。そのため、メダルを取りやすい。
そして、日本国民はW杯よりオリンピックを断然みる。これからの「なでしこ」の戦略としては、オリンピックにピークが来る人選をしてはどうであろうか。三年後のW杯ではなく。
次に、考えるべきは、延長戦の戦い方である。アメリカ戦では、日本はハームタイムと70分に先に選手交代を行っているが、これはどのようなプランだったのかと問いたい。
W杯で、アメリカを延長・PK戦で破ったスウェーデンのはじめての選手交代は、81分であった。
試合を観ているかぎり、日本もアメリカも90分以内に点が取れるような様子ではなかった。延長を見据えていたのかどうかは、私が最も監督に問いたいことである。見据えていたのなら、選手交代を延ばすべきではなかったのか。
別の記事にも書いたが、プロサッカー選手は、1シーズンを通して、ほとんど延長戦を戦わない。リーグ戦なら、引分けで終わり。カップ戦でも準決勝ぐらいにいかない限り、延長戦はない。
すなわち、選手は延長戦に慣れていないのである。そうであるならば、監督やコーチの準備、判断、選手交代が重要になってくる。ここに、これからの男子も含めた日本代表の成長のカギがあるかもしれない。
思い起こしてほしい。東京五輪で男子が負けたのが、スペインとの延長戦、カタールW杯で男子が負けたのが、クロアチアとの延長PK戦、そして今回の延長戦である。
私は、全くの門外漢なので、「なにをすべきか」という処方箋を全く持っていない。しかし、このことは日本サッカー界で大いに議論すべきだと思う。
この「悲劇」を共有し、忘れずに「なでしこ」、そして「男子日本代表」が前に進むことを願う。
アメリカのスポーツ界では、しばしば、強いチームを指して、"They are on the same page"という言葉を使う。また、極端な場合、"They are on the same line"とも言う。
これは、例えば、学校で授業を受けているとしよう。教師・生徒が、全員教科書の「同じページ」を開いているのが理想であろう。
しかし、全く別のことを考えている「心ここにあらず」な人は、「同じページ」を開いていないだろう。チームがバラバラな場合、「同じページ」を開いてはいないのである。
日本では、簡単に「チームが一つになる」という。しかし、現在のアメリカのような「分断された国家」では、何か「悲劇的なこと」がなければ、「チームが一つになれない」のである。
今回、アメリカは、W杯から監督は変えたが、選手は大きく変えなかったという。監督にどれだけの人事権があったかどうかは分からない。
しかし、監督を含め上層部は、W杯で悲劇を共有したチームのメンタリティーを信じたのではないだろうか。つまり、"on the same page"にいるとの確信があったのではないか。
結局、結果からみると「なでしこ」が最もアメリカを苦しめたのではないだろうか。予選、トーナメントを通して、唯一、90分以内で同点だったのは、「なでしこ」のみである。
W杯では、ヨーロッパの枠が多いため、強国が出てくるが、オリンピックでは、大陸間のバランスを取るため、ヨーロッパの強国が少ない。そのため、メダルを取りやすい。
そして、日本国民はW杯よりオリンピックを断然みる。これからの「なでしこ」の戦略としては、オリンピックにピークが来る人選をしてはどうであろうか。三年後のW杯ではなく。
次に、考えるべきは、延長戦の戦い方である。アメリカ戦では、日本はハームタイムと70分に先に選手交代を行っているが、これはどのようなプランだったのかと問いたい。
W杯で、アメリカを延長・PK戦で破ったスウェーデンのはじめての選手交代は、81分であった。
試合を観ているかぎり、日本もアメリカも90分以内に点が取れるような様子ではなかった。延長を見据えていたのかどうかは、私が最も監督に問いたいことである。見据えていたのなら、選手交代を延ばすべきではなかったのか。
別の記事にも書いたが、プロサッカー選手は、1シーズンを通して、ほとんど延長戦を戦わない。リーグ戦なら、引分けで終わり。カップ戦でも準決勝ぐらいにいかない限り、延長戦はない。
すなわち、選手は延長戦に慣れていないのである。そうであるならば、監督やコーチの準備、判断、選手交代が重要になってくる。ここに、これからの男子も含めた日本代表の成長のカギがあるかもしれない。
思い起こしてほしい。東京五輪で男子が負けたのが、スペインとの延長戦、カタールW杯で男子が負けたのが、クロアチアとの延長PK戦、そして今回の延長戦である。
私は、全くの門外漢なので、「なにをすべきか」という処方箋を全く持っていない。しかし、このことは日本サッカー界で大いに議論すべきだと思う。
この「悲劇」を共有し、忘れずに「なでしこ」、そして「男子日本代表」が前に進むことを願う。
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