【ラグビー日本代表】6.22 イングランド代表戦 見どころ RWC 2023以来の再戦!エディー・ジョーンズ新体制の初陣は「日本国内初開催」イングランド代表とのテストマッチ

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新生エディー・ジャパン初陣は2023年RWC以来の対戦となるイングランド代表 【🄫JRFU】

新生エディー・ジャパンは、6月22日(土)東京・国立競技場でイングランド代表と対戦する。イングランド代表との対戦は2023年に開催されたラグビーワールドカップ(RWC) 1次リーグ以来。同大会で3位となった”世界屈指の強豪 イングランド"とのテストマッチが、日本国内で開催されるのは初めてのことである。日本代表との深い縁、試合の見どころや注目選手を元ラグマガ編集長田村一博が紐解く。

『エリス少年伝説』の国、ラグビー発祥の地からイングランド代表がやって来る。

イギリス・ロンドンから北西に約100キロ。ラグビーという街のハブリックスクール、ラグビー校のグラウンドにて、ウェッブ・エリス少年がフットボールの試合中にボールを抱えて走り出した。
それがラグビーのはじまり。
そんな、素敵な言い伝えは有名だ。
その時から200年経った2023年、フランスで10回目のラグビーワールドカップ(RWC)が開催された。
イングランド代表は、その大会に参加したチームの中で、もっとも敗戦が少ないチームのひとつだった(準決勝の敗戦のみ)。勝って大会を終えたのは、3位決定戦勝利の同チームと、優勝した南アフリカだけだった。

日本国内初開催のイングランド代表とのテストマッチ

イングランド代表とのテストマッチは過去4回。両国の深い縁のはじまりは50年以上前に遡る 【🄫JRFU】

6月22日に国立競技場で開催される一戦は両国が認めるテストマッチ(正式な国代表同士の試合)で、日本国内で実施されるのは初めてだ。2020年7月にも予定されていたが、その時はコロナ禍で中止となった。

昨年のRWCを含め、テストマッチは過去に4回ある。しかし、両国の縁はもっと以前からあった。

日本ラグビー協会がキャップ認定試合としているのは、1971年に来日したイングランド代表(本人たちはイングランドXVの認識)との試合が最初。そのときは19-27、3-6と接戦が続いた。

3-6の試合は、長く名勝負として語り継がれている。同年9月28日、秩父宮ラグビー場に詰めかけた観衆は2万5000超。スタンドに入り切れなかったファンは芝の上になだれ込み、ピッチサイドをぐるりと人垣が囲んだ。

日本代表のタックルが80分続き、お互いノートライの試合。ファンが赤白のジャージーを誇りに感じた時間だった。

当時国際試合の少なかった日本協会は、尊敬の念も込めてイングランドU23代表や学生代表との試合もキャップ認定試合とするも、1979年に来日したイングランド代表も本人たちは「XV」の扱い。それは敵地への遠征で、トゥイッケナム競技場で戦おうが変わらなかった。

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互いにノートライで3-6の接戦となった試合は長らく名勝負として語り継がれている 【🄫JRFU】

初の両国認定のテストマッチは、1987年の第1回RWCでの対戦時だった(6-70)。

2003年に来日したイングランド代表も「XV」扱いとなり、RWC以外でイングランド側が認めるテストマッチは、2018年(15-35)、2022年(13-52)にトゥイッケナム・スタジアムで戦ったときだけ。2015年RWCで日本代表・ブレイブブロッサムズが南アフリカ代表を破ったことで、歴史は変わった。

イングランド代表は、同国最高峰リーグのプレミアシップでプレーしている選手の中からしか選ばれない。国内シーンの発展と人気の維持を考えての決断を貫いている。また、同国協会は国名などない「THE RUGBY FOOTBALL UNION」。発祥国の矜持は、代表選手のセレクションにも反映されている。

昨年RWCの主力から、当時主将を務めていたオーウェン・ファレルら数人がフランスのクラブに移籍し、今回のスコッドからは外れている。

南アフリカと紙一重の接戦を繰り広げた2023年のRWCでは3位

2023年に開催されたW杯でイングランド代表は、日本代表と同じプールDで4戦全勝し、ノックアウトステージでは準決勝に進出、南アフリカに15-16と迫った。

後半37分に逆転PGを決められての敗戦だ。力の差はほとんどなかった。3位決定戦ではアルゼンチンを26-23と破り、ブロンズメダルを獲得した。

世界のトップと紙一重の試合をした準決勝後、スティーブ・ボースウィック ヘッドコーチ(HC)は、チームの未来を見つめ、「(こういう試合を経験すると)成長し、将来輝くための種があるもの。私たちがそれを掴めば、さらに強くなれる」と言った。

その試合の23人中7人は25歳以下。同HCはトップ4チームの中で最多と胸を張った。3位決定戦では先発15人中7人が25歳以下。選手たち自身も大きな手応えを得た大会だった。

2024年のシックスネーションズでは3勝2敗の3位も、優勝したアイルランドに勝つビッグパフォーマンスを見せた(23-22)。

今回の来日メンバー36選手の中には代表キャップを持たない選手たちが6人入った。ボースウィックHCは「代表として初めて海外遠征に参加する選手たちもいる。継続的に成長させていく」視点での選出と話す。

FWには実績豊富な選手が揃い、BKには直近で好パフォーマンスを見せる潜在能力の高い選手が来日
同代表は、日本での試合を終えた後はニュージーランドへ。オールブラックスとの2つのテストマッチが控えている。

スコッドの全体を見渡せば、FWに実績豊富な選手たちが揃っている。昨年のRWCでの対戦時にも先発してパスを(偶然)『ヘディング』。前方に転がし、トライを呼んだPRジョー・マーラーの名前もある。

HOには90キャップのジェイミー・ジョージ、若く、パンチ力抜群のセオ・ダンがおり、強烈なスクラムを組んでくるだろう。

マロ・イトジェはワールドクラスのLOだ。ラインアウトとモールの柱となる厄介な相手だ。

股関節の怪我で、RWC後は僅かな時間しかプレーしていないFLトム・カリーが選ばれたのは、賢くハードで、攻守において外せない選手だからだ。2019年RWCでカミカゼキッズと評された、サム・アンダーヒルとのコンビで鉄壁のFW第3列を形成する。

昨年RWCのアルゼンチン戦で6G3DGと全27得点を挙げ、日本代表戦でも14点を蹴り出したジョージ・フォードは怪我(アキレス腱)で今回のツアーから外れたものの、軽快なプレーで自在に動くマーカス・スミスは健在だ。その人にスペースを与えてはいけない。

他のBKはSHアレックス・ミッチェル、CTBヘンリー・スレード、オリー・ローレンス以外は10キャップ未満かノンキャップも、今季のプレミアシップを制したノーサンプトンで好パフォーマンスを見せた選手も多い。潜在能力は高い。

ボースウィックHCは元イングランド代表で主将を務めた人。現役引退後、すぐに当時(2012年)日本代表を率いていたエディー・ジョーンズHCに誘われて代表FWコーチを務め、その後、イングランド代表でもアシスタントコーチを務めた。師弟関係の両者にとって、互いに負けられない試合でもある。

RWCの再戦、日本国内初、エディー新体制の初陣で、という要素も絡み合い、濃密な試合になることは必然だ。

FWには2023年のRWCでも活躍した実績豊富な選手が揃う 【🄫RFU】

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軽快なプレーで自在に動くSOマーカス・スミスは健在 【🄫RFU】

シックスネーションズ アイルランド代表戦で好パフォーマンスを発揮したCTBオリ―・ローレンス 【🄫RFU】

【リポビタンDチャレンジカップ2024 日本代表vsイングランド代表】

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著者プロフィール

(公財)日本ラグビーフットボール協会は、日本におけるラグビー競技の普及振興に関する事業を行い、その健全なる発達を図るとともに国民体力の向上と明朗なスポーツマンシップの涵養につとめ、もって社会文化の向上発展に寄与することを目的とした競技団体です。 1926年に日本ラグビー蹴球協会として設立されて以降、ラグビー競技の普及発展のための国内唯一の統括団体として活動を続け、2013年に公益財団に移行しました。詳細はこちら(https://www.rugby-japan.jp/jrfu)

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