早大ラグビー部 法大をスクラムで圧倒 全勝のまま最終節・帝京大戦へ

チーム・協会
関東大学春季大会 6月9日 対法大 早大・上井草グラウンド
【早稲田スポーツ新聞会】記事 村上結太、写真 西川龍佑、清水浬央

 曇り空の早大上井草グラウンドには多くの観客が駆け付け、関東大学春季大会(春季大会)第4節・法大との一戦が行われた。早大は序盤からスクラムでプレッシャーをかけ、前半2分に早々と先制に成功する。ボールポゼッションで優位に立ち、法大を無得点に抑えて26ー0で前半を折り返す。続く後半でも攻撃の手を緩めず、次々に得点を加える。インターセプトなどで失点を許すものの着実にリードを広げ、52ー14と危なげなく白星を飾った。

インゴールに向けて突破するLO栗田 【早稲田スポーツ新聞会】

 早大は序盤から法大に圧力をかける。2分、敵陣で得たマイボールスクラムをプッシュし、法大のディフェンスラインを後退させる。右に大きくボールを展開し、初スタメンのWTB田中健想(社1=神奈川・桐蔭学園)がタッチライン際を駆ける。一気にゴールライン目前まで前進すると、早いテンポで次々にゲイン。LO栗田文介(スポ 3=愛知・千種) 、CTB金子礼人(法 3=福岡・西南学院)がそれぞれ力強い突破を見せると、最後はFB池本晴人(社 2=東京・早実) がグラウンディング。早くも先制に成功した。9分、12分のスクラムで連続でペナルティーを奪うと、敵陣に侵入。ラインアウトのセットプレーでFWが着実にゴールに近づいていく。ライン際のBKのアタックで池本がタックラーをかわしながらボールを受け取ると、そのままインゴールまで走り切った。続く17分、ハーフライン付近のマイボールスクラムから左右に大きく展開するアタックを見せると、法大のディフェンスに綻びが生まれる。NO・8城央祐(スポ1=神奈川・桐蔭学園) からショートパスを受け取ったFL田中勇成(教 3=東京・早実) が前進。順目にアタックを継続した早大は金子がラインブレイクに成功し、最後は田中健がトライ。19ー0とリードを広げる。31分、自陣22メートルライン付近でのマイボールスクラムを積極的に展開した早大は左サイドでWTB清透馬(商 4=茨城・茗溪学園) が持ち前のステップでタックルをずらしてゲインする。返しのアタックでSO野中健吾(スポ 3=東海大大阪仰星)が法大ディフェンスのギャップを正確に突き、キックで陣地を大きく獲得。そこから法大陣内での攻防が続く。36分、早大は敵陣深い位置でのラインアウトから正確にアタックを継続すると、池本のオフロードパスを受け取ったHO安恒直人(スポ 4=福岡) がトライ。26ー0と法大に攻撃の隙を与えないまま前半を折り返した。

2トライを奪う活躍を見せたFB池本 【早稲田スポーツ新聞会】

  後半が開始して以降、両チームはボールが手につかずミスが増えてしまう。先に精細を取り戻したのは早大。11分、中盤でのスクラムで一気に押すと、コラプシングのアドバンテージを獲得。アグレッシブなアタックでゲインを見せると、野中からパスを受け取ったPR新井瑛大(教 2=大阪桐蔭) がブレイク。フォローに走っていたCTB森田倫太朗(スポ 2=兵庫・報徳)が受け取り、追加点を挙げた。15分、再開のキックオフをキャッチした早大は自陣からアタックを仕掛ける。田中勇が鋭い加速で法大ディフェンスを引き裂き、一気に敵陣22メートルラインまで侵入。SH糸瀬真周(スポ 3=福岡・修猷館)が早いテンポでパスを展開し、金子がトライを取り切った。18分には失点を許すものの、22分にFL萩原武大(スポ 3=茨城・茗渓学園)のナイスタックルでペナルティーを獲得した早大は、法大ゴール前でラインアウトモールを形成しHO清水健伸(スポ 2=東京・国学院久我山)がグラウンディング。45ー7と着実にリードを広げていく。さらに30分、法大はスクラムから大きく外側に展開したが、田中健の詰めるディフェンスでアタックミスを誘うと、田中勇からオフロードパスを受け取った栗田が敵陣10メートルライン付近からタックラーを次々と引きちぎり、ゴール中央にトライ。35分にインターセプトから法大に追加点を許し、スコアは52ー14。38点のリードを得たままノーサイドの笛が鳴った。

今季初のスタメン出場を果たしたHO安恒 【早稲田スポーツ新聞会】

 今試合では強力なスクラムが光り、試合の流れを掴んだ早大。新井は「春から積み上げてきたものを法大に対して出し、(スクラムを)優位に組めた」と振り返る。スクラムの要である佐藤健次主将(スポ 4=神奈川・桐蔭学園) 、亀山昇太郎(スポ 4=茨城・茗溪学園) を欠く中でも盤石の強さを見せ、層の厚さを示した。しかし、アタックでのミスなどそれぞれの課題を自覚する一戦にもなった今節。次戦、最終節の帝京大戦では1つのミスが命取りとなる緊張感のある試合展開となるだろう。春シーズンの王者が決まるまであと一週間。『春シーズン全勝』、そして『Beat Up』を体現するため、さらに完成度を高めていく早大ラグビー部から目が離せない。

コメント

SH細矢聖樹(スポ 4=国学院栃木)ゲームキャプテン

――今日のチームとしてのテーマを教えてください

 自分たちがやってきたことをやり続けるという意味で『継続』というテーマを掲げていました。

――その達成度はいかがでしたか

 ディフェンスはチームとしてやりたいことができたと思いますが、アタックの部分で個人的なミスが多かったのでそこは修正しないといけないです。

――チーム全体のディフェンスを振り返[いかがですか

 プレッシャーかけるという部分で、しっかり全員で前に出てディフェンスができたと思います。

――アタックの際に特に意識したことなどありますか

 速いテンポでボールを動かすことです。ブレイクダウンのキルワークなど細かい部分を意識してやろうという話をしました。

――今後の意気込みをお願いします

 来週、帝京大戦が控えていて、そこに向けて修正しなければならない部分がたくさんあるので、1週間いい準備ができたらいいかなと思います。

PR新井瑛大(教 2=大阪桐蔭)

――今日の個人的なコンセプトを教えてください

 チームのテーマでもある継続のところと、僕自身はセットプレーとディフェンスについて意識してやっていました。

――スクラムに関しては振り返っていかがですか

 早稲田はずっと課題としてスクラムに取り組んできて、春から積み上げてきたものを今回、法政大に対して優位に組めたので良かったかなと思います。ただやっぱり課題も結構あるので、そこを改善して次の帝京に向かっていきたいと思います。

――ご自身のアタックを振り返ってみていかがですか

 粘り強くディフェンスしてターンオーバーしたボールを、チーム目標である継続というところで、自分がブレイクしてからもトライに繋げることができて良かったです。

――今後の意気込みをお願いします

 今日の試合で、個人としてもチームとしても課題が見つかったので、そこを修正して次の帝京戦に向けて頑張っていきたいと思います。

FL萩原武大(スポ 3=茨城・茗渓学園)

――今日の個人としてのコンセプトを教えてください

 しっかりポジションの部分で前に出ることを意識していました。

――アタッキングモールの出来を振り返っていかがですか

 法政大にうまく対応されてしまって、あまり自分たちのやりたいようにできなかった部分もありました。その点は改善はしなければいけませんが、ワントライ取ることはできたのは良かったと思います。

――個人として、FWとして、フェーズディフェンスを振り返っていかがですか

 今日は全然思ったようにディフェンスの部分でドミネートすることできず、 チームの勢いを殺してしまった場面もありました。次の試合の帝京戦では本当にディフェンスが大事になってくると思うので、頑張りたいと思います。

―最後に今後の意気込みをお願いします

 来週の帝京戦は本当に春シーズン1番大きな試合になると思うので、ここまでやってきたことを全て出し切って勝ちたいと思います。

CTB森田倫太朗(スポ 2=兵庫・報徳)

――今日の個人のコンセプトを教えてください

 アタックでは『ラインコントロール』を意識していました。外の要求をしっかりスタンドオフに伝え、ラインをコントロールするということを意識していました。ディフェンスではこれまでやってきたハイプレッシャーでどんどんと前に出ることを徹底していました。

――高校時代のチームメイトの炭竃選手との対戦でしたが、なにか特別な思いなどはありましたか

 試合前から強いことは分かっていましたし、相手の特徴もよく知っているのでかなり意識していました。しかし、グラウンドに入ったら試合に集中してディフェンスも前に出ることができたかなと思います。これからもお互い、高いレベルでプレーできるように頑張っていきたいと思っています。

――自身のアタックを振り返って、収穫などはありますか

 試合序盤は相手の前に出てくるディフェンスに対してアタックがバタバタしてしまうことがあったのですが、縦に切っていくプレーなどを早めに選択できるようになれればもっとスムーズにアタックできるようになれるのかなと思います。

――今後の意気込みをお願いします

 春シーズンも残り1試合で、優勝も懸かっていて、さらに『Beat Up』というスローガンのところにもかかっているので、しっかり全チーム勝てるように、これまで春に積み上げてきたものを全部出して勝利したいと思います。
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著者プロフィール

「エンジの誇りよ、加速しろ。」 1897年の「早稲田大学体育部」発足から2022年で125年。スポーツを好み、運動を奨励した創設者・大隈重信が唱えた「人生125歳説」にちなみ、早稲田大学は次の125年を「早稲田スポーツ新世紀」として位置づけ、BEYOND125プロジェクトをスタートさせました。 ステークホルダーの喜び(バリュー)を最大化するため、学内外の一体感を醸成し、「早稲田スポーツ」の基盤を強化して、大学スポーツの新たなモデルを作っていきます。

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