早大ラグビー蹴球部女子が始動 赤黒ジャージでお披露目

チーム・協会
早稲田大学ラグビー蹴球部が2024年度、選手として女子部員の受け入れを開始し、女子部門設立に向けて始動しました。4月18日には恩藏直人部長(商学学術院教授)、設立責任者の同部OB・柳澤真ダイレクター(2003年教育学部卒)、女子を指導する横尾千里ヘッドコーチ(2015年社会科学部卒)、選手およびスタッフの女子部員らが記者会見にのぞみ、今後の計画や抱負を語りました。まずは7人制女子ラグビーリーグ「太陽生命ウィメンズセブンズシリーズ」への昇格大会参戦を予定しています。

「日本ラグビーの活性化につなげたい」

ラグビー蹴球部女子のメンバーら 【早稲田大学】

記者会見では恩藏部長が「現在の早大生の約4割が女子学生であり、体育各部に所属している部員2527名(2023年度)のうち34.7%が女子となっている」など、女子の活動が活発になっている状況を紹介。スタンフォード大学など海外の大学が女子ラグビーに取り組んだ歴史に触れながら「女子部を作ることによってラグビー蹴球部全体を活性化し、さらには日本のラグビー全体の活性化につなげたい」と女子部門設立へ向けて始動した意義を語りました。

「女子も男子と同じく、勉強もラグビーも両方できる環境がほしい」

【早稲田大学】

ダイレクターの柳澤さんは2023年5月、今年度選手として入部した部員から直接相談されたことがきっかけとなって女子部門設立へ向けて動き始めたことを説明。ラグビー蹴球部を介して紹介された学生たちと会ったところ、「勉強もラグビーも両方頑張りたいが、その環境が早稲田にはない。文武両道を両立できる環境がほしい」という切実な要望を受けたそうです。柳澤さんはそれから国内の女子ラグビーの状況を調査し、「ラグビー界をリードしている早稲田が、こうした女子学生の声に応えて変化することは大事なのではないか。自分自身も行動を起こさなければいけないのではないか」と考え、同年8月からラグビー蹴球部と交渉し、2024年4月、選手としての女子部員受け入れが始まりました。

柳澤さんは「男子が大切にしてきた早稲田ラグビーのカルチャーを、女子も大切にしていく。お互いがリスペクトし合い『本当に良い方向に進んだ』と言えるようにしたいと思います。将来的には日本で女子がラグビーをプレーすることが当たり前となることを、早稲田が起点となって実現したい、という思いで取り組んでいきます」と意気込みました。

「11名でスタート、すごく心強い」「男子100年の重みしっかりと」

ラグビーボールを手に活躍を誓う横尾ヘッドコーチ(右)と千北主将 【早稲田大学】

ヘッドコーチに就任したのは、7人制ラグビーの日本代表としてリオデジャネイロオリンピックにも出場経験がある横尾さんです。「私が高校生のときまでは、どうしても女子がラグビーをする環境がなくて、男子と一緒にやらざるを得ない環境にありました。今回、11名という人数が集まりました。女子部が自分たちでラグビーをする場所を切り開くというところでは、すごく心強いスタートになったと感じております」と語った横尾さん。「チームの目標とましては2つあります。一つが高いレベルでの文武両道の実現、もう一つが7人制ラグビーの太陽生命ウィメンズセブンズシリーズで総合優勝することです」と、向こう5年間の目標を掲げました。

男子と同じ赤黒のジャージを身にまとった初代主将・千北佳英さん(スポーツ科学部3年)は「赤黒のジャージは男子150人の部員のうち15名人しか着られないもので、そこには計り知れないドラマがあると思います。同じものを自分たちが着ることができることに感謝し、男子100年の歴史の重みをしっかりと考えながら、ラグビーに取り組んでいきたいと思います」と、決意を新たにしました。

ワクワク感と早稲田を背負う責任感

【早稲田大学】

主将・千北佳英さん(スポーツ科学部3年)

「ラグビーは5歳から男子と一緒に始めました。このメンバーとこの部活で、新しい挑戦をできるということにすごいワクワク感と期待と早稲田を背負うという責任感も感じながら、覚悟を持ってやっていきたいと思います。日本一にもなって、社会に出たときに活躍できるような人材を輩出していくチームにしたいです。一生懸命取り組みますので、応援のほど、よろしくお願いいたします」

【早稲田大学】

選手兼主務・國谷蘭さん(政治経済学部3年)

「3歳からワセダクラブでラグビーを始めました。上井草のグラウンドには人一倍強い思い入れがあります。こうして部員として戻ってこられたのはすごく嬉しいことで、これからの練習や試合にワクワクしています。女子部始動に当たり、多くの人が協力してくださりました。私たちの代で途切れることなく、高校生が憧れるようなチームになれるように、これからみんなで頑張っていきたいです」

大隈講堂を背にするラグビー蹴球部女子部員ら 【早稲田大学】

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著者プロフィール

「エンジの誇りよ、加速しろ。」 1897年の「早稲田大学体育部」発足から2022年で125年。スポーツを好み、運動を奨励した創設者・大隈重信が唱えた「人生125歳説」にちなみ、早稲田大学は次の125年を「早稲田スポーツ新世紀」として位置づけ、BEYOND125プロジェクトをスタートさせました。 ステークホルダーの喜び(バリュー)を最大化するため、学内外の一体感を醸成し、「早稲田スポーツ」の基盤を強化して、大学スポーツの新たなモデルを作っていきます。

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