【柏レイソル】関根大輝、前節の失点を糧に「2024Reysol Report Vol.3」

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今季新加入の木下康介、守備でのプレッシングにも励む 【©️J.LEAGUE】

 前節のアルビレックス新潟戦では14本のシュートを放ち、数多くの決定機を作った。チャンスを仕留めていれば、前半だけで2点差、3点差に広げることも可能な試合内容だった。

 守備に関しては、ボール保持に長けたアルビレックスが相手だったため、ボールを持たれる時間が長くとも、2トップが前線から守備のスイッチを入れ、チーム全体の連動した守備で、新潟の攻撃に対して破綻する場面はほとんどなかった。だからこそ、セットプレーの流れから許した1失点が悔やまれた。

 内容的には勝点3を取るべき試合。それが決定力不足とセットプレーの守備という二つの課題を露呈したことで、勝点1を上積みするだけに留まった。

 今季初スタメン起用の期待に応え、先制点を奪った木下康介は、自分が1点を奪ったことに満足せずに、こう話している。
「個人的にはシュートは胸の一本だけだった。例えばジエゴが上げて全員触れなくて抜けていった場面がありましたけど、僕はマイナスにいたので、そういうところは選手同士で話をして、もっとチームとして連携を上げられればいい」

「得意の胸で押し込んだ」とレイソル初ゴールの木下 【©️J.LEAGUE】

 また、U-23日本代表の招集で、さらに意識が増した関根大輝は、失点場面に関しては自分自身に矢印を向ける。
「あの失点は自分が無理に競りにいった結果、自分の背後のスペースを使われてしまいました。自分の判断が良ければ防げた失点。今後はああいう失点を与えないように、もっとこだわっていかなければいけない」

 決定力やセットプレーの守備だけではなく、試合で抽出された課題や改善点に関しては、日々のトレーニングでチーム全体が修正へと努めることはもちろんのこと、選手個人にも映像を使ってフィードバックするなど、向上に向けて様々な取り組みがなされている。さらには自分自身の課題と感じた選手の中には、全体練習終了後に居残りで個別練習を続ける者もいる。

U-23日本代表での活躍も期待される関根大輝 【©️KASHIWA REYSOL】

 例えば高嶺朋樹は、昨年から大谷秀和コーチにアドバイスを受けていたボールの受け方やターンの仕方を意識してトレーニングに励み、改善を期して居残り練習を地道に繰り返していたという。彼が中盤で昨季以上に存在感を放つようになったのは、そういった継続の成果でもある。

 課題の改善は一筋縄ではいかない。特に選手個人の技術面や精度向上、あるいはチーム全体の連携面の構築、戦術の浸透には、必ず一定以上の時間がかかり、修正に取り組んだからといって、それがピッチ上のプレーに即座に反映されるわけではない。ゴールを決めきる部分などは、まさにその典型例だろう。

 だからといって、結果を出せなくても仕方がないのかといえば、そんなことはない。改善に向けて、継続的な取り組みが必要なものもあれば、選手の意識やコミュニケーションだけで変わる部分は必ずある。

不動のボランチ高嶺朋樹が名古屋戦で全治3ヶ月の負傷。チームの総力が問われる 【©️KASHIWA REYSOL】

 シュート精度の向上や、チームの攻撃バリエーションの増加には時間が必要だとしても、木下が話したとおり、出し手に対して自分がどこのポジションを取るか伝えるだけで、次の機会ではそこを見てくれるかもしれない。それでチャンスが一つ増えれば、得点機会は増える。関根が反省したとおり、次のセットプレーで似た場面が来たときは、自分の背中のスペースをより意識することで、今度はそこを防げるようになるかもしれない。

 1年前の結果が出なくて苦しい時期と比べたら、課題だったボール保持や守備面では確実に改善が見られている。言い換えれば課題は伸びしろ。改善することで、チームは確実に強くなっていく。

【文】柏レイソルオフィシャルライター:鈴木潤
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著者プロフィール

1940年に母体となる日立製作所サッカー部が創部、1995年にJリーグに参戦。1999年ナビスコカップでクラブ史上初タイトルを獲得。ネルシーニョ監督のもと、2010~2011年には史上初となるJ2優勝→J1昇格即優勝を成し遂げる。さらに2012年に天皇杯、2013年に2度目のナビスコカップ制覇。ホームタウンエリアは、柏市、野田市、流山市、我孫子市、松戸市、鎌ケ谷市、印西市、白井市の東葛8市。ホームスタジアムは、柏市日立台の「三協フロンテア柏スタジアム」。主な輩出選手は、明神智和、酒井宏樹、中山雄太。

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