スポーツ大学ならではの専門的な支援で道を拓く『神宮プロジェクト』~2023年シーズンを終え次なるシーズンへ~

びわこ成蹊スポーツ大学
チーム・協会

最速151㎞/hのストレートが武器の新川朝耶投手 【©びわこ成蹊スポーツ大学】

 びわこ成蹊スポーツ大学は、京滋大学野球連盟秋季リーグ戦を8勝5敗(勝ち点3)の3位でシーズンを終えた。開学20周年の節目の年での「初優勝」を目指したシーズンだったが、開幕節での京都先端科学大学、優勝した佛教大学との試合で接戦を勝ちきれなかったことが大きく影響した。スポーツ大学の様々な専門分野を活かしたバックアップを大学が主導して行う『神宮プロジェクト』の初年度。来シーズンに向けて新たなスタートを切ったチームの現状を取材した。

投手陣の成長とさらなる期待―

 「秋季リーグ戦では、3年生投手陣の成長が大きな収穫となった」と山田秋親監督はシーズンを振り返る。中井将太郎、植松徳馬が13試合中12試合に先発投手として登板。また、リリーフとして9試合に登板した新川朝耶は、自己最速を更新する151km/hをマーク。この3名以外にも左腕の河﨑佑太、右腕の中澤宏斗もリリーフとしてチームを支えた。それでも、「チームを勝利に導くことが投手の仕事。優勝できていないので、投手陣にはまだまだ成長してもらいたい」と山田監督は現状に満足していない。「中井だけでなく植松が先発投手として安定した投球をしてくれたことは大きな収穫。リリーフも各自がしっかりと役割を理解してくれている。同級生でライバルがいることは選手にとって何よりも刺激になる。この冬でさらに各自が成長をして、良い刺激を与えあって全体としてレベルアップしてほしい」とチーム力の底上げに山田監督は期待をかける。
 投手出身監督として、どのようにして成長させるのか―来シーズンに向けて楽しみなオフシーズンとなりそうだ。

チームが成長するための「チームビルディング」―

 来シーズンに向け、大学が主導してバックアップする『神宮プロジェクト』の一環として、「チームビルディング研修(ASE活動)」を計画している。同大学では、地域の子どもからトップアスリートを対象に同様の研修を積極的に行っている。硬式野球部でも、キャンパス内にある「野性の森」を活用して、グループで様々な課題に取り組む研修を行う予定。山田監督は「コロナ禍の影響で、びわスポらしい経験を出来ていない学生たち。新たな取り組みを行うことで、新鮮な気持ちで選手同士がコミュニケーションを取ってほしい。選手一人ひとりの新たな一面が見られるのかなと楽しみにしている」と研修が待ち遠しい様子。

野性の森を活かしたチームビルディング(ASE活動)の様子(授業として実施する事例) 【©びわこ成蹊スポーツ大学】

 秋季リーグ戦終了後は、体力測定やラプソードなどを用いた測定会を実施。その他にもスポーツ栄養学の勉強会などを計画している。野球部だけではなく、『神宮プロジェクト』を通して大学全体がバックアップする。同大学のスポーツ活動を支援する河野仁スポーツ統括本部長は「秋季リーグ戦でも3年生以下の選手が主力として経験している。能力が高い選手もいるので、来シーズンこそは初優勝。さらには、社会人やプロ野球でも活躍できる選手に成長してほしい。そのためにも、大学としてサポートできることをもっともっと進化させていく」と野球部への期待を語る。
 「リーグ初優勝」に向けた挑戦はスタートしている。選手たちは純粋に『上手くなりたい』という気持ちで野球と向き合う。
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著者プロフィール

2003年に開学した我が国初で唯一の「スポーツ」を大学名に冠したパイオニアが、その役割を全うすべく、「スポーツに本気の大学」を目指し「新たな日本のスポーツ文化を創造する大学」として進化します。スポーツを「する」「みる」「ささえる」ことを、あらゆる方向から捉え、スポーツで人生を豊かに。そんなワクワクするようなスポーツの未来を創造していきます。

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