6度目の完全優勝目前でも衰えない鈴木愛の向上心
鈴木 愛 【Photo:Atsushi Tomura/Getty Images】
(天候:晴れ 気温:27.1℃ 風速:4.7m/s)
《グリーン=スティンプ:9 3/4フィート コンパクション:21mm》
過去5回の完全優勝記録を持つ鈴木愛が6度目の完全優勝にリーチをかけた。単独首位でスタートしたこの日、スタートの1番・パー4で約4メートルを沈めてバーディー発進。前半と後半のハーフで1打ずつスコアを伸ばし、2位に1打差ながらも通算8アンダーで単独首位をキープした。ところが、鈴木の感触的には決して合格点を出せるゴルフではなかったという。
「今日のゴルフは全体的にあまりよくなかったですね。パッティングで思い通りのところには打てているものの、ラインの読みが少し外れて入らなかったことが結構ありました」と振り返る。どんなにいいストロークをしてもカップインできなければ、その体験が記憶として残り、また外してしまうのではないかと思うからだ。
また、この日はフェアウェイを2ホールでしか外してなかったが、ドライバーショットにも不満を残した。「ダウンスイングで上体の起き上がりが若干早い気がしました。それでクラブフェースの下方に当たり、スピン量が多く感じたんです」。俗に言う『当たりが薄い』状態だったため、本来の飛距離を出せなかった。
鈴木 愛 【Photo:Atsushi Tomura/Getty Images】
「ドライバーショットでは低く長いフォローを出すこと、アイアンショットではダウンスイングで上半身が突っ込まないようにすることです」。最終組でのラウンドだっただけに、ホールアウト後の練習時間は短かったものの、課題を克服するための練習だけはしっかり行った。
強風や雨の中でのラウンドは思いのほか体力が奪われやすい。地面が軟らかい分、普段以上に下半身にも力が入る。それが3日も続けば、ボディブローのように疲労がたまるが、幸いにもコツコツとトレーニングを続けてきたことで、ゴルフに影響が出るほどの疲れは感じていない。過去の完全優勝はいずれも3日間競技だったが、偶然にも今回も3日間競技だ。最終日もバーディー合戦が予想されるが、それに対応できる準備を欠かさない鈴木に死角はない。(山西 英希)
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