春を待つ94期生〜宮澤 美咲
【<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>】
コロナ禍の難しい調整を克服。2023年、プロ2年目のスタートを切る。21年11月、29.2倍という、狭き門を潜り抜けた94期生は逸材揃いーとの評判が高い。
みやざわ・みさき=2002年9月13日、北海道千歳市出身
人生はゲームにたとえられることがある。職業のゴルフもゲーム。この人の場合、「一日のメニューが終われば、食事や入浴時以外、ほとんどゲームをしている」と屈託なく語った。
しかも、通信で行う対戦型を好む。最近はもっぱら、ポケットモンスターシリーズの最新版「ポケモンSV」がお気に入り。「ゴルフをはじめたのは7歳ですけど、中学からほぼゴルフ漬けです。友人と会って遊ぶなんて、ほとんどなかった。だから一緒にゲームをします。通信さえできればいい。いつのまにか、ゲームばかりです。ヘタですけど、気分転換に最適」と、うれしそうだ。離れていてもリアルタイムで旧交を温めることができる。本当に、すごい時代になった。
プロ2年目の23年、開幕戦からJLPGAツアーへ出場。従来は、故郷で調整してきたが1、2月の北海道ではラウンドすることが不可能だ。そこで年明けから本州で合宿、また九州で調整することになった。「スポンサーさんが親身に考えてくださった。期待に応えられるようにもっと精進したい」と感謝を表す。
今季は、「前半戦の出場権をいただいたわけですから、後半戦もそのままJLPGAツアーでプレーすることが大目標。それができたら、次はシード権獲得です」と、なんだか申し訳なさそうな表情を浮かべた。プレーとは対照的で、コースを離れると常に控えめ。「少しずつ、できそうなことをみつけて達成していく。もし、強気の発言をして、結果が悪ければショックが大きい。だから私は、背伸びをしません。去年も目標はステップ賞金ランキング10位以内でした」。
それだけに、「1年目は上デキ。大きな試合で優勝もできた。勝った翌週から賞金ランキング2位以内へ目標を切り替えた」そうだ。ジャイアントステップのターニングポイントはユピテル・静岡新聞SBSレディース。
「とても難しいコースでした。でも、すごく調子が良かった。これが、というものはなかったけど前週、一度北海道へ帰って調整したことが良かったと思います」と話した。ここから6戦連続でトップ10フィニッシュ。極め付きは、ステップ唯一の4日間大会、SkyレディースABC杯のプロ初Vだろう。
「最終日、パー3の16番が忘れられない。第1打の前にスコアボードを見たら、2位に2打差がついていた。緊張などせず、4Uでピンを狙うとボールがまっすぐに飛んで、ほぼベタピンでバーディーがとれた。難度が高い17番を控えていたから、ひとつ貯金ができたことが大きい。おかげで気が楽になった」といい、「去年、一番良かった点はメンタルの安定です。以前はボギーを打つと、焦って崩れるパターンが多かった。今は、たとえボギーでも、次にバーディーをとればいい。うまく気持ちを切り替えることが容易になってきた」そうだ。
一方、ハッと息を飲んだのがJLPGAアワードだった。髪の色を変え、徹底的に自身を磨き抜く。ごほうびのドレスアップである。試合会場の雰囲気とはまったく違っていた。失礼かもしれないが、別人のよう。意外な一面を披露した。身の丈のゲームを楽しみ、上方修正することが堅実な人柄に合うー20歳ながら、的確に自己分析を欠かさない証。ゲームの達人を目指し、将来を見据えている。
(青木 政司)
みやざわ・みさき=2002年9月13日、北海道千歳市出身
人生はゲームにたとえられることがある。職業のゴルフもゲーム。この人の場合、「一日のメニューが終われば、食事や入浴時以外、ほとんどゲームをしている」と屈託なく語った。
しかも、通信で行う対戦型を好む。最近はもっぱら、ポケットモンスターシリーズの最新版「ポケモンSV」がお気に入り。「ゴルフをはじめたのは7歳ですけど、中学からほぼゴルフ漬けです。友人と会って遊ぶなんて、ほとんどなかった。だから一緒にゲームをします。通信さえできればいい。いつのまにか、ゲームばかりです。ヘタですけど、気分転換に最適」と、うれしそうだ。離れていてもリアルタイムで旧交を温めることができる。本当に、すごい時代になった。
プロ2年目の23年、開幕戦からJLPGAツアーへ出場。従来は、故郷で調整してきたが1、2月の北海道ではラウンドすることが不可能だ。そこで年明けから本州で合宿、また九州で調整することになった。「スポンサーさんが親身に考えてくださった。期待に応えられるようにもっと精進したい」と感謝を表す。
今季は、「前半戦の出場権をいただいたわけですから、後半戦もそのままJLPGAツアーでプレーすることが大目標。それができたら、次はシード権獲得です」と、なんだか申し訳なさそうな表情を浮かべた。プレーとは対照的で、コースを離れると常に控えめ。「少しずつ、できそうなことをみつけて達成していく。もし、強気の発言をして、結果が悪ければショックが大きい。だから私は、背伸びをしません。去年も目標はステップ賞金ランキング10位以内でした」。
それだけに、「1年目は上デキ。大きな試合で優勝もできた。勝った翌週から賞金ランキング2位以内へ目標を切り替えた」そうだ。ジャイアントステップのターニングポイントはユピテル・静岡新聞SBSレディース。
「とても難しいコースでした。でも、すごく調子が良かった。これが、というものはなかったけど前週、一度北海道へ帰って調整したことが良かったと思います」と話した。ここから6戦連続でトップ10フィニッシュ。極め付きは、ステップ唯一の4日間大会、SkyレディースABC杯のプロ初Vだろう。
「最終日、パー3の16番が忘れられない。第1打の前にスコアボードを見たら、2位に2打差がついていた。緊張などせず、4Uでピンを狙うとボールがまっすぐに飛んで、ほぼベタピンでバーディーがとれた。難度が高い17番を控えていたから、ひとつ貯金ができたことが大きい。おかげで気が楽になった」といい、「去年、一番良かった点はメンタルの安定です。以前はボギーを打つと、焦って崩れるパターンが多かった。今は、たとえボギーでも、次にバーディーをとればいい。うまく気持ちを切り替えることが容易になってきた」そうだ。
一方、ハッと息を飲んだのがJLPGAアワードだった。髪の色を変え、徹底的に自身を磨き抜く。ごほうびのドレスアップである。試合会場の雰囲気とはまったく違っていた。失礼かもしれないが、別人のよう。意外な一面を披露した。身の丈のゲームを楽しみ、上方修正することが堅実な人柄に合うー20歳ながら、的確に自己分析を欠かさない証。ゲームの達人を目指し、将来を見据えている。
(青木 政司)
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