【Xリーグ】短期集中連載 ライスボウルまであと4日 アメフト日本一への軌跡:富士通フロンティアーズ編(5)

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2022年シーズンのアメフト日本一を決めるアメリカンフットボール日本選手権プルデンシャル生命杯第76回ライスボウル(2023年1月3日、東京ドーム)までいよいよあとわずか。対戦カードは昨年と同じで、2年連続7回目の優勝を狙う王者・富士通フロンティアーズと7年ぶり5度目の日本一奪回を悲願とするパナソニック インパルスの顔合わせだ。前回対戦では二転三転する大接戦の末に富士通が24-18で勝利した。ここまで全勝で勝ち上がってきた両チーム。勝てば「パーフェクトシーズン」の達成だ。富士通の連覇かパナソニックのリベンジか。両チームのライスボウルまでの道のりをシリーズで振り返る。

Vol. 5 第5節:劣勢を強いられたオービックシーガルズ戦 ケガから復帰のDB奥田凌大の値千金のインターセプト

最終節は宿敵オービックシーガルズとの頂上決戦となった。富士通フロンティアーズはここまで4戦全勝。対するオービックは3勝1分けだ。勝ち点こそ差があるが無敗同士の対戦で、勝った方がDivision B1位としてライスボウルトーナメントに進むという位置づけの試合だった。

最近4年間の対戦で5勝1敗とオービックに対して優位に立つ富士通だったが、この試合は序盤にミスが続き、山本洋ヘッドコーチ(HC)が「過去に経験がない」という0-12のビハインドに追い込まれた。

最初の攻撃はクオーターバック(QB)高木翼がオービックのディフェンスライン(DL)平澤徹のタックルを受けてボールをファンブル。これをリカバーしたオービックはキッカー(K)山さき(さきの漢字は「たつさき」)丈路のフィールドゴールにつなげて先制した。

オービックシーガルズの守備陣にタックルされてファンブルする富士通フロンティアーズQB高木翼(中央) 【©X LEAGUE】

続くドライブでは自陣33ヤードからのパントに追い込まれるが、この際のロングスナップがパンター(P)吉田元紀の頭上を大きく超えてエンドゾーンへ転がり込む。吉田が機転を利かせてボールをエンドゾーンから外にはじき出したが、これによりセーフティでオービックに2点を計上。さらに、この後のオービックはCFLから帰国して2年ぶりの国内試合復帰となったランニングバック(RB)李卓のランでタッチダウンを奪って12点差とした。

富士通は第1クオーター終了間際の高木からワイドレシーバー(WR)松井理己への24ヤードタッチダウンパスなどで反撃を始めるが、オービックの堅い守備に阻まれてオービックにリードを許したまま第4クオーターを迎えることになる。

第4クオーターに決勝フィールドゴールに繋がるインターセプトをマークする富士通DB奥田凌大(右) 【©X LEAGUE】

第4クオーターの3分18秒にK納所幸司が28ヤードフィールドゴールを成功させて、ようやく富士通は18-18に同点に追いつき、ゲームを振り出しに戻す。ここから試合は膠着状態を迎えた。

富士通にとっては同点のまま試合が終わっても1位通過のできる状況だったが、ここで勝利を呼び込むビッグプレーが生まれる。試合時間残り1分14秒から始まったオービックの攻撃の2プレー目でQBジェイソン・スミスが投げたボールを、この試合で故障からの復帰を果たしたディフェンスバック(DB)奥田凌大がオービック陣内45ヤードでインターセプト。10ヤードをリターンして敵陣35ヤードでオフェンスにバトンを渡した。

RBトラショーン・ニクソンの11ヤードランでさらに前進した富士通は試合の最後のプレーで納所が41ヤードのフィールドゴールを難なく沈めて、最終スコア21-18でゲームオーバーとなった。

試合最後のプレーで決勝フィールドゴールを決める富士通K納所幸司(右) 【©X LEAGUE】

プレーオフを前に苦しい試合を経験してそれを克服したこと、奥田が復帰戦で勝利に大きく貢献したことなど、富士通にとってはレギュラーシーズンを全勝で終える以上の収穫が得られた試合だった。
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