今季ヒートはD1に昇格する 〜vol.8重一生【三重ホンダヒート 新加入選手インタビュー】

三重ホンダヒート
チーム・協会

【三重ホンダヒート】

高校、大学、トップリーグと全てのカテゴリーで優勝を経験してきた重選手。ヒートでの新たな挑戦は「D1への昇格を達成することが当たり前で通過点」だという。
通過点の先に、どのような景色を描くのか。重選手自身の夢、そしてヒートが歩むであろう近い未来について、想いを聞いた。

大阪府吹田市出身、常翔学園高校→帝京大学→コベルコ神戸スティーラーズ。171cm/90kg。ポジションはセンター、ウイング、フルバック 【三重ホンダヒート】

――今季、コベルコ神戸スティーラーズから移籍してきました。この決断に至るまで様々な葛藤もあったと思いますが、どういう状況の中でいつ頃考え始め、最終的になぜご決断されたのでしょうか
神戸から出ることを考えはじめたのは一昨年ぐらいでした。大卒3年目までは試合にも出られていたのですが、コロナが蔓延しはじめた頃から出場機会がなくなってしまって。
いろんな選択肢を考え始めた時に、子どもができたんですよね。産婦人科などの関係もあったので、まずはもう1年神戸に残ることにしたんですけど、昨シーズン神戸から「もう契約できない」と伝えられたので、最終的な決断はそのタイミングでした。

――プライベートでも大きな転換期を迎えた中で、ラグビー面でも決断をしなければいけない局面が重なったんですね
ある意味良かったな、と思っています。心機一転、全部新しい気持ちで臨めると考えたらポジティブな気持ちになれました。

――そこでポジティブに捉えられるのが重選手の魅力です。神戸ではどんな時間を過ごしていたのでしょうか
最初の3年間は社員選手で、3年目の終わりにプロへ転向しました。試合に出場できていたのは大体その頃までですかね。プロになってからコロナが重なって。登録メンバーに選ばれたこともあったんですけど、その度に試合が中止になってしまったので、出場記録は2シーズンありません。
だけどそれも含めて、こういう縁だったのかなと思っています。もし何試合か出ていたら、「やっぱり残りたい」っていう気持ちがあったかもしれないですし。今ではそれで良かったのかも、と思っています。

主はセンターだが、試合に出られるならポジションにこだわりはない 【三重ホンダヒート】

――神戸を離れ、三重にやってきました。ヒートを選んだ理由を教えてください
一番は、ヒートのラグビーから感じたモチベーションです。特に入替戦では、試合に出ている選手出ていない選手関係なく、みんなが昇格に向かって試合・応援している姿を感じました。
次に行くチームはモチベーションをしっかりと持ったチームがいいな、と思っていたので、そこが合致したんです。DIVISION 1に上がれるチームだと思っていますし、目標設定ができるチーム、という観点でヒートを選びました。

――実際に合流したのはいつでしたか
8月1日です。社員選手として採用して頂いたので、久しぶりに研修を受けたり業務についたりと、社員生活を楽しんでいます。

――職場の人たちからも応援してもらえる環境ができつつある、ということですね
それこそが社員選手の1つの役目でもあると思うんです。ラグビー部として応援されるチームになるためには、誰よりも社員選手が1番身近な存在。だからその辺はしっかりと意識するようにしています。

意識することの重要性

――チームについてはいかがですか。練習に加わって3ヶ月、率直に今、何を1番感じていますか
雰囲気がすごく良いです。なんというか、家族みたいに仲が良くて良い雰囲気だなって感じています。入団前に抱いていたイメージと、実際に入ってからの感覚がちゃんと一致しているんですよね。良いチームだな、って感じます。

――良い雰囲気が試合に現れているんですね
試合にも練習にも出ています。

――それは嬉しい情報です。今年ヒートがD2の壁を破るためには、何が必要だとこの3ヵ月で感じましたか
そうですね。やっぱり、ちょっとした意識が必要だなと思いました。
たとえば、ミスしたボールに対してのリアクションだったり、タックルに入るときのちょっとしたポイントだったり。本当に細かいところを変えていければ、格段と違うチームになっていくと思います。

――そのちょっとしたことを変えるために、重選手自身は何をしていきましょう
D1で戦ってきた経験、何より優勝した経験を生かして、今のヒートの選手たちに「ここがD1でずっと求められてきたレベル」を示し続けたいなと思っています。本当、意識的な所で差は埋まってくるんですよ。僕自身がそこを体現し続けることが1番大事なんじゃないかと思っています。
とはいえ僕だって、ダン・カーターやアダム・アシュリークーパー、ベン・スミスなど神戸で一緒にプレーしていた世界的スーパースターのレベルには届いていません。僕自身はそこを目指し続けていきたいと思います。

チームで1番体を張る姿を会場に見に来て欲しい 【三重ホンダヒート】

――重選手のこの1年のターゲットを教えてください
やっぱりまだ、代表を諦めていません。そこは目指していきたいと思っています。ヒートがD1に上がるときに主力として活躍し続けられないと候補にも入らないと思うので、そこはずっと目指して頑張っていきたいです。そのためにも僕は、ディフェンスで突き抜けていきたいと考えています。

――センターにはバックス最年長の森川選手から、若手選手も今年たくさん加わりました。センター陣として、どういうモチベーションで今いらっしゃいますか
もちろん、それぞれに競争はしています。もっとそこの競争を激しくしていかなければ、とも感じていますし、仲良しなだけではなく、もっと互いにライバル視していけるような競争を増やしていければ、センター全体がレベルアップしていくと考えています。
たとえば今、個人練習は自分のスキルよりも「みんなでこれをやろう」という雰囲気があるんですよね。自分がどこを伸ばしたいのか、自分はどこでライバルと差をつけるのか。そう考えることで、センター全体としてのレベルも上がっていくんじゃないかな、と感じています。

――バランスが難しいですね
そうなんですよね。でもチャンスが回ってきた時にみんな似たようなレベルだったら、群を抜けなくなってくるんです。だからそこだけは見失わずにやっていかないとダメな部分ですね。

一番のヒート(アツい選手)は森川海斗選手。「チームを良くする具体的なコミュニケーションを取れる選手。バックスの中で1番アツいおっちゃん、頼れる兄貴です」 【三重ホンダヒート】

来年はD1でベスト4、再来年は優勝を

――これまでにプレシーズンマッチを2試合終えました。感じたことは何でしょう
全員が自分の役割をもっと正しく認識する必要性、です。この2試合で気付いたのは、試合前の準備の部分でレベルを上げられる、ということ。個人の準備でレベルを上げることができる部分です。役割認識について、若いメンバー含めチームに少しずつ浸透させていければなと思っています。

――具体的な方策はありますか
チームのやるべきことに対して、自分の役割は何なのか。もっと突き詰めること、ですね。そしてどういう準備の仕方をすれば良いか、自分なりの方法を見つけること。
僕自身、世界トップクラスの選手たちの準備の仕方を見聞きする中で学んだこともあるので、共有することはできます。それぞれがそういうヒントを基にして、自分なりの準備の仕方をアレンジして見つけていくことが大切です。

――このチームには伸びしろがちゃんとある、ということですね
もちろんです。D2からD1に上がるのは普通にできると思っていますし、当たり前で通過点。来シーズンにはD1でもベスト8、ベスト4のレベルで戦えるでしょうし、その翌年ぐらいには優勝を狙えるチームだと考えています。

――心強いお言葉です。そのために肝となるゲームは、いつのどの試合になりそうでしょうか
まずはどのチームが相手だろうと、開幕戦です。そこが1番、チームとして良い流れを作れるか作れないかに関わってきます。
また今年は運良く浦安D-Rocksが相手なので、ここに勝てればすごく良い流れになるチャンスですよね。敗れた時のことはあまり考えていないですが、たとえ負けたとしても昨シーズンD1にいたチームに対して良い内容の試合ができれば、自信にもなります。マイナスがない試合です。

――開幕戦、楽しみにしています。では最後に、ファンの皆様へメッセージをお願いします
今季ヒートはD1に昇格します。その昇格の喜びを、会場で一緒に味わいましょう!グラウンドでお待ちしています!
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ジャパンラグビーリーグワン所属の『三重ホンダヒート』の公式アカウントです。三重ホンダヒートに関する試合情報や選手情報など様々なコンテンツをお届けいたします!

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