【第106回日本選手権10000m展望〜女子編〜】標準突破済みがすでに4名!オレゴン世界選手権日本代表「3枠」を争う大激戦のレース
【フォート・キシモト】
オレゴン2022世界選手権の参加標準記録は、男子が27分28秒00、女子が31分25秒00。日本選手権で即時内定を得るためには、このレースを3位以上でフィニッシュしたうえで、レース終了時点で参加標準記録を突破していることが必要だが、当日の気象条件によっては、このレースで、男女各3枠が埋まり、計6名の内定がアナウンスされる可能性もある。
東京オリンピックの会場となった現在の国立競技場における日本選手権の開催は、これが最初。そして、オリンピックでは叶わなかった有観客での開催となる。今大会では、グラウンド観戦ができる席種も新たに設定された。ファンが間近で見守るなかでのレースは、選手たちのモチベーションを大いに高めてくれるはずだ。
男女ともに好勝負が期待できそうなこのレース。エントリーリストに基づき、注目選手を紹介していこう。
※情報や記録・競技会等の結果は、4月22日時点の情報で構成。
文:児玉育美(JAAFメディアチーム)
写真:フォート・キシモト
【女子10000m】
優勝候補を実績面でみるのなら、昨年の東京オリンピックに5000m・10000mの2種目で出場し、5000mは14分52秒84の日本新記録で9位、10000mでは31分00秒71で7位入賞を果たした廣中が最右翼といえるだろう。前回大会は、自身2度目の10000mという状況で、堂々たるレースを展開して31分11秒75で初優勝。2種目で大活躍した東京オリンピックでの出場に繋げた。東京オリンピック以降は、トラックレースは9月の全日本実業団1500mのみ(7位)。ロードでは、11月の全日本実業団対抗女子駅伝(3区)と、今年1月の全国都道府県女子駅伝(アンカー)に出場して、どちらも区間賞を獲得しているが、今季は、この日本選手権が初戦となる。6月の日本選手権で5000mも控えることを考えると、長期で見据えるなら2024年パリオリンピックに向けて、徐々に上昇傾向を描いていく方針か。となれば、まずは着実に代表権獲得(3位以内)することがターゲットになるだろうが、いざ勝負となったときの集中力の高さは当代随一。うまくピークをつくることができていれば、連覇を狙っての走りをみせてくれるはずだ。
【フォート・キシモト】
【フォート・キシモト】
【フォート・キシモト】
【フォート・キシモト】
参加標準記録を突破できていない選手たちからすれば、この4選手より前でフィニッシュするためには、標準記録突破を見込めるハイペースでレースを進める必要が出てくるだけに、難易度はかなり高くなりそうだ。可能性があるとしたら、5000mで参加標準記録を突破済みの萩谷楓(エディオン、東京オリンピック5000m代表)、佐藤早也伽(積水化学)のほか、10000mで31分28秒20の自己記録を持つ岡本春美(ヤマダホールディングス)、さらには、5000mで2月に15分23秒87の室内アジア新記録を樹立している矢田みくに(デンソー)あたりか。天候に恵まれ、未突破の選手も含めて参加標準記録を上回るようなペースで優勝争いが繰り広げられるレースを期待したい。
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