ジェフ史上初!ジェフアカデミー出身親子対談が実現! 工藤浩平 × 工藤遙馬 2人にとっての「次の10年」」無料公開のお知らせ

チーム・協会

【ジェフ千葉】

父・浩平はアカデミー出身。次男・遙馬もアカデミー(U-13)に在籍。 ジェフにとって史上初となる“アカデミー出身親子”の誕生は、 創設30年の歴史を象徴する出来事の1つと言えるかもしれない。 2人にとっての「次の10年」は、ジェフにとっての「次の10年」でもある。(文:細江克弥)

クラブ史上初!アカデミー出身親子対談 【ジェフ千葉】

ああいう時は早く立てよ

―― クラブ30周年企画ということで、ついに実現しました。ともにアカデミー出身、工藤浩平・遙馬(とおま/U-13所属)の親子対談!

浩平 ありがとうございます。なんかすみません(笑)

―― 2人は普段から仲がいい?

浩平 そうですね……だよね?

遙馬 うーん……なんか、ちょっと面倒くさいです。

浩平 面倒くさい?

遙馬 めっちゃちょっかいかけてきて……ちょっと面倒くさい。

浩平 可愛いからちょっかい出してるんですけど……まあ、そう言いながらぜんぜん嫌がってないですね。ね?

遙馬 ふふ(笑)

―― ちなみに兄弟は?

浩平 長男が15歳。今、中1ですね。

遙馬 高1だよ。

浩平 高1か(笑)。で、次男の遙馬が中1で、長女が小5。遙馬が生まれたのは2008年なので、2歳くらいまで僕がジェフにいたんですよね。もちろんスタジアムに来たことはあるけど、記憶にはないかな。僕が京都サンガF.C.に移籍した時は一緒に引っ越して、ジェフに戻ってくる時にまた一緒に千葉に来ました。

遙馬 小4の時に京都から千葉に来ました。それからセレクションを受けてジェフに入れてもらいました。

―― 昔から一緒にボールを蹴っていた?

浩平 蹴っていました。長男もサッカーをやっているので3人で一緒に。サッカーをやらせたいと思っていたわけではなく、本人も野球をやろうとしたりしていましたね。

遙馬 サッカーしながら野球やろうと思っていたんですけど、なんか、その、野球の練習が雨で中止になったことがあって、その時に「もういいや」と思ったんです。

―― (笑)。遙馬くんは2020年の全日本少年サッカー大会で大活躍をして、ジェフU-12の全国準優勝に大きく貢献しました。どうでした?お父さんとしては。

浩平 チームのみんながすごく頑張っていたので「頑張れ!」と思いながら見ていました。遙馬は決勝戦で負けて悔し泣きしていたので、「泣くな!」という選手としての気持ちと「よく頑張った」と思う親心が入り混じった複雑な感情でしたね。

でもまあ、やっぱり感慨深いところはありました。僕自身も小学生からジェフのエンブレムが入ったユニフォームを着ていて、当時は何も考えてなかったけれど今になって振り返れば、子どもの頃はずっとジェフのユニフォームを着ていたんだよなって。だから、自分の子どもが同じように小学生からジェフのユニフォームを着てサッカーをやっていることは、やっぱりすごく嬉しいです。

―― しかも、かつて一緒にプレーした斎藤大輔さん(アカデミーマネージャー)の息子さんである敬太くんがいることも、ジェフのオールドファンにとってはものすごく“胸アツ”で。

浩平 ああやって一緒にプレーしている姿をちゃんと見ると「こんなことってあるんだなあ」と思いますよね。改めて感動しました。ダイさんと一緒に子どもたちの試合を観ることもあって、お互いに「やっぱり似てるね」って話をするんですよ。「今の敬太のプレー、ダイさんそのままっすね」とか。ダイさんには「遙馬は痛がって早く立たないところが浩平みたいだ」と言われちゃいました。

写真左:工藤遙馬(くどうとうま/U-13所属)※父:工藤浩平(現栃木シティ所属) 写真右:斎藤敬太(さいとうけいた)/U-13所属※父:斎藤大輔(現ジェフ千葉アカデミーマネージャー) 【ジェフ千葉】

―― 面白い。

浩平 その日、家に帰ってから遙馬に「ああいう時は早く立てよ」と言ったんですけどね(笑)

―― 遙馬くんは「お父さんがジェフだったから自分もジェフで」と思っていたの?

遙馬 いや、そんなことは別に。

浩平 思わないのかよ。

遙馬 周りからいろいろ言われることはありました。嬉しいことを言われることもあるんだけど、「お父さんがいるからジェフに入れたんでしょ?」と言われたこともたくさんあって、それはちょっとイヤだなって。

―― それはつらい。でも、プレースタイルは似ていると感じるでしょ?

遙馬 いや……あんまりないです。プレースタイルはそんなに似てないかなって思ってて。僕はドリブルする選手が好きだから自分でもやるけど、お父さんはパスはうまいけど、あまりドリブルしないから。

あ、でも、お父さんが松本山雅FCにいて京都サンガF.C.と試合をした時に、オーバーヘッドみたいな感じでパスをして前田大然選手が決めたシーン(2018年第18節)はすごく覚えてます。京都に住んでいた時だったので友達とスタジアムで観ていたんですけど、なんかめっちゃうまくて。

浩平 嬉しいです(笑)

JFA 第44回全日本U-12サッカー選手権大会決勝戦(2020年) 【ジェフ千葉】

ジェフで終わってほしかった

―― じゃあ、ジェフでプレーするお父さんの姿をちゃんと観たのは、2018年に戻って来てからなんだ。

遙馬 ジェフのトップチームでお父さんがプレーしているのが不思議だったけど、試合の途中でお父さんが交代させられた時は「なんで交代するんだよ!」と思ってました。試合に出られなかった時も。友だちにお父さんのことを「すげー!」と言われるのは嬉しいし、プレーを観ていて楽しいというか。お父さんはいろんなところが見えているから、観ていても楽しかったです。

浩平 そうなんだ(笑)

―― ジェフを離れる時はどんな話を?

浩平 まだもう少しプレーしたいから、お父さんだけ栃木に行ってくるねと伝えました。

―― 遙馬くんはどう思いましたか?

遙馬 そっちに行くくらいなら、ジェフで引退して、ジェフの仕事をして、一緒にいてほしいと思いました。

浩平 やっぱり、ジェフに戻ってきた時に思っていたのは、ジェフをJ1に昇格させて、ジェフで引退したいということだったんでんですよね。でも、昇格することができなくて、契約も切れてしまって、それでもサッカーを続けたいという気持ちが残っていて。ジェフに対する申しわけなさと悔しさと……。戻ってきた時に「家に帰ってきた」という感覚だったから、もう1回出て行くことはすごくイヤだったんですよ。でも、サッカーをしたいと思う気持ち、プレーすることが楽しいという気持ちが勝ってしまったので、ああいう形で離れることになってしまったんですけど。

[STAFF](佐藤)寿人の最後の試合を一緒に観て、「お父さんもこういうふうに引退すれば良かったのに」と思ったんだよね?

遙馬 はい。小さい頃からずっとジェフでやってきたんだから、そのままジェフで終わってほしかったなって。

浩平 ごめん(笑)

遙馬 サッカーを続けていることは嬉しいんですけど、友だちからは、“ウイイレ”ってサッカーゲームからお父さんの名前が消えちゃって、「なんでいなくなったの?」って結構イジられるんです。

【ジェフ千葉】

―― その話の流れで、お父さんの近況についてお聞きしますね。昨シーズン限りでジェフを退団して、関東サッカーリーグ1部に所属する栃木シティFCに加入しました。この1年間、どうでした?

浩平 やっぱり、初めての経験ばかりで戸惑ったこともたくさんありました。ウチのホームは天然芝なんですけれど、アウェーに行けば人工芝のグラウンドも少なくなかったし、着替えるところがなかったりして。もちろんサッカーもぜんぜん違うので、本当にいい勉強になったと思うことばかりでした。

―― 来年については?

浩平 まだ何も決まっていません。

―― 遙馬くんは栃木に行ってからのお父さんのプレーは観ましたか?

遙馬 試合を観に行くことはできなかったんですけど、おじいちゃんがお父さんの試合を観るのがすごく好きで、家で一緒にYouTubeで観たりしまいた。やっぱり、一人だけぜんぜんレベルが違ってうまいなと思いました。

浩平 ありがとう。

―― ちなみに、ナビスコカップ(現ルヴァンカップ)で優勝した2005年や2006年の映像をDVDとかで観ることは?

遙馬 京都にいた時、夏休みとかでたまに千葉に帰ってきた時におじいちゃんに見せられた記憶が……。

―― おじいちゃん大活躍。

浩平 そうなんですよ。

遙馬 でもYouTubeでプレー集を観たりします。

【ジェフ千葉】

―― さて、この対談にはジェフにとっての「次の10年」を一緒に考えようという意味も込められているのですが、「10年後の自分」をどのようにイメージしていますか?

遙馬 難しいです。

浩平 だよな(笑)。10年後ってことは、遙馬は23歳になってるのか。

―― お父さんが23歳の時は?

浩平 ジェフで試合に出させてもらっていました。

遙馬 すごい。

浩平 でしょ?尊敬して!

―― ちなみに、遙馬くんにはどんな選手になっていてほしい?

浩平 今のところ、いつ聞いても「プロになりたい」と言うので、できればそのままジェフのユニフォームを着続けて、阿部(勇樹)くんみたいに日本を代表するような選手になってほしいですよね。もちろん自分なんかよりもはるかにすごい選手になってほしい。

―― 遙馬くんはどういう選手になりたい?

遙馬 自分は……お父さんみたいなパサーじゃなくて、ネイマールみたいなドリブル系の選手になりたいと思っていて。

浩平 そうなの?(笑)

遙馬 うん。それから、いつか海外でプレーしてみたいです。

―― ジェフは?

遙馬 あ、まずはジェフに上がってから。でも、まだ自信はぜんぜんなくて、今のままじゃお父さんみたいにはなれないかなって。

浩平 もちろん遙馬にも頑張ってもらわなきゃいけないけれど、やっぱり、10年後にはジェフというクラブがもっと大きく、もっと注目されるクラブになっていてほしいと思いますね。自分も遙馬もアカデミーで育ってきたし、ジェフはもともと育成に力を入れてきたクラブだからこそ、アカデミー出身の選手がたくさん活躍するクラブでもあってほしいなと。そういうクラブのほうが、きっと長く愛されると思うんですよ。サポーターやファンの皆さんが「応援したい」と思ってくれるだろうし。

「ジェフはいい選手を育てるよね」って言われたら、やっぱり嬉しいじゃないですか。自分もそう言われたかったし、これからもそういうジェフであってほしい。

―― アカデミー出身であることを誇れるジェフを、次の10年で取り戻すというか。

浩平 そうなったら、すごくいいですよね。僕らの上の世代なんて本当にすごかったですから。山口智さん(現・湘南ベルマーレ監督)や酒井友之さん(現・浦和レッズ・ハートフルクラブコーチ)や阿部くんは高校生の頃から試合に出ていたし、その世代の先輩みんなに憬れていました。そういう選手がいるチームに、自分もいるんだって。アカデミーにいる選手がそう思えるクラブだったら、未来は明るいと思うんですよ。“憧れ”が持つパワーは本当に大きいというか。

―― 本当にそうですね。

浩平 10年後、もしも遙馬がトップチームに昇格していて、フクアリで僕と同じチャントが流れていたりしたらヤバいですよね。

―― さすがに泣いてしまいそう。

浩平 泣きますね。そうやって歴史が作られていくんだとしたら、遙馬にも頑張ってほしいなと思います。

―― わかりました。遙馬くん、最後にお父さんに言いたいことがあれば。

遙馬 最近はちょっと一緒にボールを蹴ってくれないので、もっとたくさんボールを一緒に蹴ってくれるお父さんでいてほしいです。帰ってきてもだいたい疲れてるからあまり一緒に蹴ってくれなくて。たまにやってくれる時はすごく楽しいんですけど、すぐに終わっちゃうから。お父さんが一緒にサッカーしてくれればうまくなれると思うし、そうすれば、将来、ジェフでも活躍できるかもしれないかなって思います。

―― 泣ける(笑)

浩平また一緒にボールを蹴ろう(笑)

【ジェフ千葉】

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著者プロフィール

千葉県市原市、千葉市をホームタウンとするJリーグクラブ。1993年Jリーグ開幕より加盟。 「全員の力で勝つ」という意味を込めた『WIN BY ALL!』というクラブフィロソフィーのもと、 チーム、サポーター、そしてホームタウンが結束して勝利を目指し闘う。

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