【J1・広島】試合の見どころ J1リーグ第11節 vs.福岡
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試合の見どころ
その意味では、今節は絶好の腕試しだ。相手となる福岡は2016年以来となるJ1復帰を果たした昇格組だが、ここまでリーグ戦3勝4分4敗の11位とまずまずのスタートをきっている。その内容も上々であり、勝利したのは同じ昇格組の徳島だけでなく、鹿島、FC東京と力のあるクラブからだ。特に1-0で勝利した前節・FC東京戦の戦いぶりは現在の福岡の真骨頂と言える確かな組織力を発揮したゲーム。オーソドックスな[4-4-2]システムはきっちりとオーガナイズされており、かつタフに激しく闘ってくる。そして攻撃に移れば、縦に早くサイドを有効に使いながら攻め込んでくるのが特長だ。「(福岡は)相当、インテンシティーが高いチームだと思っている。縦に早い中でセカンドボールを拾い、その後のゴールに直結するような動きやパスを繰り返せるチーム。最後はエミルというクロスのスペシャリストもいる。ピンポイントで『このチャンスだけ』というように選手は中に入ってくる。彼らの良さをもろに受けると、苦しい戦いになる」と城福浩監督も警戒する。
前線では昨季までC大阪に所属していたブラジル人ストライカーのブルーノ・メンデスや山岸祐也、さらに元広島の渡大生といった面々が献身的に体を張ってくる。中盤でも前寛之を中心に攻守でハードワークし、最終ラインではドウグラス・グローリを筆頭に前に激しく潰してくる。そして今の福岡のキーマンとなっているのがエミル・サロモンソンだ。得意の右SBで躍動する元サンフレッチェ戦士は、今季ここまで直接FKの2ゴールを含む3得点3アシスト。広島時代から定評のあった精度の高いキックは好調で、その右足は福岡の大きな得点源となっている。自陣ゴール前のセットプレーはもちろんのこと、後方から果敢に攻め上がってくるエミルの攻撃力はやはり注意が必要だ。
そんな福岡に対し、広島の勝利のポイントは、やはりアグレッシブさだ。「我々はまず縦、縦に来るのに対して受けっぱなしにならないこと。自分たちのボールにするために圧力をかけることは大事になる」(城福監督)。もちろん時には引かざるを得ない時もあるだろう。だが、基本としては前節・川崎F戦で見せた強度の高い守備で相手に襲い掛かり、ショートカウンターやコンビネーションを駆使してチャンスを作り続けること。得点が取れなければ一つでも多く決定的なシーンを全員で作るのみだ。福岡の堅い守備を何とかこじ開け、リーグ戦4試合ぶりの勝利を掴み取りたい。
城福浩監督試合前日コメント
「一昨日のルヴァンカップももちろん全員で目指したが、土曜日のJリーグもかなり意識したので、極端にコンディションが悪い選手がいないような状況は作れていると思う」
---福岡の印象は?
「相当、インテンシティーが高いチームだと思っている。縦に早い中でセカンドボールを拾い、その後のゴールに直結するような動きやパスを繰り返せるチーム。最後はエミルというクロスのスペシャリストもいる。ピンポイントで『このチャンスだけ』というように選手は中に入ってくる。彼らの良さをもろに受けると、苦しい戦いになる。また、そこで引いてしまうと、相手が意外とボールを繋ぐ。我々はまず縦、縦に来るのに対して受けっぱなしにならないこと。自分たちのボールにするために圧力をかけることは大事になる」
---セットプレーもポイントでは?
「直近の仙台戦もそこで痛い目にあっている。福岡にはキッカーがいて、長身の選手も揃えている。こぼれも狙っているので、そこのストロングポイントを出させないこと。また、我々もセットプレーでは可能性が増えてきている。そこで勝負を決められるようにしたい」
---明日も前から行きたい?
「気持ちとしては相手陣地でサッカーをやるアグレッシブさはずっと持っていたい。でも、引かざるを得ない、引いたほうが失点しない確率が高くなる場面もある。それは何のために引いているかと言うと、アグレッシブにやるため。その気持ちを忘れないことが大事。全部相手陣地でサッカーをやれるわけがない。今は何のために我慢をしてポジションを取っているのか、というのは共有したい」
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