今年で40歳とは思えぬ若さ 鳥谷敬 マリーンズ2年目のシーズンで絶大なる存在感
【華麗なる守備を披露する鳥谷敬内野手】
千葉ロッテマリーンズ 鳥谷敬内野手が今年も開幕早々、様々な記録を作り上げている。まずは開幕戦となった3月26日。福岡PayPayドームでのホークスとの開幕戦に7番遊撃でスタメン出場。遊撃手の39歳9カ月での開幕スタメンは14年イーグルス松井稼頭央の38歳5か月を上回り、史上最高齢となった。そして4月3日。札幌でのファイターズ戦で7番遊撃で3試合連続でスタメン出場をすると1点を追う七回二死から四球で出塁。その後、味方の援護でホームに生還し史上44人目の通算1000得点を達成した。
年齢を感じさせない華麗なプレーの数々で好調の鳥谷。開幕前、次のように話をしていた。
「今年はファームでしっかりと打席に立たせていただきましたし、キャンプでも時間をいただき色々と自分で試しながらやらせてもらいました。その中で今年のシーズンに臨む上でのヒントをたくさん見つけることができましたし、時間をもらったことでしっかりと動けるようにすることができました。去年とは違って、いい状態で新しいシーズンを迎えることができると思います。去年とは全然違います」
手ごたえを胸に挑んだ18年目のシーズンである。昨年はタイガースを退団しマリーンズ入りが決まる3月まで自宅横での坂道ダッシュとガレージの壁相手にボールを投げ続けるなど一人で黙々とトレーニングを積んだ。2月のキャンプからしっかりとチームの中で体を動かしてきた今年とでは調整には雲泥の差がある。
「内野で色々なポジションを守って試合勘を作っていくことが出来た。しっかりと開幕に照準を合わせて自分なりに感覚を戻すことが出来た」と胸を張る。
そんな40歳になるベテランの軽快な動きに井口資仁監督も「状態は非常にいい。動きは一番いいと思えるぐらい」と目を細めた。
誰よりも早く球場入りし入念に体を温めグラウンドに現れるのも早い。ポジションに向かうときは全力ダッシュ。ベンチでも若く大人しい選手の多いマリーンズにあって大きな声を出しチームを鼓舞している。不惑の年を迎える男も本人は「ボクは惑わされることはないし悩むこともない」とキッパリと言ってのける頼もしさだ。
20代の選手たちと同じように練習を行い、同じような動き、もしくはそれ以上のプレーを見せる若さの秘訣とはなにであろうか。周囲も気になるところではある。ただ、今、この年齢における体の状態は本人からしてみればこれまでの積み重ねとしての結果。当たり前の現在と考えている。
「プロに入った時から40歳になってもプレーをすることを目標にしてきた。その時から40歳になっても体を動くためにはどうすればいいかを考え、それに沿って行動をしてきた。だから、いま、なにか特別なことをしているかと言われたら、それはない」と鳥谷。
様々なトレーニング。食事管理。そしてナイターでもデーゲームでも日付が変わる前の23時ぐらいにはベッドに入り眠りにつくことでいつでも同じリズムを維持し体の負担を最小限にしようとする努力などは別に年を重ねて始めたことではなく、変わらぬルーティンとして続けてきたこと。それが積み重なり、今となっている。
「40歳を目前にした39歳になって、さあ体が重くなったからどうしようとかという人はよく見るし、見てきた。ボクは22歳ぐらいの時から18年後を考えながらやってきた。トレーニングにしても食事、調整法にしてもその中で自分に合っているものを見つける作業を繰り返し、困ったときのヒントや引き出しを増やすことを心掛けてきた。それが今は生きている部分はあると思う。だから今、特別にやっていることはなく、これまでもやってきたことを今もやっているというだけ」(鳥谷)
タイガースに入団をした時から「40歳でも体が動き、グラウンドに立ちプレーできる選手」を目標にしてきた鳥谷。だからこそ20代の頃からつねに自分を律し、40代の自分をイメージし探求を続けてきたのだ。
今ではなくずっと遠い未来を見据えて生活をするのは簡単なことではない。誰だって目先を考え、楽を選ぶ。その作業は孤独といってもいい。しかし鳥谷は一貫してスタイルを変えなかった。娯楽よりも鍛錬。シーズン中もオフも変わりない日々を送ってきた。誰よりも早く体を動かし、誰よりも長く汗を流した結果として今の充実期を迎えているのである。
そんなストイックな鳥谷について現役時代に一緒に1月の自主トレを行ってきた井口監督は当時を振り返り、次のようにコメントしている。
「自分も沢山、練習をする方だと思っていたけど、トリほど練習をする選手を見たことはない。最初に見た時はビックリした。朝、ウェートをして全員で練習で追い込んでまた戻ってウェート。まだ練習をするのかというほど体を動かしていた」
「今の自分をずっとイメージしていた。急になにか試すとかというようなことはない」という鳥谷。それは偶然ではなく必然なのである。昨年は350二塁打を達成。遊撃手としての通算試合出場数でNPB最多も更新した。来るべき21年も記録を積み重ね、さらなる存在感も見せていく。そして今年。フォー・ザ・チームを第一にする鳥谷の目標はもちろんリーグ優勝。さらに先には自身、未だ経験のない日本一がある。
「やっぱり05年にタイガースでリーグ優勝はしたけど、マリーンズに日本シリーズで4連敗をしたという思い出しかないので、そういう意味では何とか逆に今度はマリーンズで日本一になりたいと思っている」と笑いながらも、力強く話す。
まだ夢の途中。ゴールは先になる。タイガースからマリーンズに。背番号「1」から「00」となり2年目のシーズンが始まった。若い頃からイメージをしていた40歳現役の一年。鳥谷敬は若さ溢れるプレーでファンを魅了する。
文 千葉ロッテマリーンズ広報室 梶原 紀章
年齢を感じさせない華麗なプレーの数々で好調の鳥谷。開幕前、次のように話をしていた。
「今年はファームでしっかりと打席に立たせていただきましたし、キャンプでも時間をいただき色々と自分で試しながらやらせてもらいました。その中で今年のシーズンに臨む上でのヒントをたくさん見つけることができましたし、時間をもらったことでしっかりと動けるようにすることができました。去年とは違って、いい状態で新しいシーズンを迎えることができると思います。去年とは全然違います」
手ごたえを胸に挑んだ18年目のシーズンである。昨年はタイガースを退団しマリーンズ入りが決まる3月まで自宅横での坂道ダッシュとガレージの壁相手にボールを投げ続けるなど一人で黙々とトレーニングを積んだ。2月のキャンプからしっかりとチームの中で体を動かしてきた今年とでは調整には雲泥の差がある。
「内野で色々なポジションを守って試合勘を作っていくことが出来た。しっかりと開幕に照準を合わせて自分なりに感覚を戻すことが出来た」と胸を張る。
そんな40歳になるベテランの軽快な動きに井口資仁監督も「状態は非常にいい。動きは一番いいと思えるぐらい」と目を細めた。
誰よりも早く球場入りし入念に体を温めグラウンドに現れるのも早い。ポジションに向かうときは全力ダッシュ。ベンチでも若く大人しい選手の多いマリーンズにあって大きな声を出しチームを鼓舞している。不惑の年を迎える男も本人は「ボクは惑わされることはないし悩むこともない」とキッパリと言ってのける頼もしさだ。
20代の選手たちと同じように練習を行い、同じような動き、もしくはそれ以上のプレーを見せる若さの秘訣とはなにであろうか。周囲も気になるところではある。ただ、今、この年齢における体の状態は本人からしてみればこれまでの積み重ねとしての結果。当たり前の現在と考えている。
「プロに入った時から40歳になってもプレーをすることを目標にしてきた。その時から40歳になっても体を動くためにはどうすればいいかを考え、それに沿って行動をしてきた。だから、いま、なにか特別なことをしているかと言われたら、それはない」と鳥谷。
様々なトレーニング。食事管理。そしてナイターでもデーゲームでも日付が変わる前の23時ぐらいにはベッドに入り眠りにつくことでいつでも同じリズムを維持し体の負担を最小限にしようとする努力などは別に年を重ねて始めたことではなく、変わらぬルーティンとして続けてきたこと。それが積み重なり、今となっている。
「40歳を目前にした39歳になって、さあ体が重くなったからどうしようとかという人はよく見るし、見てきた。ボクは22歳ぐらいの時から18年後を考えながらやってきた。トレーニングにしても食事、調整法にしてもその中で自分に合っているものを見つける作業を繰り返し、困ったときのヒントや引き出しを増やすことを心掛けてきた。それが今は生きている部分はあると思う。だから今、特別にやっていることはなく、これまでもやってきたことを今もやっているというだけ」(鳥谷)
タイガースに入団をした時から「40歳でも体が動き、グラウンドに立ちプレーできる選手」を目標にしてきた鳥谷。だからこそ20代の頃からつねに自分を律し、40代の自分をイメージし探求を続けてきたのだ。
今ではなくずっと遠い未来を見据えて生活をするのは簡単なことではない。誰だって目先を考え、楽を選ぶ。その作業は孤独といってもいい。しかし鳥谷は一貫してスタイルを変えなかった。娯楽よりも鍛錬。シーズン中もオフも変わりない日々を送ってきた。誰よりも早く体を動かし、誰よりも長く汗を流した結果として今の充実期を迎えているのである。
そんなストイックな鳥谷について現役時代に一緒に1月の自主トレを行ってきた井口監督は当時を振り返り、次のようにコメントしている。
「自分も沢山、練習をする方だと思っていたけど、トリほど練習をする選手を見たことはない。最初に見た時はビックリした。朝、ウェートをして全員で練習で追い込んでまた戻ってウェート。まだ練習をするのかというほど体を動かしていた」
「今の自分をずっとイメージしていた。急になにか試すとかというようなことはない」という鳥谷。それは偶然ではなく必然なのである。昨年は350二塁打を達成。遊撃手としての通算試合出場数でNPB最多も更新した。来るべき21年も記録を積み重ね、さらなる存在感も見せていく。そして今年。フォー・ザ・チームを第一にする鳥谷の目標はもちろんリーグ優勝。さらに先には自身、未だ経験のない日本一がある。
「やっぱり05年にタイガースでリーグ優勝はしたけど、マリーンズに日本シリーズで4連敗をしたという思い出しかないので、そういう意味では何とか逆に今度はマリーンズで日本一になりたいと思っている」と笑いながらも、力強く話す。
まだ夢の途中。ゴールは先になる。タイガースからマリーンズに。背番号「1」から「00」となり2年目のシーズンが始まった。若い頃からイメージをしていた40歳現役の一年。鳥谷敬は若さ溢れるプレーでファンを魅了する。
文 千葉ロッテマリーンズ広報室 梶原 紀章
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