【サーフィン】世界で急速に成長しているウィングスポーツとは?世界初の国際協会GWA発足

チーム・協会

【©F-One】

波を利用したマリンスポーツと言えばサーフィン。
風を利用したマリンスポーツと言えばウィンドサーフィンがメジャーだが、水面で行う新たな形のウィングスポーツをご存知だろうか?

ウィングスポーツとは?

ウィングスポーツとは一言で言えば風を利用して水面や滑るスポーツ。
厳密に言えば水面だけに限らず、陸上、雪上を滑ることも出来る。

近年ではマウイ島出身の若き天才ウォーターマン、カイ・レニーがウィングフォイルで空を飛んだ映像が話題になったことがある。

主にウィングサーフィン、ウィングフォイル(陸上、雪上、路面を滑るウィングボードもある)があり、競技では主にレースとフリースタイルに分かれている。
ウィンドサーフィンと最も違う点はリグ(セイル)の部分。
その名の通り、鳥の翼のような道具を手で持ち、風を探しながら水面を疾走する。

海だけではなく、湖などでも可能なその手軽さ、習得の早さから世界で急速に成長しているウォータースポーツの一つと言われている。

ウィンドサーフィン、フォイルサーフィンなどの既存のウォータースポーツのハイブリッド。
日本ではまだマイナーだが、経験豊富なウィンドフォイラーは息を呑むような優雅さだ。

ウィングフォイルでは、ボードの上に立ったセーラーがウィングを手に持って風を読み、推進力を得る。それによって水面から浮き上がり、水の上を疾走する。ウィングの操作によって空中に飛ぶことも可能なのだ。

フォイルボードの進化

【PHOTO:©F-One】

カイ・レニーのファンならご存知の通り、フォイルボードの進化のスピードは早い。
特にハワイでの人気が高く、セス・モニーツの叔父、カービー福永もどっぷりとフォイル沼にはまっている。

フォイルボードは「カタマラン」と呼ばれる双胴船からインスパイアされ、2013年に人気が出始めたと言われている。
同じ原理のボードデザインがSUP、ウィンドサーフィン、カイトサーフィンにも使用され、各スポーツに新たなダイナミクスと高速化をもたらした。

フォイルボードとウィングによって生まれたウィングフォイルはここ数年で人気が爆発的に高まっている。
そのユニークさと多様性がボードスポーツファンを魅力しているのだ。

サーファー、ウィンドサーファー、カイトサーファー、フォイルサーファーだけではなく、スケートボーダー、スノーボーダーも風やボードコントロールの技術や知識をすでに持っているので、習得は早いと言われている。

無限の可能性と容易な習熟

【PHOTO:©Duotone】

ウィングスポーツの魅力は無限の可能性と容易な習熟にある。

翼のサイズは様々で、強風でも弱風でも、海では波の大小に関わらずに行えるし、湖や川などの波がない水面でも可能。
更に言えば水の上である必要もない。
この翼を持てば、スケートボード、スキー、スノーボードも新たな楽しさを切り開いてくれる。

ウィングサーフィン、ウィングフォイル以外にも、SUPの愛好家の間では翼を持ってダウンウィンドする冒険も行われているし、パドルボードは初心者が翼の利用を学ぶのに非常に有効で、上達すればフォイルボードへのステップアップも可能になる。

ウィングスポーツは世界中のウィンド、カイトサーフィンのスポットで愛好家が増加している。

しかし、どのスポーツでも安全には配慮しなければいけないのと同じく、ウィングスポーツでも練習する前には風、海、川などを十分に理解しておく必要がある。
全くの初心者は資格を持った知識豊富なアドバイザーに指導を受けるべきであり、それによって安全な環境で早く学ぶこともできる。

ウィングスポーツは世界中で行うことが可能だが、安定したトレードウィンドが吹くハワイが理想的。
このスポーツの発祥の地でもある。

世界初の国際的な協会GWAの発足

【PHOTO:©Slingshot】

ウィングスポーツの人気増加に伴い、世界初の国際的な協会、『GWA(Global Wingsports Association)』が2020年8月16日に発足した。

GWAはウィングスポーツの産業の発展、持続的な成長、世界中の愛好家が安全な方法で練習できるように各国の連盟、学校、用具メーカーと協力してガイドライン、情報、インフラ整備を行うことを目指し、国際的な競技フォーマットを構築することを目標としている。

GWAはAirush, Cabrinha, Duotone, Fanatic, F-One, Manera, North, Ocean Rodeo and Slingshotといった国際的に有名なウォータースポーツメーカーで構成されている。
各メーカーの製品開発と製造における長年の経験と知識を統合してウィングスポーツの未来のために強固なプラットフォームを提供する。

GWA事務局長のイェルゲン・ヴォクトはGWAを設立した理由を以下のように説明している。

「ウィングフォイリング、ウィングサーフィンという新しいスポーツの人気が高まり、人口が急増している。私達は世界中のレクリエーションとプロのウィングスポーツの繁栄、持続可能な未来を構築するため、アスリートとブランドにプラットフォームを提供することが可能な公式機関の要望が増えていることを感じたんだ」

2020年8月16日、GWAはスイスのシルヴァプラナ湖で開催されるヨーロッパで最も歴史があるウォータースポーツイベントの一つ、権威ある『Engadinwind』で世界に向けて発表をした。

『Engadinwind』では2日間に渡ってウィングスポーツのレースとフリースタイルのコンテストが開催された。
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