前走・若潮Sは逃げてハナ差の2着。ゴール寸前で勝ち馬に交わされたものの、後続を3馬身引き離して力は示した。開幕週の馬場は歓迎で、今回のメンバーでは持ち時計トップ。積極策でオープン入りを狙う。

昇級戦の逆瀬川Sで小差の4着。前走・寿S(11着)はスローペースで力みが抜けず、ラストの伸びを欠いた。気性的に距離短縮はプラスで、中山はスプリングS(G2)3着の実績。折り合いひとつで一変も可能だ。

今週から東の開催は中山に移る。日本列島を覆う強烈な寒気団も徐々に北へ押し戻され、春遠からじ。クラシックへ向けて蹄音がより鮮明に聞こえる時期を迎えた。

中山の開幕初日のメインはすっかりとおなじみとなった地元名が冠の幕張S。過去5回のデータで傾向を見てみたい。

レースは11、10、14、16、11頭立て。連対馬は8−1、6−4、4−2、3−8、2−4番人気の組み合わせで決まった。上位1〜3番人気は1、2、1連対と半数を占められず、人気薄の6、8番人気からそれぞれ1、2頭ずつ連対している。

馬連配当は
1000円台...1回
2000円台...1回
3000円台...1回
5000円台...1回
7000円台...1回

万馬券は見られないが、少頭数戦でも配当が分散し、荒いか堅いかを見極めづらい一戦となっている。

一方、3着に7、5、9、6、3番人気が入線した3連単配当は、10万、11万、9万、17万、1万円台で決着。6けたの高配当が5回中3回で飛び出す大荒れ。穴党にはワクワクするレースといえる。

脚質は逃げ3頭、先行5頭、差し1頭、追い込み1頭。開幕週は整備されたスピード馬場で、前々で立ち回る馬が圧倒的に有利となっている。

距離別は1400M組3頭、1600M組5頭、2000M組2頭。当レースと同距離をステップにした馬が優勢だが、距離を延ばした馬や詰めた馬からも目が離せない。

年齢別は4〜7歳馬が3、2、4、1連対。世代間に大きな差はない。

関東馬は10連対と関西馬を圧倒し、3着にも4頭が入線している。今年出走する5頭の関西馬には嫌なデータとなる。

牡馬VS牝馬は9対1。牝馬は苦戦中だが、昨年オパールシャルムが2着を確保。その効果か、今年は一挙5頭が参戦する。(たま)


◎......ジネストラは前走・若潮Sでハナ差の2着。好スタートからハナに立つとマイペースの逃げ。直線でいったん抜け出した時は押し切るかに思えたが、勝ち馬の決め手が上だった。それでも3着とは3馬身差。東京開催を全休してここへの参戦に勝負の予感。中山の芝に勝ち星はないが、(0.4.0.1)と相性は良い。

○......アールバロンはその若潮Sで3着。互角のスタートを切ったが、ジネストラにハナを譲り3番手を追走。軽快に4コーナーを回り先頭をうかがう勢いを見せたが、坂を上がってからあとひと伸びが利かなかった。休み明けを使われながら順位を上げており、現級ならいつ脱出してもいいところまできた。

▲......エンペザーは全3勝を芝1600M(中京)で挙げているマイル巧者。前走・中京日経賞は外枠からスピードの違いで内の馬を押さえてハナへ。余裕の手応えで直線を向きムチが入ると、一気にリードを広げて逃げ切った。今回は昇級戦だが、G2ニュージーランドT4着の舞台なら大崩れは考えられない。

△1......ヴィアルークスは昨春に中京→阪神の芝1600Mで2連勝。ともに中団追走からメンバー2、3番目の速い上がりで差し切った。その後3勝クラスにとどまっているが、前走は外を回るロスと自ら勝ちに行く競馬で詰めが甘くなった。引き続き中山が舞台。仕掛けどころ次第で好機はある。

△2......ルーカスは8歳でも元気いっぱい。去勢明けの秋色Sは本来の力を発揮できなかったが、前走・節分Sで0秒2差の2着。道中内々に押し込められ、追い出しを待たされながらもラスト200Mから鋭く伸びて混戦の2着争いを制した。末脚が生きる流れになればV争いに浮上する。

△3......ボーデンは東京で5戦して2勝、2着3回とパーフェクト連対。中山に移るが、芝1800のG2スプリングS3着が光る。前走は6カ月ぶりを使われた後に中京へ輸送されて8キロ増。少し重かったか。道中力みも抜けず、直線で伸び切れなかった。マイルの2勝クラスを快勝しており、力通りなら差はない。