希少な白毛馬がデビューから3連勝。札幌2歳S(G3)をレコードで快勝すると、アルテミスS(G3)は対照的なスローペースの瞬発力勝負を制して総合力の高さをアピールした。この中間も順調に調整され、さらに良化ムード。白毛馬初のG1制覇を飾り、無敗のまま2歳女王に輝く。

こちらも3戦3勝。前走・ファンタジーS(G3)は道中で折り合いを欠きながらも、レコードを叩き出して堂々と押し切った。気性面に課題を残すが、ポテンシャルは非凡。ソダシと同じ「シラユキヒメ一族」に属し、牝系の勢いも十分だ。距離延長は懸念材料だが、折り合いひとつでチャンスはある。

休養を挟んでデビュー2連勝。前走・サフラン賞(1勝クラス)は新馬戦と同様に出遅れたが、シャープな末脚で鮮やかに差し切った。今年の弥生賞(G2)を制したサトノフラッグの全妹で、父ディープインパクト譲りの末脚が武器。まだゲートに課題はあるが、G1でも素質は引けを取らない。

今年はフルゲート18頭で2歳女王の座が争われる。注目は重賞2勝を含む無傷の3連勝中のソダシとメイケイエール。それぞれ祖母は「シラユキヒメ」、「ユキチャン」。同じシラユキヒメ一族がG1の舞台で激突する。話題先行のアイドルホースではなく、実力本物の「白毛」血統だ。競馬史に新たなページを刻めるか。過去10年のデータで傾向を見てみたい。

レースは18頭立て(昨年は16頭)で行われ、連対馬は1−4、4−8、5−15、5−1、5−2、1−10、1−2、2−3、1−2、4−6番人気の組み合わせで決まった。上位1、2番人気は5、4連対と悪くない成績だが、3番人気が1連対と絶不調。代わりに、6番人気以下から4頭の伏兵馬が連対している。

馬連配当は
3 け た......3回
1000円台...2回
2000円台...1回
3000円台...1回
4000円台...1回
万 馬 券......2回

5、15番人気で決着した2012年に3万5990円の万馬券が飛び出し、19年も1万0000円の高配当が出ている。一方で8回は5000円未満に収まっている。能力比較の難しい2歳G1戦にしては、大荒れは少ない。

また、3連単配当は2万円台、6万円台、304万円台、4万円台、2万円台、3万円台、4250円、8560円、5020円、8万円台。12年に304万馬券が飛び出してドーンと荒れたが、ほかは10万円を超えるような波乱にはなっていない。ちなみに3着は8、1、10、8、4、3、3、4、4、3人気だった。

連対馬20頭のクラス別は、重賞組13頭、オープン特別組2頭、1勝クラス組4頭、新馬組1頭。重賞組が格上の貫禄を見せているが、オープン特別組以下にもチャンスは十分にある。

ステップは5連対でアルテミスS組とファンタジーS組が並び、2連対のアイビーSの順。

連対馬20頭の前走成績は【15.3.1.1】(1〜3着、着外)。18頭までが前走2着以内に好走し、3着を見ても8頭が該当。馬券対象の30頭中、実に26頭が1、2着からの臨戦馬だった。前哨戦で連を外した馬は大きな減点対象になる。

関東馬は57頭が出走して7連対(連対率12%)、関西馬は121頭で13連対(同11%)。関東馬は連対数で関西馬に見劣るものの、率で一歩リード。東西間格差はあまり気にしなくてもよさそうだ。

距離別は全馬芝からの臨戦で1400M7頭、1600M10頭、1800M3頭。福島2歳Sから参戦のルクシオン以外はこのハードルをクリアしている。

最後にキャリア別は1〜5戦以上馬が15、46、61、32、24頭出走して1、9、6、4、0連対で、連対率は7、20、10、13、0連対。戦歴の浅い1戦馬やキャリア過多の5戦以上馬は苦戦している。



◎......前走ファンタジーSでオパールムーンはメンバー最速の上がり33秒5で伸びて0秒1差の2着。差し切りはならなかったが、直線大外から強襲した末脚は見どころ十分だった。距離延長に問題はなく、仕掛どころひとつでG1奪取が決まる。

○......サトノレイナスは新馬、サフラン賞を連勝。ルメール騎手の立ち回りも見事だったが、2戦目でパフォーマンスの質を上げてきた。メンバーで唯一マイルで2勝を挙げている実績馬。ゲートに課題は残るが、スタート互角なら突き抜けても不思議はない。

▲......デビューから重賞2勝を含めてソダシは無傷の3連勝。前走のアルテミスSは2番手から早めに仕掛ける競馬で後続を0秒3突き放した。今年は新記録樹立が続けられており、白毛初のG1制覇が達成されそうなムードも漂っている。

△1......メイケイエールも無傷の3連勝を続けている。前走ファンタジーSは芝1400Mの2歳日本レコードで快勝。スピード能力は世代トップ級であることは間違いない。前向きすぎる気性に不安はあるが、そこをクリアできれば楽勝しても驚けない。

△2......ポールネイロンは中京の芝1400Mを逃げて2連勝。デビュー戦は8馬身差のレコードタイ。続く前走は従来の時計を0秒4縮めてレコード勝ちを決めた。激走の疲れ、距離延長と課題もあるが、無傷のG1制覇も十分可能だ。

△3......エイシンヒテンは未勝利、白菊賞と逃げて2連勝。距離が1200→1600Mと一気に伸びた前走で、後続に影をも踏ませず2馬身半ちぎった。勝ち時計も同日の3勝クラスと0秒2と優秀。同型馬との兼ね合いがカギとなる。