デビューから5戦4勝、2着1回。前走・オークス(G1)では馬群をこじ開け力強く差し切り、樫の女王の座についた。唯一の黒星はジュエラーに敗れた桜花賞(G1)だが、わずかハナ差の惜敗。直線で早めに抜け出す形から粘っており、負けて強しの内容だった。小柄な牝馬で仕上がりは早く、休み明けでも上々のデキ。ジュエラーに雪辱し、2冠達成に王手をかける。

抜群の決め手を誇り、これまでの4戦全て上がり最速をマーク。前走・桜花賞(G1)では怒濤の後方一気でシンハライトを差し切り、見事に1冠目を獲得した。骨折によりオークス(G1)は無念の回避となったが、帰きゅう後は軽快な動きで非凡な瞬発力をアピール。再度の阪神で桜花賞の再現を狙う。

春の2冠は10、9着に終わったが、ともに直線でスムーズさを欠いた結果。昨秋のアルテミスS(G3)ではメジャーエンブレム(G1レース2勝)を豪快な直線一気で差し切ったように、瞬発力は特筆できる。スムーズな競馬なら一角崩しの場面まであっていいだろう。

阪神の外回り芝1800メートルで行われた過去9回、連対馬は(1)(2)、(7)(9)、(5)(1)、(4)(6)、(1)(10)、(1)(2)、(1)(9)、(2)(15)、(7)(1)番人気で決まった。6連対(4勝2着2回)の1番人気はまずまずの成績だが、2、3番人気が3、0連対と振るわず、6番人気以下から7頭が連に絡んでいる。

馬連配当は
3けた…………2回
1000円台…2回
5000円台…1回
7000円台…2回
万馬券…………2回

08年に7、9番人気のワンツーで2万3040円と荒れ、14年も15番人気馬の健闘で2万1060円の高配当が出ている。

また、3連単配当は1080円、15万、9万、19万、13万、800円、26万、75万、2万円台。こちらは9回中5回で10万超の万馬券が飛び出す難解な一戦となっている。ちなみに、3着は3、1、10、5、7、3、10、9、2番人気だった。

路線別(着順)はオークス組が12連対と強く、そこでの成績は2、9、(4、2)、4、(3、6)、(1、2)、3、1、1着。現在9年連続で連対している。


デンコウアンジュはデビュー3戦目のアルテミスSで、後のG1レース2勝馬メジャーエンブレムを大外から豪快に差し切った。桜花賞は直線で前が壁になり、オークスは勝ち馬にぶつけられる不利。春のクラシック2戦は不完全燃焼に終わったが、潜在能力は間違いなく世代トップ級。スムーズな競馬で巻き返す。